「廃校活用のじまスコーラに行ってみた」第618回サルシカ隊がいく

投稿日: 2017年10月07日(土)09:22

われわれサルシカは、今年(2017年)3月に閉校になった小学校の利活用を検討し実行していくプロジェクトに参加している。

その小学校とは、三重県津市美里町の旧長野小学校であり、
そして利活用プロジェクトとしてまず開催されのが、この夏(8月20日)に開催された「みさとの学校マルシェ」である。

これからいろいろ試行錯誤しつつ、学校の地域の拠点へと育てていく予定である。

実はここまで至る数年の間にも継続的に会議が行われてきた。
廃校になった学校は全国にあり、あちこちで利活用がされている。

その情報を徹底的に集め・・・いや、正確には大山さんに集めてもらった。

実際のところ、学校の利活用は、そのほとんどがうまくいっていない。
最初こそ話題になってもすぐさま金食い虫の赤字施設になっているところがほとんど。
負の遺産のようになってしまっている。

そんな中、異彩を放つ存在の学校が淡路島にあった。
それが、「のじまスコーラ」。

淡路島の上部。
兵庫県淡路市野島蟇浦(ひきのうら)。
廃校になった野島小学校を改装し、2012年にオープン。
スコーラとはイタリア語で学校の意味。
産直野菜や特産品のマルシェやカフェ、レストランが入る複合施設である。

会議でこの施設を知ってから、ぜひ一度実際に足を運んでみたいと思っていた。
今回の旅を四国方面にした理由のひとつは、ここを訪ねるためでもあった。

淡路ICを降りて、海沿いの道を15分ほど。
小高い丘のすそのに旧小学校はあった。

こうして横からみると、ちょっとラブホテルみたい(笑)。
場所も場所だし。

入口には、小学校の看板がそのまま残っている。
ラブホテルなんて言ってごめんなさい(笑)。

グランドが駐車場。
車を停めて、学校を正面に見る。

立派である。
そしておしゃれ。

いろいろな経緯があったらしいが、いまここを運営しているのは、パソナふるさとインキュベーションという株式会社。
あの人材派遣大手のグループ会社で、なんと資本金は1億円である。

すなわち、改装費や準備に莫大なお金が使われ(まあこの規模なら莫大でもないか)てきたのである。
これはそのまま参考にして・・・というわけにはいかないだろうが、ヒントとチャンスは得られるかも知れぬ。
まあ、そのぐらいの気持ちで覗いてみよう。

学校の建物のまえ。
グランドの3分1ほどに芝生が敷き詰められ、ガーデニングパーティができそうな感じになっている。
ガゼボがいくつか。
ワーゲンバスも置かれている。
これだけで、ただならぬオシャレ感とゴーカ感を醸し出しているではないか。

これをわれわれが真似をすると、掘っ立て小屋が並んでしまうのであろうなあ(笑)。

大改装によって、正面入口がグランドの前に設けられている。
そこへのアプローチの階段にも花が飾られている。
造花であったが、これもいい雰囲気。

入口を入ってすぐにあるのがパン工房。
パンの香ばしい匂いがお出迎えしてれる。
くやしいほどよくできた演出ではないか。

そしてもう一方には、淡路島の特産品である玉ねぎや新鮮な野菜が並べられている。
この施設の基本構成は、マルシェ、カフェ、レストラン。
実に巧妙にレイアウトがされている。

パンと産直売り場を抜けて、最初に広がる空間がマルシェゾーン。
淡路島に関連した商品が中心に並べられている。

そのさらに奥にあるのがカフェゾーン。
サラダバーや焼き立てパンを気軽に食すことができる。

これならば近所の人も日常的に利用できる。

いま、この施設を訪れる人は、なんと年間15万人!!

われわれはオープンと同時に入ったのでまだお客さんの姿は少なかったが、お昼に近づくにつれてどんどんと増え、ランチタイムには半分以上駐車場が埋まっていた。

平日なのにこのにぎわい。
すごいのだ。

2階は赤のカーテンを基調にした高級感あふれるイタリアンレストラン。
世界1000人のシェフに選ばれたイタリアンの天才、奥田政行氏がプロデュースしている。

2階のほとんどが客席。
結婚披露パーティにも使えそうである。

パスタランチをいただく。
強気の値段設定だが、それだけの料理が出てくる。

地元野菜を地元でとれたオリーブオイルで。

淡路島の特産品である玉ねぎをそのまま1個ローストした豪快なパスタ。
玉ねぎが甘くておいしい。
ボリュームもたっぷり。
一番人気のメニューとか。

学校3階からの眺め。
グランドの向こうに瀬戸内海、そして神戸が見える。

3階はテラス席もあってバーベキューコーナーになっている。
淡路牛を堪能できまっせ。
こちらは週末のみ営業。

グランドの炭にはミニ動物園も。

うーむ。
予算があったらやりたいなあとわれわれが話していたことをすべてやってるではないか。
すごいなあ。
くやしいなあ(笑)。

この「のじまスコーラ」を訪ねて思ったことは、若いスタッフが活き活きと働いていたこと。
自信と笑顔が溢れていた。

徹底的にお客さんをもてなす。
当たり前だけれど、そんな精神が細部まで行き届いている。
それはお金をかけたからというだけでなく、案内の看板やポップにまで現れていた。

元学校なんていうのは背景のひとつにしかすぎないんだな。
楽しい施設、また行きたくなる施設にしなきゃダメなんだな。

深く深く感銘を受けつつ、淡路島をあとにした。

さて。
みさとの学校をどうしていくか。
もっともっと考えないと!!