三重県津市大門。
日本三大観音のひとつ、津観音の門前町として栄えた繁華街である。
大門はいくつかの商店街から構成されているのであるが、サルシカの関連店舗が集中する大門商店街が一番古い歴史を持つ。
サルシカ隊長のわたくしが生まれる前・・・つまりは50年以上まえは、人の肩と肩がぶつからないと歩けないほどのにぎわいだったという。
そのにぎわいを少しでも取り戻そうと、ひとつの通りにお店を次々に開発し、そしてランタンを吊るした。
これが「ランタン通り」である。
そのランタン通りの中に「フリースペース」がある。
単純に店をスケルトンにして、イベントや大宴会に使おうとサルシカが費用を負担して開発した。
が、出入り口もなければ壁もないので、北風は入り放題。
さすがに寒くて、最近は使われない状況が続いていたのだ。
冬だって商店街を盛り上げたい。
フリースペースをもっと活用したい!
というわけで、ビニールカーテンを設置することになった。
今や便利な時代になったもんだ。
ビニールカーテンもレールもサイズを測ってネットに入力したら、そのまま注文できてしまう。
1週間もしないうちにオーダーしたカーテンが届いた。
隔週木曜日にサルシカに関連する飲食店の店長が集まり、会議を開いている。
そのあと、カーテンを設置することになった。
まずは届いた商品を確認。
サイズや仕様を調べる。
説明書は特に入っていなかったので、想像力で勝負!(笑)
「保ちゃんさあ、これはここにつけるんじゃないの??」
「そうかも知れないけど・・・・えっと・・・やっぱりこっちですね」
串揚げまるうの保ちゃんは、こういう日曜大工的なことが苦手なわたくしを傷つけないように、いきなり間違いを指摘しない。
やんわりと軌道修正していく(笑)。
「あ、じゃあ保ちゃん、これはここだよね?」
「えっと・・・それでもいいかも知れないけど、やっぱりこちらにつけたほうがいいと思いますね」
もはや隊長のわたくしは完全にいたわられているのだ(笑)。
「じゃ、隊長、ここのネジをインパクトで締めてくれますか」
「はいよ」
「あ、回す方向が逆ですね」
「あははは」
「そうそう、よくできました!」
なんか馬鹿にされているような気がするが気のせいであろうか(笑)。
とりあえずレールを仮づけ〜。
ここでもわたくしは張り切って働いている。
なぜならば。
右端で笑っているキャンプバー・ランタンのみずのっちが動けないからである。
やつはヘルニアの手術をして先週末退院してきたばかりで、杖をつきつつ昨日から営業を再開したのだ。
いつもなら「みずのっち、やっとけよ」で終わりだが、さすがにそうはいかない。
手術直後に働かせるなんて、なんてサルシカはブラックなNPOなのだ、と思われると困るので言っておくが、隊長で代表のわたくしは「もっと休め」と言ったのだ。
が、マスターみずのっちは、休んでいたら店の存在をみんなに忘れられる、逆にひとりでいると寂しい、寂しくて寂しくて泣いてしまう、だからリハビリをかねて営業するのだ、とワケのわからぬことを言って再開してしまったのだ。
あまり忙しくなっても困るけど、暇だと泣いてしまうので、励ましつつ、なるべくマスターを動かさないようにして注文してやってほしい(笑)。
みずのっちに代わって作業する優しい隊長のわたくし(笑)。
まあ実際に中心になってやってくれたのは、まるうの保ちゃんだけど(笑)。
でも、
みんなで作業すると本当に早い。
1時間ほどかかるかな、と思ったけれど、30分ほどでレール設置完了!
ビニールカーテンを吊るしはじめる。
ビニールカーテンは両開き。
雨風にさらされることはないので、薄いやつにした。
でもヒモが中に入っていて丈夫!
「おー、いいんじゃないっすか!
保ちゃん、もっとピンと端を引っ張って!」
みずのっちは動けない分、口が動く。
さっさと帰って横になればいいのに、なぜか嬉しそうに見て回っている。
ビニールカーテン設置完了。
中が見える塩梅もちょうどいい感じ!!
「ええやないっすか〜、最高っすね〜!
これなら大晦日のイベントもバッチリですよ〜!
この中に入って飲みたいな〜。
ビアサーバー運んでこようかな〜」
ひとりでどんどん盛り上がり、妄想を膨らましているみずのっち。
「もういいから帰れ!」
と、みんなに言われている(笑)。
そして!
ついに完成〜!!!
外から見るとこんな感じ〜!!
今度イベントとして期間限定の屋台おでんやりましょうかね〜。
中からみるとこんな感じ〜。
空気を遮断するだけでかなり暖かい。
ここでストーブを焚いたら、十分宴会できるはず!!
この冬、このフリースペースを活用していろいろイベントやります!
お楽しみに!!
「ねーねー、写真撮って!」
みずのっち、おまえまだいたのか。
ビニールカーテンの向こう側で怒っているわたくしにまだ気付かない。
ああ。