マルシェの主催である「長野地域まちおこし協議会(みさっと長野)」の会長・行岡さんもやってきて、スタート時間を早めることを確認。
そして行岡さんには入場のお迎えをしていただいたあと、ただちに臨時駐車場の方へ回っていただくことになった。
マルシェのスタートの合図は懐かしい学校のチャイムでいこうと決めていた。
しかし、すでに長野小学校にはチャイムを鳴らす装置がなく、事前にネットでチャイムの音をダウンロードし、それをCDに焼いて準備していた。
タイミングを合わせ、CDデッキの再生ボタンを押して、チャイムを鳴らすのだ。
その超緊張するアナログ作業を、隊長の妻であるM子が担当することになった。
「ボタンはこことここ。
もし間違えて違うところ押しちゃったらどうしよう。
ボリュームはここに設定・・・
もし間違えて大音量で流しちゃったらどうしよう。
どうしようどうしよう」
失敗するイメージを頭のなかでするから、ますます心配になるのだ。
こういう場合は何も考えず、やっちゃえばいいのだ(笑)。
なんの前触れもなく、
「キーンコーンカーンコーン、キンコンカンコーン、キーンコーンカーンコーン・・・・・」
あの懐かしいチャイムが大音量で鳴り響いた。
校内にも。
校外にも。
校内でお客さんを待つマルシェの出店者はみな一斉に静かになり、チャイムの音を聞いた。
校舎に取り付けられたスピーカーは、学校の下に広がる集落に向かってチャイムの音を鳴らした。
谷間のむこうからやまびこのチャイムが返る。
チャイムの音に胸が熱くなった。
目頭も熱くなった。
さあ、いよいよ始業時間だ。
127年の歴史に終止符を打った長野小学校の新たなドラマがいまここからはじまるのだ。
「お待たせしました、みさとの学校マルシェ、開場します〜」
ドアを一斉にあけてお客さんを入れた。
堰を切ったようにどっと流れ込んでくる。
まるで都会のデパートの年末大セールの開店時間のような様相であった。
出迎えたボランティア、地域のひとは、信じられぬ思いでその人の流れを見送った。
1階奥の飲食店ブースはすぐさまいっぱいの状態になる。
お目当てのお店をさがして大騒ぎ。
「チャイムが鳴ったあと、人が学校に流れ込んでいるのがわかって大変なことになってるなと思ったんやけど・・・・」
2階でグッズ販売をしている人たちにも人の流れはわかったようだ。
「でもすぐにお客さんが来なくて・・・・あれ、どうしたんだろ、と思ったら、遅れて一気に2階におお客さんがやってきたん・・・・。
たぶん1階の食べるところをみてからこっちに来たんやね。すごかったよ・・・・人の流れが怖いと思ったもん・・・・」
こんな状況であったのだ。
今回がはじめての出店となる池田夫妻のお店も、いきなりの行列。
美里町平木で3年かけて再生した茶畑でつくった紅茶の水出しアイスティーは大好評のようだ。
日本一のパンナコッタは、なんとスタートして15分で完売!!
なんてこった。
食べるの楽しみにしてたのに!!
中伊勢温泉郷の津ぎょうざ。
スタートこそスローだったようである。
まあ、朝いちばんから巨大ぎょうざを食べたくないもんなあ(笑)。
が、火がついたらその販売スピードはすさまじく、これまでで最速の販売スピードであったという。
2階の様子。
実はサルシカ隊長のわたくしは、オープンから昼過ぎまで一度も2階へ行っていない。
行っているような状態ではなかったのだ。
写真をみて改めてすごかったのだなあと思う。
こちらは榊原未来会議のヒンメリづくりワークショップのコーナー。
スタートからワークショップに人が入るというのはめずらしいことだ。
だいたいみんな一巡して、すべてを見定めてからどっしりと腰を据える。
が、今回はすべてのお店がスタートダッシュであった。
「みさとの学校マルシェ」も「大門まちなかバーベキュー」のポスターやチラシ、サルシカ店舗の「キャンプバー・ランタン」「歌声サロンまりりん」「串揚げまるう本店」「おばんざいバルすみす」の看板やリーフなどをデザインしてくれているデザイナー橋本さんのブース。
ごめん、最後まで何を売っていたのか、見に行くこともできなかった(涙)。
林家菊丸らくご会は11時スタート。
まだのんびりの「津あけぼの座」油田さん。
「なんでこんなに人がくるねん」
「なんでこんなに暑いねん」
「扇風機、もっと早うくるくる回らんかい!」
などと文句を言っている。
マルシェがはじまって15分。
思ってもなかった大盛況であった。