〈前号あらすじ〉
半年ぶりに復活のサルシカ銭湯チーム。
意気揚々とバスに乗って白塚へと向かうが、肝心の銭湯「さくら湯」は、台風で煙突が壊れて休業中。
事前に足を運び、湯に浸かり、アポイントまで取っておいたにも関わらず、自分の連絡先を伝え忘れ、今回の悲劇を招いたケロリン。
みんなから激しくののしられ、蹴られまくるが、たまたま見つけた1軒の立ち飲み屋に救われる・・・・。
時計の針は午後8時を差そうとしていた。
旭湯は9時までの営業なのでそろそろ行かなくてはならない。
「おいちゃん、また必ず来るね」
「おお、来い来い、あてにせんと待っとるで」
ワレワレはそんなお約束的やりとりをしつつ、立ち飲み屋「山舗酒店」を後にしたのであった。
そこから旭湯まで数分の距離である。
ケロリン、イワワッキー、ボーノーさん、写真師マツバラ、隊長のワタクシ、そして先ほどのお店で合流した神父さん。
その6名はみなほろ酔い気分で、そして非常に満たされた気分で、時折ワハハハと意味なく笑いながら歩いた。
が・・・・。
旭湯へと入る路地を曲がった途端、ワレワレは凍りついたのである。
状況をすぐさま察知できず、最後まで笑っていたイワワッキーは、ケロリンに凄まれて息を呑んだ。
旭湯の入口の電気は消え、暖簾がしまわれている。
「おいおいおい、ウソやろ~!!」
ダッとワレワレは旭湯に駆けよる。
ケロリンが入口を引き開けると、鍵は開いていた。
脱衣場は真っ暗だが、女風呂の方だけ明かりがついている。
湯船から湯気が立っていた。
今さっき閉めたばかりらしい。
「おばちゃーん」と声をかける。
返事はない。
何人かが釜場の方へと回った。
残りの面々は、隣の自宅へと走った。
が、おばちゃんの姿はない。
みな、入口のところに戻ってきては、黙って首を横に振るばかり。
こんなことがあってよいのであろうか・・・。
記念すべきサルシカ銭湯企画復活篇は、銭湯に入らず終わるのか・・・。
ワレワレはおばちゃんが戻ってくるのを待った。
会話もなく、ただただ待った。
この旭湯は昨年の秋にサルシカ銭湯企画でお世話になったところである。
お母ちゃんが地域の人のためにひとりで切り盛りしている。
「インターネットやらに載せるのはええけど、住所も電話番号も書かんといてぇなあ。なるべくお客に来てほしないんさあ」
とマジメに言っていた。
本当は体力的にもキツイので閉めたいが、利用してくれる地域の人に懇願されて営業を続けているのだ。
客が来なかったら閉める。
それぐらいのおばちゃんのワガママは許されるのだ。
今日この時間に営業している銭湯は白塚にはない・・・。
行き場を失ったワレワレは、無意識にバス停の方へと歩いた。
悪いのは、いつまでもダラダラとビールを飲んでいたワレワレだ。
ビールを飲みつつバカな話で盛り上がっている間に、
今日はもう客がこないと踏んだ旭湯のおばちゃんは、石川さゆりの『津軽海峡冬景色』なんかを口ずさみながら暖簾をしまい、電気を落としたに違いないのだ。
「あー、バカバカバカバカバカバカ!ボクちんたちのバカ!」
6人の男はモーレツに反省し、自分の頭をポコポコ殴りながら薄暗い夜道を歩くのであった。
「うわああ、何をしてるんですか、みんなで!」
街灯の明かりの下にいきなり現れたのは、荷物をいっぱい持ったスズキックスであった。
今回の企画は「バスに乗って銭湯でいこう!」である。
彼は仕事で遅れ、疲れていたのにも関わらず、健気にひとりでバスで白塚へとやってきたのであった。
一刻も早く旭湯にたどり着こうと歩いていたら、闇夜よりもどんよりと暗いオッサンたち6名が頭を「バカバカ」と殴りながらやってきたのである。
驚くなという方がムリだ(笑)。
なぜこんな時間になるまで、まったく銭湯に入っていないのか。
なぜすでに酒臭いのか。
なぜみんなこんなに激しく落ち込んでいるのか。
説明する気力すらなかった。
が、記念すべき銭湯企画の復活編。
オールメンバーの7名が、白塚の薄暗い路地で初めて結集したのである。
これまでは1人2人は必ず欠席だったのに・・・。
「さあ行くんだ!」神父さんがおごそかに言った。
「その顔をあげて~!」(わかる人だけでいいです。笑)。
そうなのだ。
これは出直しなのだ。
よっしゃ、ならば一番最初にみんなでいった銭湯に行こう!
そう、すえひろ湯へ!!
ワレワレはタクシーで移動(笑)。
バスに乗って・・・という最初の企画のテーマなんぞ、もう地平線の彼方である。
わざわざバスに乗ってきたスズキックスに対して、
「なぜ車で来なかったんだ、バカやろう」
「おまえは歩いていけ!」
などと言い出す始末である(笑)。
かくして、ワレワレ、サルシカ隊銭湯チームの7名は、津市幸町にある「すえひろ湯」へとタクシーで急行したのであった!
すえひろ湯はワレワレを裏切らなかった。
まばゆいほど明るく、ワレワレを歓迎してくれた。
が、上の写真にボーノー隊員の姿ない。
あろうことか。
2軒の銭湯をさまよい、立ち飲み屋で騒いで時間を過ごしてしまったため、タイムオーバー。
同じサルシカ隊のタチカワDの番組のナレーションの収録のため、「必ずあとで戻ってくる」と言い残して現場を離れたのであった。
夜の9時まえ。
たぶん銭湯の一番忙しい時間である。
一応サルシカの銭湯企画であるのだから写真は撮りたい。
が、事前交渉もなんもなし。
2度目とはいえ、結構ドキドキしながら暖簾をくぐる。
お客さんは5~6名ほど。
そこに6名のワレワレが来たのだから一気に2倍になったわけである。
ちょっと混雑の様相である。
1年と3ヶ月ぶりの再会であった。
番台のお母さんはワレワレのことを覚えていてくれた。
そして急なお願いにもかかわらず、「お客さんさえOKならええよ」と快諾をいただく。
ありがとう、お母さん!
バンザイ、すえひろ湯!
ビバ! 銭湯!
そして・・・・
ようやく幸せのときはやってきた。
長かったあ!!
このプヒ~まで、なんと長かったことか!
一度は諦めた。
今回は風呂に入らない銭湯企画になると誰もが思った。
が、最後の最後で、
こうしてみんなで「ぷひ~」が出来たのだ!!
写真師マツバラを囲んでみんなでパチリ。
今回はいろんなお祝いがあっての銭湯企画であったのだ。
・写真師マツバラの復帰祝い。
・写真師マツバラの初の写真集発売のお祝い
・イワワッキーの議員当選のお祝い
・そしてケロリンの誕生日
そして何より、この銭湯企画の復活を祝って・・・・・
みんなでカンパーイ!!
津駅前の居酒屋にて打ち上げ。
エネオス稲ちゃん(右手前)も緊急参戦!
このあと、ボーノー隊員も戻り、そして昼間写真師を連れ回した津あけぼの座という劇場の支配人である油田さんや山中さんも合流!
なんと10名の宴会となった。
サルシカ銭湯企画「銭湯いこに」。
こうして第2幕がスタートしたのである!!!
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すえひろ湯
ところ:津市幸町16-18
でんわ:059-228-0531
じかん:16:00~23:30
やすみ:木曜日
駐車場:右奥にあり