「サルシカ隊、筏レースに出る⑦」第135回サルシカ隊がいく

投稿日: 2011年08月08日(月)07:01

波乱は天から落ちてきた。
大粒の雨が「これでもか!」というぐらい、容赦なくみんなの体を打ちつける。

第3レース。
よしひろ隊員が設計し、我われが本気でつくった「必勝いかだ」を運ぶ途中、雨はさらに激しくなった。

のだっち隊長をリーダーに、よしひろ隊員、たかし隊員、やっさん隊員の4名が海へといかだを運ぶ。
のだっちとよしひろ隊員は元野球部で共に40代。
たかし隊員はバレーボール部。
そしてやっさんは若手の木こりで、趣味はゲートボール(笑)。
ふたりとも30代。

彼らは選ばれしモノたちなのである。
サルシカ隊の中でも馬力(だけ)はある4名が選抜されているのだ(笑)。

ペットボトルいかだで惨敗した黒モジ君たちは、今度は応援団して声援を送る。
が、またもや放送で、

「おっと~、さっきの笑いだけのチームと違って、今度は本気ですよ~」
「いかだも違いますが、選手の顔つきも違いますよ~」
「今度は期待できますね~」

と、もう言いたい放題なのだ(笑)。

でもわかってるのだ。
それがわしら黒モジ君の役割、使命なのだ。
きっとそうなのだ。

この枠の出場チームは3組。
他の枠より1チーム少ない。
それだけ勝つチャンスが多い。

そして雨の中、ホイッスル!
ザザザとみんな一気に漕ぎ出し、いかだが前に進む。

3隻はほぼ同じスピードで並ぶ!
隣は、『きほく七夕物語』のメンバーで、その先頭に立つのは、この夏祭りのスタッフであり、紀北町の町会議員であり、サルシカ隊の隊員でもある奥村氏。

が、今はそんなことは関係ない!!
抜きつ抜かれつの、まさにデッドヒート!!

ほぼ並んだまま、ブイでのターンに入る。

一番外側にいたチームが、最初にターンに入った。
そこにサルシカ1号が突っ込む。
紀北夕方物語はそこで少し遅れる。

外側のチームとサルシカ1号はぶつかり合いながら、もみあいながら、共にターンをする。
たぶん放送や文字にできないような言葉を発していたのではないだろうか。
もうこれは海のやんちゃ坊主と山のやんちゃ坊主の戦いである(笑)。

観客も、とても祭りの余興イベントとは思えない盛り上がり方をしている。

「いけ~!!そこやさせ~!!」
「まくれ~!!まくらんか~!!」

おいおいそれじゃあ競艇や競馬だって(笑)。

黒モジ君も、女性チームも、子どもたちも。
そして観客も大声で叫んだのだ。
応援したのだ。

そして4人のサルシカ隊たちは渾身の力をふりしぼってパドルを漕いだのだ!
海よ、裂けよ、と言わんばかりに海にパドルを突き刺したのだ!

そしてホイッスル!!
サルシカ1号は、二番手にわずか1メートルの差で勝った!!
予選通過!

我われサルシカ隊は飛び上がったのだ。
隊長のワタクシなんて少し泣いちゃったぞ。

すごい!!
すごいぞ、サルシカ隊!!

戦いを終えた男たちは美しい。
一番漕ぎ手のよしひろ隊員、2番漕ぎ手のやっさん隊員、3番漕ぎ手のたかし隊員、4番漕ぎ手ののだっち隊員が岸へと戻ってくる。

言葉は少ない。
が、互いに顔合っては、

「よっしゃ!」
「よっしゃ!」

と、うなずきあう。

我われサルシカ隊は勝ったのだ。
惨敗したペットボトルのハエやゴキブリの黒モジ君4名も、すっかり勝利に酔いしれ、いかだを運ぶのであった。

次回はいよいよレディースチームの出撃!
そして絶叫の決勝へと続くのだ・・・!!