「もう薪の保管場所がないのだあ!新しい薪棚をつくらねばならんのだあ!」
と数週間前からところかまわずわめいていたら、
ご近所のキヨちゃん隊員が、もうあからさまに「仕方ないなー」の笑顔で、
「わかったわかった、手伝えばええんやろ、手伝えば」
と言ってくれた。
しかしその後、ワタクシ(隊長のオクダでございますね)の仕事がどんどん忙しくなり、薪棚づくりをはじめられないでいると、
「いつ薪棚つくるんや~、はよせなもう手伝わんぞ~~!!」
と激しくケツを叩かれ、おーしおーしと気合だけで仕事を一気に片付け、
いよいよ薪棚づくりのスタートとなったのだ。
午前10時から作業開始。
キヨちゃんは朝8時ぐらいからやる気まんまんであったが、ワタクシが起きられなかった。
連日仕事で徹夜・・・あ、いや、お酒つきの会合(いわゆる飲み会)ばかりで、二日酔い気味であったのだ。
「まあ単管で組んで屋根だけやから1日で十分やろう」とキヨちゃんも言ってたし、いきなり油断をぶちかますワタクシなのであった(笑)。
サルシカの影のボスKちゃんの実家からもらった単管パイプがあったので、今回はそれを使って建てることに。
場所は我が家から一番離れた第3駐車場。
元々田んぼだったところだ。
家から少しでも離れたら、どうせ車で薪を移動させることになるので、一番役にたたない奥の場所を使うことにしたのだ。
まずは3メートルのパイプを4本並べて正方形をつくる。
ひとまず組み立てていってあとで微調整する。
これが単管パイプの便利なところだ。
大きさを決めたところで、基礎というか柱となる単管パイプを地面に埋め込む穴を掘る。
当然穴は柱の数だけ。
つまり4箇所。
深さは50センチほどであるが、穴ひとつ掘っただけで汗だく。
この日の気温は30度オーバー。
しかも湿度が異常に高い。
まるでサウナの中で作業をしているようだ。
穴を掘ったところで、柱をたてて、ハリをつけて仮設する。
これで屋根の傾斜や、必要となる垂木の長さをすべて計り、いよいよ買い物にいくのだ。
サルシカ隊の面々は事前に設計図をつくったり、細かい計算が苦手な人間が多い。
ひとまずつくってみて、実物を見てから本チャンなのである(笑)。
まあ時間はかかるが、圧倒的にミスは少なくなる。
何より予算のないワタクシたちにはピッタリの作り方なのだ(と思う。笑)。
そこへ、のだっち隊員がやってくる。
「悪いけど、今から野球やで手伝えやんのさ、3時には終わるでそれから手伝うわ」
「いやいやさすがにその時間やと終わっとるに」とキヨちゃん。
「そうそう、終わっとる終わっとる」と根拠なく言うワタクシ(笑)。
しかし、のだっち隊員はすべてを見透かしたようにニヤリと笑いつつ、
野球場へと向かうのであった。
のだっちが出かけたのが11時30分。
買い物に行きつつ、子どもたちと昼ごはんを食べることに。
いろいろな作業をしつつも家族サービスを忘れないのが、サルシカ隊なのですね(笑)。
出かけたのは久居のバロー。
子どもたちのリクエストで、お昼はスガキヤのラーメン。
キヨちゃんちの娘(2人)も我が家の娘も、要求が非常に安上がり。
父親思いのいい子たちだ(笑)。
キヨちゃんの奥さんのさゆりんにも協力してもらって、子どもたちを遊ばせている間に、キヨちゃんとワタクシは資材関係をお買い物。
単管パイプをつなぐクランプを10個ほど(元々いくつかあった)。
垂木クランプ(単管に垂木をつけるクランプ)を6個。
垂木(6本で1980円という格安のものを発見!)
セメントと砂利。
ポリの波板(3m×63cm)のを5枚。
釘やネジなど。
しめて、1万5000円弱なり。
単管パイプを買わなくてよかったので非常に安上がりになったのだ。
ありがたやありがたや。
が、バローで余計な物をみて盛り上がっていたりしたので、家に向かったのは1時すぎ。
急がねばやばいのだ。
しかし神はいじわるなのだ。
家に帰ってくるなり、ドババババババとバケツをひっくり返したような大雨。
セメントを積んでいたので、大急ぎで車中に避難させる。
荷物は濡らさず、人間だけがずぶ濡れになって荷物を運び終えると、見事に雨が止む。
あまりにも見事なタイミング。
そんなに我々の日々の行いは悪いのか(涙)。
そして今度はキヨちゃんのトラックを動かそうとすると、タイヤがギュルルルルル!
このあいだ拡張工事を終えたばかりの第2、第3駐車場はまだ砕石すら巻いていないので、雨が降ると泥沼状態。
すっかりタイヤがはまりこんでしまったのだ。
さすがに軽トラでトラックはひっぱれず、キヨちゃんの家に四駆の車をとりにいき、
ロープで牽引するが、重さに耐えられずブチッと切れ、
仕方なく、キヨちゃんの知り合いの人にチェーンを持ってきてもらって、
悪戦苦闘のあげくにようやく脱出成功!!
そのときすでに3時半。
まもなく、のだっちが戻ってこようという時間であった。
トラック脱出に成功したあと、キヨちゃんとワタクシは慌てて作業に戻る。
もうすでにクタクタなのだ(笑)。
それでも基礎にするセメントと砂利をこねる。
そして穴の中に突き刺した単管パイプに、壊れたクランプをしっかりと固定する。
これでセメントを流しこめば、ガッツリと固まるはずである。
しかし、キヨちゃんとワタクシの会話の内容は、非常に悲しいものであった。
「雨がすごくて作業ができやんだって言うとこに」
「もうちょっとホースであたりに水まいとこか」
完成どころか、基礎さえ出来ていない状況を、いかにのだっち隊員に説明するか。
つまりウソを言うかということばかり話していた。
が、そんなところにのだっち隊員が野球のユニフォームのまま登場。
「なんじゃあ、これはあ!!」
柱が立っているだけの現場を見て、さんざん悪態をついたのは言うまでもない。
「ふたりのことやから出来とるわけはないと思ったけど、ここまでヒドいとは思わんだで~。おまえらいったい何をしとったんや~」
悲しいかな。
キヨちゃんにもワタクシにも返す言葉が見つからないのである。
屈辱にまみれたままセメントを穴に流し込み、
非常に残念であるが、この日の作業を終えたのであった・・・・。
で・・・・2日目・・・・。
本当は翌週、作業をするつもりであったが、
リベンジを誓い合ったキヨちゃんとワタクシは、その翌日に作業を開始!!
が、互いに仕事があったので午後3時から作業開始。
基礎のセメントは見事に固まっていた。
単管パイプはしっかりと地中から生えている(笑)。
仮止めしていたハリなどの高さ、幅をすべてしっかりと計り、調整する。
続いて垂木をカット。
何度も何度も長さを確認する。
3本切っては、また巻尺で確認。
ワタクシは何事もテキトーなので、そうでもしないとどんどん長さが変わっていってしまうのだ。
垂木と波板を取り付けていきます。
一気に作業が進む。
これなら日暮れまでに完成しそうだ。
が、そう簡単にいかないのが運命ってものだ。
あれほど慎重に長さを測りつつ切った垂木なのに、6本中3本が短い。
ぎりぎりの長さしかない・・・・。
「なあ隊長さあ、ホントにちゃんと測った・・・・?」とキヨちゃん。
目が笑っていない。
「何度も測ってたの見とったやろ」とワタクシ。
ちょっと不機嫌。
「でも長さが違うやん」
「単管が曲がっとんのと違うん?」
「曲がっとるかあ!!」
まあ、そんなこともありましたが、不恰好ながらなんとか波板をつけていく。
夕方5時半。
波板を半分ほどつけたところに、のだっち隊員がやってくる。
「1日遅れやけど、なんと完成が見えてきたのぉ~」と、のだっち。
こんな悪態をつきながらも、手伝ってくれるのがこの男の優しいところ。
脚立がひとつしかないので軽トラを足場にしつつ、3人で作業をつづける。
そして午後6時30分・・・・。
最後の波板を打ち付けて完成!!!
パレットを下に敷いて使おうと思います。
キヨちゃん、のだっち、お疲れさまでした。
どうもありがとう!!
この後、庭に座り込んで3人でビールを飲んだのだ。
照明もつまみもなかったけれど、そのビールの美味かったこと!!
さあ、薪棚は出来た!
これは実はある計画のはじまり・・・序章でしかない。
続いてなにをつくるのか。
何をしでかすのか。
それはこれからのお楽しみ、ということで(笑)。