「四日市リレーマラソンに出場せよ!」第635回サルシカ隊がいく

投稿日: 2017年12月01日(金)08:59

まさに「魔が差した」のだ。

最初、ある人に、

「今度四日市でリレーマラソンがあるんで、よかったらサルシカで出てみませんか」

と言われたとき・・・
最近、こういったチャレンジものに出場する機会がなくなったなあ、たまにはやらないとなあ、などと思ってしまったのだ。
サルシカ隊長のわたくしは、何より走るのが苦手なので、まあここはひとつ若い隊員に任せればいいさ、なんて思っていたのだ。

で、何名かの隊員にFacebookなどで呼びかけをしてみたところ、なんとか9名の出場者が集まった。
ひとりの子どもを除いて、なぜか40代ばかり。
ちっとも若くないのだ(笑)。

で、その出場者全員から、

「え、隊長出ない気ですか。ウソでしょ」

などと言われ、思わず「まあいいか」と出場を決めてしまったのだ。

こうして2回の「魔が差した」ことにより、サルシカ隊長のわたくしと8人のおいちゃんおばちゃん、そして1名の子どもが出場することになってしまったのだ。

乗り合わせで会場である四日市ドームへ向かう出場メンバー。
前左で半分顔が切れているのが隊長のわたくし。
助手席にサルシカIT部門の稲ちゃん。
わたくしの後ろに、どう見ても日本人顔なのにニックネームがアンジェラというアンジェラ(笑)。
その横に吉川の姉御。
大酒飲みなのでいつのまにかみんなから「姉御」と呼ばれるようになった。
で、一番うしろにワークショップ高木。

ちなみにうしろの3人は偶然にも同い年で40代後半である。

このメンバーの他に、
サルシカカフェ担当の池田夫妻、
三重県の女性農業家のホープ、文ちゃんとその娘。
そして、ニッシーがそれぞれの車で会場に向かっていた。

会場の四日市ドームに到着。

隊長のわたくしはこの頃から気分どんより、かなりブルーになっていた。
このリレーマラソンに向けて、みなそれぞれ家のまわりを走ったりしてトレーニングをしていたが、わたくしは2回しかできていなかった。

しかも、
その1回目は300メートルで挫折。
2回目は500メートルで息絶え絶えで挫折。

そんな状態で当日本番を迎えてしまったのである。

走者が交代できるゾーンはドームの中。
それ以外はドーム周辺の自然の中を1.7キロにわたって走る。

つまりひとり1.7キロは絶対に走らねばならぬのだ。
歩こうが転ぼうがこのドームに帰ってこなければそこで棄権になってしまう。

500メートルしか走れないわたくしにどうしろというのであるか。

いっしょにリレーマラソンに出場する三重テレビチームにごあいさつ。
男女アナウンサーが中心になって構成されたチームである。

「いっしょに42キロをがんばり抜きましょうね!」

と、わたくしが声をかけると、

「え、サルシカはフルなんですか。
 私たちはハーフの26キロですよ」

と、衝撃的な事実を教えられる。

え、マジ??
ハーフあったの??

そういや、出場申込みのとき、電話の向こうで担当者の人に、

「10人でフルですね?」

と言われ、

「はい、フルです!」

と声高らかにわたくしは宣言してしまっていたのだ。

が、待ってくれ。
わたくしはリレー出場チームの定員が4名から10名だったので、10名の定員いっぱいのフルです、と言ったつもりであったのだ。

半ば冗談で出場するお笑いチームなのに、なぜフルマラソンを走らねばならぬのだ。

だって。
こんな「かぶりもの」まで用意していたのだ。

おさるが9個にくまが1個。
隊長のわたくしがくまをかぶって、間違いをさがせ、をやってもらおう、なんて笑っていたのだ。

われわれはネタなのですネタ。
鳥人間コンテストだったら、すぐさま真っ逆さまに落ちておしまいのチームなのです。
フルなんて無理なんです。

「どこだどこだ、フルを申し込んだバカ隊長はどこだあ」
「まさかあそこまでアホとは」
「まったく!」

みんな口々に隊長のわたくしのことをののしってから、

「しょーがねぇなあ、42キロ走るかあ!」

と、気合を入れる(笑)。

が、まだこのときはみなの表情に余裕があるのである。
襲いかかる地獄をまだ知らぬのである。

みんなFacebookにこんな写真をアップして、

「いまから四日市リレーマラソンをおサルさんで走るよ~ん」

なんて書いてる(笑)。

出場チーム全員が集まって、開催セレモニー。

出場チームはフル40数チーム、ハーフ30数チーム。
計80弱のチーム。
応援の人もいれるとかなりの人が集まっている。

スタートは外の海沿いのコースから。
よい眺め。
よい天気。

沈んでいるのはわたくしの気分だけである(笑)。

第一走者はニッシー。
山や森を軽快に走り抜けるトレランという信じられぬ遊びをやっている男で、まったく無意味に、まるで鹿のように野山を走っている。
脚力と体力はもうピカイチ。
われらおっさんおばさんチームのエース・・・・であるはず・・・だったのだ。

なのに。
なのになのに。

この男は大会前日に無謀にも走り込みをして、ふくらはぎをぴきっとやってしまったらしいのだ。

「いやあ、まいったなあ、どこまで走れるかホントやばいっす・・・・」

やばいっすじゃないって!!
どーすんだよ〜!!

で、隊長のわたくしは最後にメンバーにこう伝えたのだ。

「いいか、みんな、死なない程度にがんばれ。
時間内に完走できなくてもいい。
とりあえず生きて最後まで走ってればいい。
とにかくアキレス腱と心臓とふくらはぎには気をつけて!
幸運を祈る!」

四日市市長によるスタート!
一斉にみな走り出す。

安定した低速で走り抜くニッシー。
もうこの時点でケツから2番目か3番目。

2番手のエネオス稲ちゃんにたすきをつなぐ。

IT担当の稲ちゃんであるが、学生の頃はマラソンが得意であったらしい。
しかし練習で家の周りを走ってみたら、もうヒイヒイゼエゼエ死ぬかと思ったと言っていた。
果たして大丈夫なのか。

たすきを稲ちゃんに託し、余裕で笑っているニッシー。
ぜんぜん息があがっていない。

「身体は全然余裕なんですけどねぇ、足が痛くて走れないっす。
 足さえ痛くなければ、あはははは」

笑ってる場合か!
ルールが許すならば逆立ちでいけ!

四日市リレーマラソンはこうして波乱のままはじまったのであった。