サルシカ隊がいく 第97回「緊急指令!その薪山を粉砕せよ!」

投稿日: 2010年04月19日(月)22:47

サルシカ隊の隊長であるワタクシ(奥田)の駐車場にその山が出現したのはいつのことであったか。
昨年の夏、いや春・・・。
はたまた一昨年前のことであったやも知れぬ。

その山は隊長であるワタクシをあざ笑うようにそびえ立ち、駐車場を思いきり占有し、キャンピングカーのサルシカ号の出動さえも阻んでいたのである。

サルシカの更新が物語っているが、隊長であるワタクシは昨年の秋以降、やたらと忙しい。
いまのおまえの暮らしが、「新しいスタイルの田舎暮らし」などというやつなのか、と言われると、まったくもって返す言葉がないのであるが、まあこういう時もある、とお許しいただきたい。

しかし、忙しいからといっても、冬は薪ストーブがかかせない。
古くてサイズばかりデカイ古民家に暮らしているので、灯油ストーブではぜんぜん温まらないし、しかも1日に20リッターの灯油を消費してもまだ足りない。
灯油で暖をとっていたら、間違いなく破産なのだ(笑)。

で、薪が出たぞ、と聞けば忙しい合間を縫って拾い集めにいき、廃材を届けてやるぞ、と聞けば、感謝感激の涙を流したのである。

が・・・・・・。
薪を集めても、それを処理する時間がない。
泣いても笑っても、焦っても呆然としてみても、いっこうに薪の山は減らない。

そんなワタクシの窮状を見て、いや見かねて、サルシカ隊の面々が立ち上がってくれたのである!!

時は2010年4月17日。
津市のはずれにあるワタクシの家に軽トラ軍団がやってきた。
どの車も見事に軽!
どれもこれもすべてナンバーが黄色である(笑)。

薪ストーブユーザーの車は、軽トラが基本である。
また野山海川で果てしなく遊ぶサルシカ隊の基本は、軽の四駆である。
燃費がよくて維持費が安くてどこまででも走っていける車がよいのである。

本来ならば家族サービスをしなくてはいけない土曜日の朝に集まってくれたのは、以下の面々。
左上から時計回りに・・・・。

サーフィンとエコを愛する、海ぼうず隊員。
最年少薪ストーブユーザーの、なおやん隊員。
今回みんなを呼びかけてくれた、まさやん隊員。
ご存知、隊長代行のキヨちゃん隊員。

自分のとこの薪割りやもろもろの用事もあったろうに、もうホントにありがとありがとありがとね!なのだ。

が、連峰と化した原木と廃材の山を前にして、みんなの目が急に冷たく変わるのだ。

「どうやったらこんなにためられるのか!」
「だらしないにも限度がある!」
「忙しいのはみな同じ!寝る間を惜しんでやらんかぁ!!」

口では言わぬが間違いなくワタクシをそうなりじつつにらむのだ。

が、心やさしきサルシカ隊員のみなさまは、その山にとりつき、よじ登りながら、徐々にチェンソーで切断をはじめる。
週末の静かな朝に、数台のチェンソーの爆音が鳴り響くのだ。
そして山にこだまし、谷にこだまし、まるで爆音のオーケストラ状態。
ご近所のみなさま、ご迷惑をおかけしました。

が、ワタクシを含めて5名の男が、原木を切り、割り、運んでも、いっこうに山は減らない・・・・。
「ひょっとしたら今日中にはまったく終わらないかも・・・」
と焦り始める。

ちょっと山が崩れたかなあ・・・と思う程度のところでお昼。
我が家の薪ストーブを眺めつつ、薪ストーブ談義をしつつお弁当を食べる。

「まあ今日がダメなら明日があるから」などと、まさやんが不吉なことを言い始める(笑)。
コーヒーもゆっくり飲めないまま、慌てて作業再会。

が、お昼を食べると当然眠くなる。
疲れがドッと出る。

「もうホントに今日中にはおわらんなぁ・・・」と思い始めたとき、救世主が現れたのだ。

伊賀のN隊員である。
セミプロで、ダンプから軽トラ、そしてなんと巨大な薪割り機まで所有しているのだ!!

薪割り機を積んだNさんのダンプがやってくるなり、おっさんたちは少年のように車に駆けつける。
わーわー、いいなあいいなあ、チョーダイチョーダイ!!
もはや「ギブミーチョコレート」の世界である。


そしてついに出た~~~!!

BRAVE社薪割り機・縦横兼用型22トン VH-2200GX(VH9922-GX) 【プロ仕様】

ちなみにネットで調べてみたら、お値段473200円!!
たぶん割り引かれてこのお値段!!!
うそーうそー、ワタクシの軽トラが変えてしまうお値段ではないか!!

しかも!!
こんなトンデモナク高価でバカでかいモノを、Nさんは奥さんに内緒で購入したらしい。
「あのでっかいの何?」と奥さんに聞かれて、「なんだろーねー」でごまかしたという。
すごいのだ。
Nさんはすごい男なのだ。

「うほー、ホンマすごいなぁ、これ!!」
まさに目を向いて驚いている、海ぼうず隊員。
もうみんな欲しくて欲しくてたまらないモードの目になっている。

サルシカ隊において、日々の薪割りの辛さに耐えかね、薪割り機を買ってしまうことを、「機械の国へいってしまう」という(笑)。
そうですね、銀河鉄道999の世界ですね。

が、実はみんな機械の国にいきたいのである。
行きたくても、お金と家族の理解がなくていけないのである(笑)。

さあエンジン始動だ!
Nさんの手ほどきをうけた、なおやんがまず操作!
チェンソーとは違う、低くていかにも力のありそうなエンジン音が響く。

まさやんが自宅でどんなけ斧を叩きつけても割れず、怒りくるって放置プレイにしていた「不良在庫」をお土産に持ってきてくれたので、さっそく割ってみると・・・・・。

バキバキバキ!
と、いとも簡単に割ってしまう!
薪割り機は何度か体験しているが、こんなパワーがあるのは初めてだ。
どんな節があるやつも、繊維がいじわるく曲がりくねったやつも、息切れすることもなく割っていく。
実際、この日、一度も薪に食い込んで止まったりすることはなかった。
マジですさまじいのだ。

突然、薪割り班が超ウルトラモードで早くなったので、切ったり運んだりする者も大慌てだ。
まさやんも一輪車を押して走るのである(笑)。

しかもNさんが増えて、6人体制になったので、すべての処理が早くなる。
切る、割る、運ぶ。

ギュイーン!!
バキバキバキ!!!
えっほえっほ!!

ありえないスピードで山が消えていくのだ。

そして午後4時。
作業開始から7時間後・・・・。

ついに原木と廃材の山が消えた。

代わって、別の場所に見事な薪の山が・・・・!!
すべて雑木の薪の山である。
いったいどれぐらいの期間分の薪なのであろうか。

廃材もご覧のとおり、すべてカット!!
もういつでも燃やせるのだ。

そして細いナシの木は、まさやんが丸ノコですべて切ってくれた。

久しぶりに出現した駐車場の地面。
おおおおお!
ワタクシは思わずこの地面に頬ずりをしたくなったのだ。

今回、協力してくれたみんなには感謝しかないのだ。
本当にありがとう!!

そしてワタクシはここに誓うのだ!!

「もう二度と原木や廃材をためません!山をつくりません!!」・・・・と。