前編は、銭湯に入ることのない「銭湯企画」だったので(笑)、中編はいきなり銭湯なのだ。
午後2時45分。
ワレワレは煙の立ち上る煙突だけを頼りに、細く迷路のように入り組んだ白塚の道を歩き、
ようやく目的の「旭温泉」さんにたどり着いた。
この銭湯を探し当てるのは、並大抵の努力ではムリである(笑)。
さほどに入り組んだところにある。
こちらが旭温泉さんの外観。
前編の2つと同じく、白塚式かまぼこ型の建物である。
白塚では銭湯はかまぼこ型でなくてはならないという掟でもあったのであろうか(笑)。
三重県イチの銭湯研究家ケロリンは、同じ建築家がつくったに違いない、と言っているが、そもそも言ってる本人がいかにも自信なさ気だし、確証はどこにもない。
今後、ぜひとも追跡調査しなくてはならないことである。
3時にオープンだというのにすでに暖簾が出ている。
手の込んだ入口のタイル画がすばらしい。
銭湯は「気持ちよくて楽しいところなのよん」というメッセージである。たぶん(笑)。
銭湯という場所は、お客さんがいるとなかなか取材がやりにくいところである。
なのでオープンの直前に入らせてもらい、写真撮影等させてもらう約束になっていた。
「ごめんくださーい!」
おじさんたちはゲンキに暖簾をくぐったが、中には誰もいない。
窓も戸もすべて開け放たれており、涼しい風が男湯から女湯へと流れている。
「明らかに誰もいませんねぇ、これは果たして営業してるんでしょうかねぇ、しぇっしぇっしぇっ」
写真師マツバラがいかにも楽しそうに笑う。
お風呂の方をよーく見ると、わずかに湯気があがっているのが見える。
よかったよかった、お風呂は沸いてるのだ(笑)。
裏手の家の方に声をかけると、おばちゃんの声。
「すぐいくで、先に入るなり写真撮るなりしとってぇ・・・」
なんともまあ、おおらかなことである。
で、お言葉に甘えさせてもらってまず撮影をすることに。
窓全開で丸見えの女性風呂にもお客さんの姿はないので、
遠慮なく入らせてもらう(笑)。
このロッカーというか荷物置き場。
ええ味出してますなあ。
ほとんどのカギは壊れてるかすでになくなってるけど、ここならヘッチャラヘッチャラ。
広い脱衣場の奥に中庭っぽいのがあって、その向こうが浴室。
脱衣場と浴室はほぼ同じぐらいの広さ。
全体的にはかなり大きいサイズの銭湯である。
こちらは女風呂。
何かどことなくローマ風呂っぽい雰囲気?(笑)。
妙に落ち着く。
「おおおお、ローマだ!」
「ロココだ!」
「アールデコだ!」
などと、まったく分かっていないオヤジたちが叫んでいると、ようやくおばちゃん登場。
おばちゃんは78歳。
昭和58年にご主人を亡くし、以来ずっとひとりで旭温泉を切り盛りしている。
燃料は廃材。
おばちゃん自らチェンソーを操り、運び、釜で焚くのだという。
「そやけど、もうずっとやってきたことやでな。お父さんは大酒飲みでここの仕事はもっぱら私の仕事やったし」
二十歳でこの家に嫁いできて、おばちゃんで三代目。
「いまのこの建物はなあ、昭和36年に建てたんさ、そやけどその途端に景気がどーんとようなって、どんどん風呂付きの家ばかりになってなあ・・・」
ウソみたいな話だが、その当時、家に風呂がつくらないと住宅ローンが通らなかったという。
それではそろそろ失礼して、
アアアアアアアアアアアアアアアアアア!
ンンンンンンンンンンンンンンンンンンンン!
オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
それぞれ勝手にあえぎながら湯船に入る。
おじさんたちは、お風呂でのこのあえぎと、生ビールのあとの「プハー」が何より好きである(笑)。
改めて紹介するが、
手前がボーノー隊員。
右手に隊長のワタクシ。
そして奥にスズキックス。
なんと、この3人はそれぞれのカタチでテレビに出演している「有名人」なのである。
しかしながら町を歩こうとも、銭湯のおばちゃんと話そうとも、誰にも気づいてもらえない「有名人」なのだ(笑)。
あと付け加えるなら、3人とも肥満気味の「有名人」・・・か?(笑)。
「これはサイコーですね~」とボーノー隊員。
開け放たれた窓から青空が見える。
ゆっくりと雲が流れている。
「あああ、幸せ幸せ」と一同。
それにしても、取材当日は木曜日。
きっちりと正しく平日である。
いつもサルシカを書いていて思うが、なぜサルシカ隊員は平日に銭湯に入ったり、
海や川で遊んでいられるのか?
声をかけると、どんどん人が集まってくるんか?
三重の七不思議のひとつであるな。
(ないない。サービス業、自由業の人が多いだけです。笑)。
取材を終えたケロリンも写真師マツバラも湯に浸かり、さてそろそろ出るか・・・という頃、
遅れていたイワワッキー隊員が到着。
案の定、迷子になってみんなのケータイを鳴らしまくっていたらしいが、みんなお風呂の中である。
で、近所の人に聞きまくってようやくたどり着いたらしい。
この中編のTOPの記念写真だけ撮って、みんなさっさと風呂を出る。
遅れてきたヤツなど待っておれぬのだ。
風呂を出たら、あとの取材をスピーディかつ効率的にこなし、すばやく生ビール摂取の場所へと
移動しなくてはならないのだ(笑)。
「昭和」が少しホコリをかぶってそのまま残っている。
ここで汗を拭き、タバコを吸い、コーヒー牛乳を飲み、話し、笑い、誰かの悪口を言い、でもそれも垢とともに流し去り、身も心もさっぱりして夕暮れの白塚の町へとカラコロと出ていく・・・そんな幻影が浮かぶ。
脱衣場のわずかなカビ臭さは、その懐かしさであり、切なさなのだ。
「あのなあ、ここは近所の馴染みの人のためだけに開けとるの。毎日楽しみにしてくれとる人がおってくれるもんで、私もひとりでしんどいけど、なんとかやっとるんさ」
はいはい。
「そやからな、もう宣伝しやんといてほしいの。あんまりお客さんがきたらしんどいで(笑)。インターネットとかいうのに載せるんやったら、お願いやいから来んといて欲しいって書いといてぇ(笑)」
ホンマに書くんですか?
「ホンマさあ、電話番号とか住所も書かんといてえ、あははははは」
ということである。
だからこの記事を見て、「ちょっと行ってみるか」などと思ってはいけないのである。
ワタクシたちの入浴シーンをうらめしく眺め、自宅の風呂か近所の銭湯に行ってもらいたい。
釜も見せてもらいたい、とお願いしたら、
おばちゃんは「そんなん見て何がおもしろいんやあ、暑いとこやで」
と言いつつ、案内してくれた。
ずっしりと重い廃材を釜に放り込み、温度を確認する。
「撮影のためにサービスで入れたら、ちょっと熱くなりすぎたわ(笑)」
「おばちゃん、今日はいろいろムリ言うてごめんなあ、今度またゆっくり来るわ」とケロイン。
おばちゃんは「はいはい」と言いつつ、
「そやけど、80になったらお終いや・・・いま78やから、あと2年・・・・」
最後の記念撮影に、おばちゃんは入ってくれなかった。
「もう恥ずかしいで、カンベンしてぇ」と笑いつつ、どっかへ行ってしまった(笑)。
ワタクシたちはちょいと取り残されたような少し寂しい気持ちになりながら、
「じゃあ行きますか、そろそろ」と、旭温泉をあとにするのであった・・・・。
が・・・・。
実はあの企画がありましたよね。
ダイエット。
忘れてません。
でも、企画的に違和感があるので、
ずーっと下に、おまけ的につけておきました。
余韻ぶちこわしになってもいい、という方のみご覧くださいませ。
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実は風呂上り、ワタクシたちはやってました。
恒例の体重測定。
さてさて、みんな前回と比べてどう体重が変化しているのか。
まずは初参加のボーノー隊員から。
測るのは、もちろんスズキックスのマイヘルスメーター、略して「マイヘルス」(笑)。
「こんな企画聞いてないよ~」とごねるボーノー隊員を無理やりマイヘルスに載せる。
さてその体重は・・・・
86.4㎏!!
他の隊員の体重の推移を前回と比較してみよう。
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・・・・・・・・。
あきまへん。
隊長以外、微増微減やないけ~。
特にスズキックス!
こないだまで痩せた痩せたとつぶやいておったのはウソだったのか~!!!
このダイエット企画はいつまで続くのでしょう(笑)。
で、なおかつ、白塚編は、後編(3部作ラスト)へとつながります!!!