めぐみごはん第9回『イヤッホォォ!天然ものの松茸とクリタケと自然薯祭り!』

投稿日: 2011年10月25日(火)15:56


料理&テキスト:M子

※こちらの読まれるまに必ず『サルシカ隊がいく第139回』をご覧ください。
 セットになっております(笑)。


私と娘がまだ眠る早朝、夫とやまきの大将「やまちゃん」は、いつの間にかキノコ狩りに出かけ、大変な思いをしたようです。
その激闘の様子は『サルシカ隊がいく第139回』を読んでいただくとして。

目が覚めて一階に降りると、玄関先にこんなステキなものが!

やまちゃんからのお弁当。
ちゃんと娘の分までありました。

しかも、『庭先弁当 安納黄金熟成前』なんて心憎いことが書かれています。
あとから聞くと「家で食べるんでも、庭先で食べたような気持ちになってもらえたら…」とのこと。
なんて優しいのだ!

じゃじゃーん!
日本昔ばなしのお弁当みたいです!
高菜のおにぎりの中には、浅蜊時雨煮。しょっぱさと甘さのコントラストで、ついつい食べてしまいます。
そして安納芋の天麩羅と、明太子と出し巻き!

この出汁巻きがちょっと濃い目で、まさしくお弁当!
そして安納芋は、ちゃんと熟成していますよ!
冷めてもウグウグせず、しっとりした甘さなのが素晴らしいです。
娘はお芋の天麩羅が大好きなので、狂喜しながら食べていました。
さらに明太子も火の通りが絶妙で、中心がちょっとだけ生!
一番美味しい状態です。

いかん、語りすぎました。
15時過ぎ、男たちがようやく帰って来ました。

す、すごい収穫量です!
一日でこれだけ採れたら、もう働かなくても良いのでは…と、一瞬思ったほど。
いやいや、これを採るために一日かかり、尚且つクタクタになるのですから大変です。
しかし、そんなことを考える前に、目に飛び込んできたのが、

イヤッホホホホホォォォォォウ!!!
松茸! マ・ツ・タ・ケ! まったけですよ!!!
確か去年はちっこいのが2本…それに比べて今年は5本も!
サイズも…ホントに大きい…です…。

他にも、お吸い物やおひたしにすると美味しい『スドオシ(アミタケ)』。

クセがなく、何にでも合わせやすい『クリタケ』。大量に採れましたよ!

そして自然薯!
大きな岩の上に乗っかっていたそうで、掘るのに難儀したそうな。
長さ50cm以上、はば30cm近くある、お化け自然薯です。

…ムカゴ。
一粒が親指の先ほどもある、ジャンボサイズ。
聞くと15秒ほどで一気にこれだけ採れたとのこと。
前回の『むかごごはん』での苦労は一体何だったのか、と問い質したい気持ちです。

今回、妙に張り切っている夫。
クリタケとスドオシを丹念に洗って、葉っぱや虫などを取り除き、網の中で乾燥させます。
ちなみにスドオシは、夫の妹のエミちゃんが「吸いモン作りたい!!」と言っていたので、進呈しました。

自然薯も、絡まっていたのを一本一本取り分け、しっかり洗って軒下で乾かします。
おおお、またしても、日本昔ばなしみたいだ!

そして、戦い済んで日は暮れて。
これから、山の幸満載の夕食です!

下ごしらえをした、山の幸の数々。
このために、すり鉢とすりこぎを購入しました。
そして、夫がキノコを洗っている間に、何気に買いに走っていた『松阪牛』。
これは是非モノ。

なぜなら、今夜のメインは『松茸のすき焼き』!
またしてもイヤッホホホホホォォォォォウ!!!
松茸単体でも美味しいのに、牛肉の肉汁が繊維に染みこんで、旨み倍増!
歯応えシャキシャキ、鼻から抜ける香りが芳しく。
しかもですね、夫も娘も松茸には興味なし!
M子食べ放題なのです!
バチが当たりそう。

もちろん他の山の幸たちも良い味出しています。
クリタケは歯応えポクポクで、火を通すと妙な旨みが生まれる感じ。
画像は、すき焼きに入れた自然薯団子。
摺りおろしたものを鍋に入れるだけで、ふわふわムチムチになり、土の味わいに更にすき焼きの甘さが…。

しかし自然薯の食べ方で一番美味しいのはコレ!
粘りを切るため、一旦水に浮かべ、そおっとわさび醤油をつけて口の中へ!
強すぎるほど芳醇な土の香りと、滋味深い味わい…そこにワサビがピリッと。
これは…お店ではなかなか味わえない味わい。
里山で暮らしているからこそ、楽しめる味わいです。
思わず、都会暮らしの両親に食べさせたくなりました。

自然薯の磯辺揚げ。
海苔の上に乗っけて揚げるだけなんですが、市販の『山芋』だと、粘りがゆるいので巻けないのですよ。
自然薯は摺りおろした時点で「お餅状態」なので、簡単に作れます。
さらに揚げるとムチムチに膨れ上がり、マシュマロチックな歯応えに。油でコクが出て、おつまみとしては最高です!

やまちゃんオススメの、ムカゴの食べ方。
茹でたムカゴをバターで炒めて
塩コショウ。
めっちゃ簡単です。

なのに、止まらない美味しさ。
やや渋みにある皮の向こうには、むき出しの「木の実」の味わい。
味自体は、自然薯から粘りと土の香りを取り除いたような…基本は、自然薯ですね、やっぱり。
ところで、ムカゴは自然薯の蔓部分になる、実というか種ですよね。
自然薯堀りは何時間もかかる作業なのに、ムカゴは、見つかればガッツンガッツン採れる…何だか不公平ですね(笑)

自分は行かずに、男性だけを働かせ、お弁当まで作ってもらい、挙句の果てに松茸独り占め…。
これだけ書くと、まるで私がひどい女みたいですね。
でも確かにそのとおりです。

というわけで、やまちゃん&夫、来年も頑張って、私に山の幸をたらふく食べさせてね!

ご馳走様でした!!!