三重県津市の中心から少し離れた、静かな住宅街にひっそりとありました。
「布かざり」。
決して営利を目的としない、友だちや仲間が集まり、お茶やおしゃべりを楽しみ、そして気に入った商品を買ったり、ときにおねだりしたりするところ。
さて、どんなところなのでしょうか・・・?
ごくごく普通の一軒家。
ひと部屋を開放して、お店兼ギャラリー兼憩いの場としています。
お友だちの家にフラリと遊びにきたような・・・。
きっとそんな感じを大切にしているのでしょう。
「介護をしていたおじいさんが亡くなって、ぽっかりと空いてしまった気持ちと時間を埋めるようにはじめたんです・・・」
布かざりを主催している和田けい子さんは、そう話します。
そこで、若い頃から大好きだった骨董や古布(こふ)で楽しいことをしようと思い立ったのだといいます。
「材料はどこにでもあります。極端な話、道端で拾ってきますから(笑)」
そんなけい子さんの作品の数々を見せていただきましょう。
何年もかかって集めてきた骨董品に一工夫加えるのが、布かざり流
ご近所から頂いた古い着物が、小物や飾りに生まれ変わる
そんな数多くの作品の中で、最近、けい子さんが特にこだわっているのが、「裂き織り」。
「古くなった着物を細かく裂いて、それをまた丁寧に織ってつくったものなんですよ」
「すごい手間がかかるものやけれど、この味わいはなかなか他にはないと思って・・・。
商売として考えたら、なかなか出来ない織物ですねぇ」
江戸、大正、明治、そして昭和初期・・・
その素晴らしい意匠の着物たちが、新たな織物としてよみがえるわけです。
と聞くと、けい子さんは、
「そういえばそうやねぇ。あまりそんな風に考えたことなかったけれど。
昔の人は、その生活自体がエコやったから。
着物は擦り切れるまで着る。
やぶれたりほつれたら、縫ったり布を当てて、とことん着る。
で、もう着れやんとなったら、細く裂いて、それをまた織って、新しい織物にする。
それは丈夫やから野良仕事の作業着にすることが多かったみたい。
そしてその野良着もいよいよボロボロになったら、雑巾にして最後の最後まで使う。
雑巾としての役目を終えたら、燃やして灰にして畑にまいて・・・ご苦労様でした!(笑)」
すごいリサイクルです。
昔の人は本当にモノを大切にしたに、無駄を省いた暮らしをしていたんですねー。
けい子さんに最後にみせてもらったのは、継ぎだらけの昔の服。
こればかりはさすがに裂くわけにはいかない、とけい子さんは話します。
「将来はもっと自然のあるところで暮らしたい、と思ってます。
そこで古いものに囲まれて、そしてどんどんそれに新しい命を吹き込んで生活ができたら楽しいだろうなぁ・・・と思っています」
現在、けい子さんはお店のディスプレイや個人の御宅の飾りつけなどのお手伝いもしているそうです。
なかなかご自宅にいることが少ないので、「布かざり」を訪ねてみたい、けい子さんとお話してみたい・・・という方は、下記の電話まで連絡を。
和田けい子さん・・・携帯 090-2131-8796
布かざりさんは、三重テレビ「とってもワクドキ!」に出演中の隊長に、4月より衣装協力をしていただくことになりました。
(出演時の写真はこちら!)
古くて新しい、そしてエコな衣装で隊長が出演する「ワクドキ」も、是非お楽しみに!