第40回「波乱の海産これでもかぁキャンプ」前半

投稿日: 2008年09月15日(月)20:33

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9月の連休にキャンプに出かけるのは、もはや恒例行事である。
しかし今回は、バカエミとM子が、

「とにかく海に潜りたいの!潜って潜って潜りまくりたいの!」

と、やたらウルサイので、いつもの南島(度会郡南伊勢)をやめて、三重県南部、北牟婁郡の和具の浜を宿営地とすることにした。

和具の浜は、我われサルシカ隊が「三重のグアム」と呼び、なんどもシュノーケリングなどを楽しんでいるところである。

海からみた和具の浜の全景。白い砂浜は人工的に造られたものである

海からみた和具の浜の全景。白い砂浜は人工的に造られたものである

和具の浜は、それはそれは美しい海が広がるところであるが、海水浴場である。
駐車場やトイレも整備されている。

タープを張ったり、テーブルセットを広げて宴会などは不可能と思っていた。

まあ今回のキャンプは、海で遊ぶことが目的で、バーベキューなどは夕方浜辺でやって、そのあとキャンピングカーの中で静かにお酒の宴会でもできればいいか、と考えていたのだ。

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バカエミ一家と隊長一家のキャンピングカー2台が到着し、どこに停泊しようかと駐車場内をグルグルまわっていると、海の家のおっちゃんが声をかけてくれたのである。

奥に未舗装の駐車場があり、そこに海の家もあるのだが、もう海水浴シーズンも終わったので、そこならキャンプしてええぞ、と言うのである。

思ってもなかった、うれしい展開である。

「どうせなら、ウチの店の裏に車をとめてテントを張ったらええ。水場にも近いし、特等席やで」

と笑うおっちゃんの言葉に甘えて、そこに2台のキャンピングカーを停めたのである。

バカエミの後ろに特別オーダー窓が・・・。   超親切な「海の家のおっちゃん」

バカエミの後ろに特別オーダー窓が・・・。   超親切な「海の家のおっちゃん」

この場所には、もうひとつ、とっびきりのメリットがあった。
左上の写真のバカエミの後ろに海の家の窓がみえるが、そこからなんと、おっちゃんに注文が出来てしまうのである。
しかも!
うれしいことに、店には生ビールがあったのである!!

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キャンプをしつつ生ビールが飲める!
こんな素晴らしいことがあってよいのか!
しかも料金も良心的。
生中500円!

到着してタープを張るやいなや、さっそく生をグイグイいってしまう我われなのであった。

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今回のキャンプ参加者は、バカエミ一家と隊長一家。

そしてもうひとり・・・すごいゲストが特別に参加してくれたのである。

この長いフィンが、その達人ぶりを物語っている。
孤高の海の達人ぽぽちゃんである。

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孤高の海の達人は、普段は単独で活動する。

しかし、なぜか孤高の海の達人は、サルシカをよく見ていてくれ、なおかつバカエミとM子のおまぬけハンターぶりに笑いつつも感心してくれていたのだ。

そこで今回、特別に「海のもぐり方を教えてやろう・・・」ということになったのである。

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昼ごはんを食べるなり、海で遊ぶ子どもたち。
9月中旬だというのに、ラッシュガードを着ただけで海に飛び込み、泳ぎまくる。

その面倒をみているのは、当然のごとく、かっちゃんと隊長の私です(涙)。

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ウェットに着替えたバカエミとM子が登場!
今回はオモリまで買い込んで、もう潜る気まんまん!

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孤高の海の達人(先生)は、午前中も海に入っていたので、しばしお休み。

その間に、少しでも潜れるようになろうと、バカエミとM子は必死に練習。

まさか本当に達人が来てくれると思ってなかったので、マジで緊張してるのだ。

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そしていよいよ孤高の海の達人ぽぽちゃんが、黒いウェットスーツを身にまとい、シュノーケルの角を生やして海へ・・・

彼のまわりだけ、荘厳な音楽が流れているようである。

「すいません、バカエミとM子を溺死しない程度によろしくお願いします」

と、私がいうと、ぽぽちゃんは「フッ」と片頬に笑みを浮かべ、カヌーで海へ出て行ったのである。

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ぽぽちゃんの特訓は、厳しいながらも親切丁寧で、これまで2m潜るのがやっとだった二人は、その2倍以上も潜れるようになった。
しかし二人はぽぽちゃんの潜りに愕然としていた。

「もうイルカみたいにスイーッと潜るのよ。動きに無駄がまったくないの!」

達人に比べると、自分たちは水中でもがくイノシシだと思い知ったという。

痛い~と泣くバカエミ

痛い~と泣くバカエミ

南島キャンプに引き続き、顔面をクラゲに刺されてバカエミが離脱。

こうして1日目の特訓は終わったのである。

子供6名、大人5名の大所帯。海からあがるとご覧のさまに・・・。

子供6名、大人5名の大所帯。海からあがるとご覧のさまに・・・。

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がんばったバカエミとM子に、ぽぽちゃんから目ン玉が飛び出るようなプレゼント。
でっかいマダイとイシダイ。

孤高の海の達人は、これらを獲るために、我われより先に到着し、海に入っていたのだ。
厳しい海の男は、やさしい男でもあったのだ。

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やさしいのは達人だけでなかった。

「ええ魚なやなぁ。よっしゃ、俺がさばいたろ」

なんと、海の家のおっちゃん、いや、和具のおっちゃんが、その魚を調理してやると申し出てくれたのである。

店前で魚をおろす和具のおっちゃん

店前で魚をおろす和具のおっちゃん

その見事な手さばきに、子どもたちもみんな呆然と見入る・・・・

その見事な手さばきに、子どもたちもみんな呆然と見入る・・・・

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和具のおっちゃんの手さばきは見事であった。

それもそのはず、おっちゃんは長く魚の仲買と料理屋をやってきたプロだったのである。
獲れたての魚、そして料亭の板前の腕。
たいへんなことになってきたのである。

で、できましたぁ!マダイとイシダイのお造り!キャンプのメニュとは思えません!

で、できましたぁ!マダイとイシダイのお造り!キャンプのメニュとは思えません!

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このお作りが、なんと3皿!
さすがに食べきれないので、お隣のキャンプグループに1皿差し入れ。

もう気前がいいのだ。

そして和具のおっちゃんの奥さんがアラの煮付けまでつくってくれた!

そして和具のおっちゃんの奥さんがアラの煮付けまでつくってくれた!

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こんな幸せなことがあってよいのだろうか。

しかも朝日屋のステーキ肉まであったりするのである。
バカエミもM子も、かっちゃんも私も、ニマニマ、ニタニタ笑いがとまらない。

そして狂乱の宴会が夕方4時半(早すぎる!)からはじまったのである。

そして狂乱の宴会が夕方4時半(早すぎる!)からはじまったのである。

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和具のおっちゃんは調理代を受け取ってくれなかったので、お礼にタープに招いて乾杯!
あとはみんなでガンガン生ビールを飲んで恩返しすることにした。
こんなうれしい恩返しで本当に申し訳ないのだ。

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そのうえ、和具のおっちゃんは、店から電気をひっぱってきてタープに電球を吊るしてくれる。

生ビール、料亭並みの刺身、煮つけ、そして電気の明るさ・・・。

今回のキャンプはなぜにここまで幸せなのか。

まだまだ幸せはつづく!こんな差し入れまでもがドドーンと!!ありえない!!

まだまだ幸せはつづく!こんな差し入れまでもがドドーンと!!ありえない!!

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我われは腹がはちきれんばかりに食べに食べ、飲みに飲んだのである。

そして、ぽぽちゃんから海の話を聞きつつ、興奮してまた飲みまくったのである。

大興奮のまま2日目に続くのである。
2日目は更にすごかったりするのである。