サルシカ軽キャンカーを活用したかった。
せっかくFFヒーターもつけたのだ。
どこかに出撃したかった。
サルシカ軽キャンカーが完成しておよそ1年。
さあ、三重の海、山、川でキャンプしまくるぞ〜!!
と思っていたら、いきおいで店を3軒もつくってしまうわ、商店街をランタンで照らすわ、商店街バーベキューやら学校マルシェやらウルトラ級のイベントが相次ぐわ、で、もうテンテコマイ。
せっかくのサルシカ軽キャンカーはサルシカ秘密基地と繁華街の往復ばかりで、汗臭いまま酩酊した男(わたくしのことね)が街の駐車場でぐーがーぐーがー寝るばかりであったのだ。
これでは、あまりにも軽キャンちゃんがかわいそうなのだ。
旅に出なくてはいかんのだ!
そのチャンスは訪れた。
高校生の娘が修学旅行で北海道にいくことになった。
幸い、生放送の番組出演日に重なってなく、他の仕事も調整できそう!
行こう行こう行こう!
どっかへ行こう!
と、いうことになった。
軽キャンなのでさすがに家族3人で出かけるのは無理だが、夫婦ふたりならば十分いけるのだ。
そういう仕様でつくってあるのだ。
思い立ったら吉日。
サルシカ隊長のわたくしと、妻M子は、荷物を軽キャンに放り込み、入り切らない荷物はキャリアの上にくくりつけたボックスに放り込み、いざ出撃したのだ。
目指すのは四国!
前から行きたいと思っていた讃岐うどんめぐりなのだ。
「待ってろよ〜、うどんめ! 食い散らかしてやるからなあ〜!!」
われわれはサルシカ軽キャンカーで、神戸と淡路島をつなぐ世界最長の吊橋(全長3911m)明石海峡大橋を渡ったのであった。
「軽キャンは運転するのも楽しいなあ、ルル・ルルルン〜♪」
セントレア空港から北海道へ飛ぶ娘は早朝6時に学校付近に集合であった。
集合場所に娘を送り届けてから、そのまま不必要に早く四国へと向かった。
奈良、大阪、兵庫、・・・。
200キロ近い距離を走ったが、楽しいので疲れ知らず。
いきおいで四国に上陸してしまったが、まだ時間が早すぎてうどん屋さんがやっていない(笑)。
「じゃあさ、うずまき見にいこ! うずまき! 鳴門大橋(淡路島と徳島をつなぐ)の下に歩道があって、そこらうずまき見れるんだって!」
「よーし行こう行こう! うずまき了解〜」
わたくしは軽快にハンドルを切ったのであった。
が、うかつであった。
なんたって海を渡る大橋なのである。
鳴門大橋の下に吊り下げれたような歩道があるところは、なんと海上45メートル!
横風がビュービュー吹きすさび、恐怖心をあおる。
しかも、床のところどころにガラス張りの穴が空けられているのだ。
もう知っている人は呆れるほど知っているであろうが、わたくしは大の高所恐怖症なのだ。
「アホか、なんでこんなにあちこちに穴をあけてあるねん!」
もちろんそれは「うずしお」を見るためである(笑)。
妻M子はわたくしの手を引き、さりげなく穴の方へと誘導し、突き落とそうとする。
とんでもない女である。
うずしお事件のあと、われわれは無事に香川県に入った。
さっそく讃岐うどんめぐりをはじめる。
最初に行ったのは、人気店の山越うどんというお店。
アツアツの釜揚げ麺に生卵をからめる「釜玉」発祥のお店とか。
が、いきなり行列。
しょっぱなから、恐るべし讃岐うどんの洗礼を受ける。
各うどん店の様子やうどんの味については、妻M子が改めてレポートすると思うので、ここで細かくは書かない。
2日間で回ったうどん店は6軒。
製麺所あり、セルフあり、通常のお店ありであった。
衝撃的だったのは、製麺所で食べたうどん。
釜揚げしたばかりのうどんに生醤油と薬味をかけただけのものが、刮目的においしかった。
文字通り妻M子と目を見張りあったのである。
讃岐うどんはコシ。
コシコシコシ。
と思い込んでいたが、そればかりではないのだと知った。
伊勢うどんほどのものはなかったが、歯ざわりがふんわりしているうどんもあった。
そしてそれもうまかった。
あと・・・・
衝撃的だったのは、香川県の飲食店の少なさ。
街なかも郊外も、本当に店の数が少ない。
チェーン店やファーストフード店、コンビニはそれなりにあるのだが、洋食屋さんとか定食屋さんとか喫茶店がない。
ないったらない。
「わたし、ここには住めないわ・・・・」
M子がまじめにそう言うほどであった。
勝手に想像するに、これは讃岐うどんのせいなのである。
うどんを愛する香川県民の県民性のせいなのである。
点在するうどん店を見ていると、もともとは喫茶店なのになぜか入口に「うどん」と暖簾がかかっており、看板からカフェの文字が消えているお店などがある。
かつてはカフェとして営業していたが、うどん好きな香川県民はランチにうどんを所望し、そのうちうどんに頼らないと営業がままならなくなり、で、いつのまにかカフェの看板をおろしてしまったのではないか。
十分ありえることなのである。
同様に、定食屋や洋食屋までもが、うどんの誘惑に負け、ふと気づくと「うどん屋になってましてん」ということでないのか。
だって。
香川県にあるのは、ひたすらうどん屋なのだ。
えんえん車を走らせて、ようやく見つけたお店はほぼ確実にうどん店なのである。
チェーン店も、個人経営の小さなお店もみーんなうどん店。
恐るべし讃岐うどん!!
香川県民が読んでいない前提で書くが、香川県にはうどんしかないのだ。
ひたすらうどんなのだ。
きっと、うどん以外の食文化を捨て去ったのである。
うどん好きの、うどん好きによる、うどん好きのための県。
それが香川だ(笑)。
うどん好き以外は、住んではいけないのである。
われわれ夫婦は、うどん県に見切りをつけ、愛媛県松山市へと移動した。
香川県高松市から松山市へ。
地図で見ると、近そうに見えるが、これが結構な距離がある。
思いのほか四国は大きいのだ。
さて、いよいよ本日の宿泊地、道後温泉に入る。
わくわくのP泊なのだ!!!