「大門射的大会①〜だから射的なのだ」第619回サルシカ隊がいく

投稿日: 2017年10月11日(水)12:36

「かくかくしかじかで、つまり、その、射的をやりたいと・・・・」

わたくしはなるべく冷静に話し、ハートランドを瓶のまま一口飲んでカウンターに置いた。
店は「キャンプバー・ランタン」である。

「はあ・・・?   射的ってあの鉄砲でお菓子落としたりするあれ・・・?」

カウンターに並んで座る大門商店街商業協同組合理事長のチカちゃんは、眼鏡の奥の小さな目をパチクリさせながら言った。

「ダメですか?」とわたくし。

「いや、ダメではないですけど、射的・・・ですか。
射的ねぇ・・・・うーん、射的・・・・うーん・・・・」

時間は午後4時過ぎ。
開店したばかりなので、サルシカ隊長のわたくしとチカちゃんの2人しかいない。

チカちゃんは明らかに納得していない様子であった。

そんなやりとりをチカちゃんとランタンでしたのは、大門まちなかバーベキューを終えた7月の終わり頃だったろうか。
10月に控える津市最大のイベントで、これまで大門商店街は何も催しをしてこなかった。
すぐそばの大通り商店街や観音様には何十万人という人が来ているのに、津市で一番古い商店街は薄暗く静かなままであったのだ。

せっかくランタン通りをつくり、「キャンプバー・ランタン」「歌声サロンまりりん」「串あげまるう本店」とオープンしてきたのだ。
さらに多くの人に知ってもらうチャンスである。
このチャンスを逃すわけにはいかないのだ。

で、「津まつりのとき、商店街で何かサルシカでやったら?」と提案してくれた商店街の理事長チカちゃんに、

「射的大会をやる!」

と申し出たわけなのである。

理事長チカちゃんは「おまえらの考えることはワケわからん」というリアクションであったが、あからさまな反対もなかったので(笑)、われわれは射的をやることにしたのだ。

で、津まつり前日。

中谷の父ちゃんは射的のマトをつくる。

「まさかね、三重に移住してきてね、射的のマトをつくることになるとは思わなかったよ。
おれの人生は一体どこにいってしまうんだろうねぇ」

しみじみと人生の悲哀を楽しんでるオヤジであった(笑)

で、みさとの学校マルシェのあと、備品を置いたままにしてあった旧長野小学校へ。

実は今回の射的の目玉はアーチェリータグなのだ。
ほぼ実物のアーチェリーで射的を楽しんじゃうのだ。

そもそも、津まつりでのイベントの話をもらったとき、われわれはアーチェリータグ(サルシカが今年導入した新スポーツ。アーチェリーのサバゲーである)を商店街でやっちゃおうと考えた(笑)。

が、間違いなく、看板のひとつやふたつは割れるであろうし、ドアなども人がぶつかって壊れてしまうのではないか。
アーケードの天井を突き破って穴を開けてしまい、月を眺めてしまうことになるんじゃないかと心配したのである。

対戦はあかん。
せめて射つだけにしよう。

じゃあ・・・・「射的だ!」

と、つまりこういう流れであったのである(笑)。

アーチェリーだけじゃ物足りないだろうし、小さい子が楽しめないので、輪投げやコルク鉄砲なども準備。
すべてアマゾンで買った。
本当便利な時代になったもんだ。
田舎でもすぐさまなんでも揃ってしまうぞ。

荷物を運んでいざ大門商店街へ!!
キャンプや車中泊にどんどん使おうと言っていたサルシカ軽キャンカーであるが、結局こうして荷物運搬車に・・・(笑)。
遊ぶ車ではなく、働く車である。

荷物を商店街へ運び終えたら、サルシカ秘密基地へ戻って大掃除!!
津まつりは10月7日(土)と8日(日)に開催される。
その8日には、なんと美里町平木のコミュニティカフェである「やまびこカフェ」が開催されるのだ。

運営は地域のお母さんたちにすべて任せたが、さすがに掃除までさせるわけにはいかないので事前の大掃除なのだ。

そして7日(土)の朝・・・・。
早朝にサルシカ秘密基地を出るときは、しとしとと雨が降っていた。

しかし大門商店街へ到着する頃にはすっかり空が明るくなり、雨はあがっていた。

祭りの朝とは思えないほど人がいない。

午前8時。
隊員たちが集まってくる。

まずは商店街を通行止め。

花屋の中村さん、観音公園で開催されるイベント「PARTY IN THE PARK」の設営のお手伝いを終えてこちらへ。
Tシャツは「PARTY IN THE PARK」のまま(笑)。

「ね、このへんでアーチェリーやる?」
「こっちでいいじゃないの、運ぶのメンドーだから」
「あー歩くのシンド。もっと商店街短くしてくれたら歩かんでええのに・・・・」

最近サルシカは高齢化が問題になっている。
黄色いTシャツを着てバカなことをしているが、そのほとんどが40代、50代なのだ(笑)。

まずアーチェリータグの射的場の設営。
いくら矢の先が安全対策されていても、あちこちに飛んでいってはいかんのである程度ネットで覆う。

伊賀から手裏剣チームがやってくる。
伊賀の忍者チームに、ホンモノの手裏剣打ち体験をやってもらうのだ。

このあたり用意周到でしょ。
盛り上がりそうでしょ。

今回は予算ゼロ。
完全にわれわれサルシカの持ち出しなので、完全手作り!
看板もプリンタで印刷してパウチして貼る。

なーにお金はなくても努力でなんとかなる!
ならんか(笑)。

コルク鉄砲の射的場、完成。

あの〜、みなさん知ってました?

射的場って風営法の許可が必要なんですよ。

最初、景品にニンテンドーのスイッチをあげちゃおうじゃないの〜、なんて考えてて、いくらまで景品はいいのだろうと調べていて判明したのだ。
高価なものをエサに熱くさせて次々にお金を使わせたりするとダメなのだ。

で、慌ててチカちゃんに警察へ確認に行ってもらって、お菓子などで子どもが楽しむ程度なら問題なしという回答をもらっての開催であったのだ。

津まつりのパンフレットには「豪華賞品をゲット!」と書いたけれど、申し訳ないことにその豪華賞品は「うまい棒詰め合わせ10本セット」であったのだ。
参加賞はうまい棒1本。
商品は10本。
まあプレミアうまい棒も入っていたのでどうか許してもらいたい(笑)。

豪華賞品を吊るして準備は完了した!!
まもなく午前10時。

いよいよ大門商店街で矢が放たれ、合戦がはじまるのだ!!!