雪だった。
その粒は小さかったが、風がなく、静かに地面に舞い降りた。
あたりが白くなると共に、しんしんと冷えてくる。
午前6時半になっても、山間に美里町平木は薄暗かった。
2019年、最初のやまびこカフェである。
一番乗りで、やまびこカフェのリーダーである田中さんがやってきた。
「きょうお客さん来ますかね・・・・?」
曇天の空を見上げながらわたしが言うと、
「そのまえにスタッフが来てくれるかどうか心配」
と田中さんは笑った。
とにかく寒かったので、私は火を入れることに。
まずはメインの会場となるウッドデッキの薪ストーブ。
大きな木を放り込み、どんどん火を大きくしていく。
ポリカの波板で囲まれただけの、広さだけは十分にある掘っ建て小屋であるが、これで結構暖まるのだ。
続いてトレーラーハウスの薪ストーブ。
ここではスタッフのお母さんたちが盛り付けなどを行う。
寒い思いをさせたらかわいそうなので、豪快に燃やす。
外では、焚き火台で火を起こした。
寒いと、地域のお父さんたちは必ず火を起こす。
もうそういう習性なのだ(笑)。
だから、薪はないのか火はないのかと言われる前に(笑)。
わたしが火を起こしている間に、スタッフのお母さんたちが揃っていた。
よかったよかった。
アレがないコレがない、アレはどこやった、あ忘れたなどと賑やかに準備を進めていく(笑)。
みんな走る。
結構ドタドタ走っている。
お箸、スプーン、ナプキンを用意して・・・。
各テーブルにお塩も。
いつのまにかセットがしっかり揃っている。
メニューボードを描くのは谷田さんの仕事。
いつも工夫を凝らしている。
今回は雪が降ってるから、その結晶のイラストつき!
なぜかピザ!
大きいのが2つある。
これを朝からどうしようというのか。
食後のおやつ。
これはバレンタインデーチョコ。
子どもたちに。
大人にはブラウニーがたくさん!
これらはすべてお母さんたちからの差し入れ。
毎度このふるまいがすごいのだ。
デザートだけで200円とってもいいぐらい。
なのにすべて無料!
モーニングの200円で、朝食、コーヒー、そしてふるまいのデザートがいっぱい食べられるのだ!
開店時間の午前8時・・・。
まだ誰もこない。
「きょうはヒマやに・・・。のんびりいこに・・・」
などと言っていたら・・・。
雪が止んだ途端、ぞくぞくとお客さんがやってきた。
「あれー、奥田さん、募金箱がないわあ、どこ〜?」
そんなことわたしに言われても知りません。
いつもお金を入れてもらっているクリアのアクリルボックスが見つからず、仕方なくそのあたりにあった缶で代用。
が、缶はお金を入れるたびにチャリンというのだ。
なんだか「ありがとーごぜーますだー」と頭をさげたくなってくるのだ。
「おめぐみを・・・」
と、やっている田中さん。
いつも以上にお金が入っているような気がする(笑)。
これからクリアボックスやめてカンカンにしましょかね。
そんなことをしている間にほぼ満席状態に。
大変だあ!!
でも追い込まれたお母さんたちは早いのだ。
鍛えられえているのだ。
慌ててワタワタしているけど、仕事だけは速やかに進んでいくのだ。
まあつまりは慌てなくてもよいのだ(笑)。
あの〜、客席の真ん中で、大きな鍋がぐつぐつ煮えて、甘くておいしそうな匂いを発してますけど。
これは猪鍋。
美里町で獲れたイノシシでつくったものを、どかーんと差し入れしてもらったのだ。
もちろんサービス!
食べ放題!(笑)
ここでメニュー紹介。
正規のね(笑)。
豆乳スープにはロールキャベツが入っていて、旨味たっぷり!
しかもヘルシーなメニューばかりなのだ。
終了後のまかない。
お母さんたちにとって一番楽しい時間?
いつもめちゃくちゃ盛り上がっている。
今回もお疲れ様でした。