「宮川うなぎラフト①〜なかなか出発できない」第625回サルシカ隊がいく

投稿日: 2017年11月08日(水)13:27

この秋の天気は最悪だったのだ。
雨、雨、雨、とにかく雨。
そして台風。

もうイベントもスケジュールもぐちゃぐちゃ。
地面はもっとぐちゃぐちゃ。

パックラフトツアーも2つ予定されていたのであるが、見事に中止になったのであった。

で、冬の風が吹きはじめた11月。
なんとか予定を調整し、川に出かけた。

その川とは、宮川。
本州一の清流に何度も選ばれた、三重県が誇る一級河川である。

今回の目的は、清流宮川をくだり、途中でうなぎを食べ、そしてゴールすること、である。

まずはゴール地点となる宮リバー度会パークへ。

総面積12haの公園内には、芝生広場やパターゴルフ場、テニスコート、ウォータースライダーなどを備えた『遊水プール・鏡』がある。
宮川に面しているため、カヌーのスタート・ゴールポイントによく利用されている。

中谷の父ちゃんは、妻M子の愛車ラテで直接ここへ。
わたくしと妻M子は娘を学校へ送ってから、サルシカ軽キャンカーでやってきた。

この公園は、伊勢自動車道の玉城インターをおりて車で10分ぐらいのところにあるのだが、その途中の道が土砂崩れで通行止め。
大きく迂回してようやく到着した。

そういえば、玉城町は先日の台風21号、22号で大きな被害を受けた地域なのだ。

上陸ポイントを確認しにいっていた中谷の父ちゃんとM子。

M子はカメラマンとドライバーで参加。
え、めずらしいって。
そうなんですよ。
きっとこんなのはじめて。

なぜかっていうと、今回のパックラフトツアーでは途中でうなぎを食べにいくのである。
しかもM子が愛してやまない「膳」というお店。

「わたしはカヌーには乗らないけどうなぎは食べるわよ!
 写真ぐらい撮ってあげるし、運転もしてあげるから連れてきなさいよ!」

半ば強制的にこういうことになったのである(笑)。

宮リバー度会パークにサルシカ軽キャンカーをデポし、M子のラテで出発ポイントへと向かう。

が、その途中でもがけ崩れ。
まるでわれわれが川下りをするのを阻んでいるよう。
予定時間からどんどん遅れる。

ご覧ください、この宮川の美しさ!!

出発ポイントとなる田口。
その橋を渡ってアプローチポイントへ。

ポイントにつくなり、すぐさまパックラフトの準備。

軽の乗用車に3人乗り、しかもカヌーを2艇積んでいるのだ。
すごいなあ。

「いいか、M子。
 パックラフトはすごいんだかんな。
 すぐ準備が終わるから見てろよ」

などと自慢しつつ、わたくしと父ちゃんは慣れた手つきでパックラフトの準備。
ほんの10分ほどでほぼ完成。

が・・・・
そのとき・・・・

「隊長、ケツのシートと背もたれは?」
「黒い袋に入ってるでしょ」
「その袋がないよ」
「え・・・」

慌てて車中を探すが・・・ない。
ちらりと妻M子の方を見ると、冷ややかな目で笑い、言った。

「忘れたの?」
「うん」
「家に?」
「宮リバーの軽キャンの中・・・」

ああ、痛恨のミス。
わたくしはラテを駆り、宮リバー度会パークへと戻る。
片道10キロ。
往復で30分ちょっとのロスである。

なんだか今回はなかなか出発できなのである。

再度、出発ポイントに戻ってきたところで、妻M子が撮影。
ポツンとひとり、やることもなく、ぼんやりしている中谷の父ちゃんの図。

ずいぶん豪快に立ちションをしたのだなあと思ったら、すぐ下に排水路があったのであった(笑)。

パックラフトのシートと背もたれを持って、「くひょ〜〜」と叫ぶ隊長のわたくし。

別にこれがなくても乗れないわけではないが、浅瀬などでケツに直接岩が当たると激痛だし、大切なお尻が冷えてしまう。
またお尻部分がぽこりと沈むと、操舵がむずかしいのだ。
今回はかなり長い川くだりなので、大事をとったわけである。

いそいそとシートを取り付けるおっさん2人。

もうお昼近くになっており、すでに空腹のM子は、

「ねえ、いつうなぎ食べられるの?
 10分ぐらいで膳までいけるの?」

などと、震える子鹿のように言うのであった。

車だと確かに10分ほどだが、川は蛇行しているので距離も長い。
が、実際の時間を言うと、さっさと自分だけうなぎを食って帰ってしまいそうなので、

「すぐすぐ、すぐだよ」

と適当にウソをついておいた(笑)。

ライフジャケットを着て、ヘルメットも装着。
7000円のビデオカメラもスイッチオン!

こうして並ぶと、本当におバカなおじさんたちだよなあ。
わたくしはこの前日が誕生日で52歳。
中谷の父ちゃんは57歳。

人間、死ぬまで青春よ。
いつまでもバカやるよ(笑)。

「さあ、出発だ〜、M子、うなぎ屋であおう!」
「アディオス!」

11月の川はそれなりに冷たい。
なるべく足を濡らしたくないものだから、かなりの浅瀬でラフトに乗り込む。
そして子どもが段ボール箱で遊ぶように、ケツを大きく前後に動かして船を前に進め、川に浮かべる。

「ねえ、いつもそんな間抜けなことしてるの?」

堤防の上でM子が呆れている。
うるさいなあ。
都合の悪いところは見るではない!(笑)

こうして予定の時間を大幅にすぎた午前11時半。
ようやく宮川くだりがはじまったのである。

次回へつづく。