「宮川うなぎラフト②〜待ちくたびれて宮川」第626回サルシカ隊がいく

投稿日: 2017年11月09日(木)08:57

日差しは暖かく、風はほとんどなかった。
川の流れはほどよく、われわれを川下へと運んでくれた。

「最高だねぇ、こりゃあ」
「ああ、極楽極楽!」

会話だけ聞いていれば、温泉に入るおっさんである(笑)。

さて、11月に入って、ようやく実現できた宮川くだり。

わたくしと中谷の父ちゃんは田口というところから出発。
そこから5キロほど先の中川橋で妻M子と合流。
写真を撮影してもらい、つづいてそのすぐ先にある、うなぎの名店「膳」にてうなぎを食べようではないか、よいではないか、うふふふふ、ということになっていたのである。

宮川の透明度はいまひとつだが、その代わりエメラルドグリーンの川面。

が、少し流れが早くなってきたかなあ、と思ったら、どんどん川が浅くなる。
そして前方から波の音が低音で響いてくる。
瀬だ。

あっという間に瀬に吸い込まれ、もみくちゃにされる。
まさに翻弄!

実はこれが楽しい。
普通のカヌーやカヤックであれば、沈する可能性も十分あるが、安定性が異常に高いパックラフトであればまずひっくり返ることがない。
だから11月でも果敢に突っ込んでいけるのである(笑)。

これはわたくしのカメラ。
一番激しいところは避けたため、身体に水をかぶることもほとんどなかった。

が、中谷の父ちゃんはストレート直球で突っ込んだため、かなりびしょびしょに。

ここから軽い瀬がつづく。
浅瀬になると、水の透明度が増す。
いい気持ち!

トロ場にくるとエメラルドグリーンに。
少し迎え風も吹いてきて、なかなか船が進まない。

お昼のサイレンが鳴る。

GoogleMapで現在地を確認。
まだ中継点のうなぎやまで半分も来ていない。

それにしてもこの景色のすばらしさ!!
目の前に人工物が一切ない。

こんなきれいな川がある三重県はいいところだ。
もっともっとこの川の魅力を外に伝えないともったいない。

のんびり漂っていると、また瀬がやってくる。
ここの瀬は、右へ流れたかと思うと、逆からも大きな流れが入り込み、うねりが加わる。
転覆はしないと思っていても、バランスを崩すとヒヤッとなる。

途中、こんな巨大岩が突き出たところも。
いやー、楽しい。
今度は河原でキャンプもしたいなあ。

再びトロ場に来て動きが止まる。
時間も12時半を越えた。

「M子さん怒ってんじゃないの、待ちくたびれて」
「もうそろそろM子がいる橋が見えてきてもいいんだけどなあ」

地図でみると近くでも、実際にはまだまだ先であった。

「これ早くしないとさ、うなぎ屋さんが中休み入っちゃうんじゃない?」
「えっ、それヤバイじゃん!」

さっきまで疲れて漕ぐのを放棄していた中谷の父ちゃんが、急にパドルを動かしはじめた。
わたくしもそれに続く。

「ビール、うなぎ、ビール、うなぎ!」

バカな掛け声をしつつ中谷の父ちゃんは漕いだ。
が、その掛け声がどんどん小さくなっていく。
振り返ると、中谷の父ちゃんは疲労困憊でどんどん遅れていくのだ。
ずっとずっと後ろの方を漕いでいるのであった。

「父ちゃん早く、うなぎ屋終わるよ!」
「ひいいいい! うなぎぃ!!」

父ちゃんは力を振り絞って漕ぐのであった(笑)。

一方、写真撮影のため、待ち合わせポイントに設定していた中川橋の上では・・・・・
M子が果てしなく待ちくたびれていた。

しかもオンナひとりで橋の真ん中で突っ立っているものだから、何台もの車がスピードをゆるめて、おそるおそるM子の方を見るのだという。
すっかり投身自殺を心配されているのだ(笑)。

が、待ちくたびれたM子は、橋の上でこんな本を読んでいた。
こんな本を外に持ち出すなよ(笑)。

というわけで次回、宮川うなぎ編ラスト!
無事にうなぎは食べられるのか!?