「流れに身を任せて眠りたい〜紅葉ラフト」第640回サルシカ隊がいく

投稿日: 2017年12月06日(水)08:41

三重県名張市の青蓮寺湖。
サルシカ隊長のわたくしと中谷の父ちゃんは、紅葉パックラフトを楽しんでいた。

キャンプの後は湖畔でキャンプという作戦だ。
家まで1時間の距離だし、まだ午後3時だし、全然泊まる必要はないのだけれど、ただ冬キャンプを楽しみたいという理由だけで泊まっちゃうのだ(笑)。

われわれは意味もなく上流へと進んでいた。
ぼんやり浮かんでいるのも暇だし、とりあえず運動がてら漕いでみっか、といった具合である。

青い橋の下をくぐる。
橋の下は音が響いて面白い。

わたくしと父ちゃんは北島三郎の「与作」を思い切り歌う。
橋の上に誰かいたらさぞ驚いたことであろう。

この上流への流れは、遠く奈良県の曽爾高原へとつながるのだ。
そう、あのススキと温泉で有名なところね。

「あ、明日さあ、曽爾高原のお亀の湯に入ってから帰ろうよ!
 美杉からまわって帰ってもほぼおなじ距離ぐらいだし」

「おお、いいねぇ!!」

お亀の湯はわたくしやM子のお気に入り。
中谷の父ちゃんはまだ行ったことがなかったのだ。

しばらく漕ぐと、流木をとめるための分画フェンスがあった。

レバーがついていて、それをキコキコと回すと、オレンジのカーテンのような仕切りがあいて、向こう側にいくことができるのであるが、パックラフトからではそのレバーに手がとどかない。

「隊長、ブイに乗り移りなよ!」
「ヤだよ! 乗り移るのは出来てもラフトに戻れないよ。絶対落ちる」
「いいじゃん、ネタになるし」
「よくないわ! 風邪ひくわ!」

みたいなことを言っている(笑)。

フェンスを乗り越えられず、漕ぐ目的を失い、流れに身をまかせて漂うわたくし。
少し目を閉じたら、まじで寝落ちしていた。

が、風も流れもないので、ほとんど位置が変わっていない。
中谷の父ちゃんも眠っていたようだ。
少し身震いしたかと思うと、突然猛烈ないきおいでパドルを漕ぎ出した。

「おしっこ! おしっこがしたい!!!」

まあなんともせわしない58歳である。
身を乗り出してチ~ッとやるのはさすがに無理だと思うので、いっしょに出発地点へと急いだ。

無事に上陸し、無事にトイレに間に合い、その後ゆっくりとタープを張る。
コールマンのフルクローズ可能なタープ。
これを張るのは久しぶりだ。

中谷の父ちゃんはこれとは別に、モンベルのひとり用のテントを張っていた。

まだ夕方4時すぎ。
この時間から飲みはじめてしまうと、きっとわれわれはまだ夕方という時間につぶれて寝てしまうので、一度昼寝をすることに。

父ちゃんはテントで。
わたくしは軽キャンで1時間ほど昼寝。

そしてすっかり日が暮れた6時すぎ。
のそのそ寝床から出てきたおっさんたちは宴会の準備。

冬キャンプは鍋でしょう!

ということで、ニラをハサミで切るわたくし。
これキャンプの常識ね(笑)。

生ホルモンを見つけたので400グラムほど放り込んでモツ鍋〜!!!!
あったまる〜!!!

ビールを飲み、ワインを飲み、そしてウイスキーを飲み・・・・
清く正しく午後10時前にダウン。
寝た(笑)。

翌朝。
わたくしは午前7時に起床。
9時間寝た。

昼寝も1時間したから10時間。
すっかり身体の疲れが抜けていた。

逆に寝すぎで腰や肩が痛い(笑)。

朝の湖畔の眺めを楽しみ、コーヒーを飲んだ。
最近はキャンプでドリップなんかしない。
いい眺めがあったらインスタントでもうまい。

タープやテントを片付け、ダム上流に車を走らせる。
紅葉の名所のひとつ、香落渓に立ち寄る。
もう見頃は終わってしまったようだが、そびえる岩肌は見ごたえがある。

そして曽爾高原へ!
なんとこの日は水曜日で、お亀の湯は定休日!!

で、仕方なくふたりでススキの原を歩く(笑)。
急に雨がポツポツ落ちてきて、冷たい風も吹き抜ける。

「帰ろうか、父ちゃん」

こうして1泊2日の紅葉パックラフト・キャンプは終わったのであった。