日が沈みはじめると、その築50年の家は一気に存在感を増す。
「紀伊長島を体験する家」の夜だ。
この家にはまっすぐなところがほとんどない。
だから見る角度を少し変えると、雰囲気がガラリと変わる。
中庭から眺める。
家から暖かさがこぼれ出てくるようだ。
この中庭にピザ釜や露天風呂をつくる予定だという。
これからも楽しみな家だ。
おくどさんも夜になると感じが変わる。
古民家には暗闇が必要なのだ。
どんな人がここで紀伊長島を体験するのであろうか。
お願いすればレンタルもあるそうだが、基本的に布団や食器などは持ち込みだ。
紀伊長島は暖かい。
この季節でも寝袋があれば十分。
寝泊りするだけでなく、ここではいろんなイベントが用意されている。
東京から漫画家を招いたり、アメリカから映像アーティストを招いてのイベントもあるそうだ。
また干物づくりや味噌づくりの体験プログラムも用意されている。
畑づくりもできるそうだ。
ここで田舎暮らしを疑似体験して、そして紀伊長島を好きになって、紀伊長島に住んでくれたら・・・というのが、この家を管理するNPO法人ア・ピース・オブ・コスモスの願いだ。
それはどこかサルシカにも通じるテーマだ。
三重で「遊んで、体験して、滞在して・・・」。
そして将来的に三重に、そして紀伊長島に住んでもらえれば・・・と思う。
「この長い廊下の向こうには、この家と紀伊長島の未来があるのだ・・・」
ワケのわからんことを言って、ひとり悦に入っている隊長のワタクシ(笑)。
しっかりフォトグラファー加納に撮影されていた(笑)。
NPO法人ア・ピース・オブ・コスモスのみなさん。
左から、理事の東さん、代表理事の中村さん、スタッフの西田さん。
代表の中村さんは笑って話す。
「この家はまだ未完成なんです。予算が足りなくてお風呂もつくれなかった(シャワーはあります)。でもみなさんに来てもらってみなさんといっしょにこの家も成長していくと思います。ぜひみなさんいらっしゃってください。
そしてこの家の楽しい使い方を提案してもらえればと思います!」
ゆうがく邸
三重県北牟婁郡紀北町紀伊長島区東長島128番地
電話&ファックス 0597-47-2116
e-mail : apoc@solid.ocn.ne.jp
URL : http://apoc-mie.org
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写真:加納準 / 文:奥田裕久