1人目「和太鼓奏者 服部博之」

投稿日: 2009年06月10日(水)00:52

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服部 博之 (はっとり ひろし)
和太鼓奏者。


幼い頃から和太鼓を始め、高校生の頃より地元の「津・高虎太鼓」に入会。その後、和太鼓奏者として大学進学後も修行を積む。
1995年からは「和太鼓一路(後にJDO一路)」のメンバーとして、ヨーロッパツアー等に参加し、世界各国で200回以上もの公演活動を行う。

また、1996年からは和太鼓奏者・林英哲氏主宰の、全国から選び抜かれた太鼓打ちの精鋭による、特別編成の和太鼓集団「英哲風雲の会」のメンバーとしても活動している。国立劇場「日本の太鼓」等、多数の舞台に出演。

1999年からは三重を拠点にソロ活動を始める。ソリストとして様々なアーティストとの共演も行い、各地でライブやコンサート等を行っている。また、地域の太鼓グループの作曲や指導、三重県立久居高等学校では和太鼓の講師も務める。

全国ツアー「林英哲コンサートツアー2001/2002澪の蓮」や「五木ひろし特別公演」(H14年6月名古屋、9月大阪)にも出演。「林英哲コンサートツアー2004~2006 われに羽賜べ」に出演。



三重カルテ



Q1:まず・・・生まれたところはどこですか?
A1:三重県津市(旧久居市)です。

Q2:できれば生まれた年を教えてください。
A2:1974年(昭和49年)生まれです。

Q3:三重を離れて暮らしたことはありますか?
A3:20歳の頃、ヨーロッパツアーに参加して3ヶ月。グループに属しているときは、1年半ほど兵庫県に住んでいました。

Q4:なぜ三重に活動拠点を置かれたのですか?
A4:ふるさとだから、というのがやはり一番ですが、都会でピリピリして生活するのがイヤでしたし、三重のペースが一番自分に合うと思って・・・。

Q5:三重県でお気に入りの場所はどこですか?
A5:伊勢、青山高原・・・音楽に関係するところが浮かばない(笑)

Q6:三重県でお気に入りの店はどこですか?
A6:伊勢の二見にある「扇屋」さん!
私は牡蠣が大好きで、ここでは的矢牡蠣の定食もいただけます!

Q7:三重県に住んでいて「よかったなー」と思った瞬間は?
A7:練習場の提供など、地元の人に助けてもらったとき。本当に感謝している。

Q8:逆に三重県に住んでいて「つらいなー」と思ったことは?
A8:楽器としての和太鼓が認識されていないため、仕事だとわかってもらえない(笑)。

Q9:あなたが考える「三重の自慢」は?
A9:温暖で生活しやすい。ほどよく海、山もある・・・あまり自慢じゃない??

Q10:「住みたい都道府県ランキング」。あなたなら三重県を何位?
A10:上位! 10位までには入れたいが、1位ではない(笑)。






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0042 三重の100人」。
記念すべき1人目は、三重県を拠点に活動するプロの音楽家である。

しかも和太鼓の演奏家。
もうこの時点で非常に希少な存在である。
0052 この日、服部さんが指定された場所は、三重県庁のすぐそばにある「四天王寺」(津市)。

服部さんがプロデュースしている現役僧侶の和太鼓グループ「鼓司(くす)」の練習がここであるというので、そちらも見せていただくことに。
005-2 四天王寺はすぐにわかったものの、敷地が広くてどこに練習場があるかわからない。

服部さんの携帯に連絡すると、本人みずから迎えにきてくれた。

写真などのイメージでは気難しそうな雰囲気がするが、実際の服部さんは気さくで、さわやかな好青年の感じであった。
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こんな立派な空間がお寺の奥にあるなんてウソみたいです
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指導まえの練習場でお話を聞いた。

–すごい施設ですねぇ。

服部「太鼓そのものが大きいのでそれなりの場所が必要なんです。あと防音も大切です。
あとで「鼓司(くす)」の練習を見ていただきますが、すごい迫力の音と汗臭さにびっくりされると思いますよ(笑)」


–よく考えたら、太鼓をたたく機会ってそうそうありませんもんね。

服部「盆踊りでたたかせてもらうぐらいですよね。よかったらあとでどうぞ。
実は私も、初めて太鼓に触れたのは地区の盆踊りでなんですよ」


–そうでしたか。何かすぐに心に響くものがあられたんですか?

服部「それはありませんねー(笑)。
ただ私はスポーツが全然ダメでずっとコンプレックスだったんですよ。
ところが、太鼓はなぜかすぐ叩けた(笑)。
しかも近所のおいちゃんおばちゃんが『ヒロシ君うまいねぇ』ってほめてくれた(笑)。
すごい単純な話ですけれど、それが太鼓をはじめるキッカケかも知れません(笑)。



–高校時代から、地域の「高虎太鼓」に参加されていますが、その頃の生活はずっと太鼓と共にあったという感じなんですか。

服部「そんな風ではなかったですね。
あくまで楽しい趣味でした(笑)。
普通に就職するために大学にも進学しましたし」

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話すときは真剣に考え、笑うときは弾けるように笑う。太鼓のようにリズミカルな人だ
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好きだから、仕事にする・・・。
そうすぐに思えないところが和太鼓である。
好きなヤツが盆踊りや祭りでたたいてきた。
服部さんもずっと好きで太鼓をたたいてきた。
その意識がなぜ変わってきたのであろうか。


–では、プロを意識されたのは・・・?

服部「まず最初のキッカケは、94年に伊勢で行われた「まつり博・三重」で、林英哲さん(和太鼓奏者の第一人者)千人太鼓コンサートというのを企画されまして・・・それに出させていただいて、こういう太鼓の世界もあるんだな・・・と」

–プロの太鼓の世界を知ってしまった?

服部「はい。
それでちょうどその翌年なんですが、ヨーロッパにツアーに出る『和太鼓一路』という和太鼓グループに欠員が出たと聞いて、「いきます!」っていきおいで手 をあげたら、すぐさまツアーに連れていかれて、そのままヨーロッパで3ヶ月間。

服部「そのあとも、オーストラリア、日本、そして再びヨーロッパと世界中を回りました。
3年で200公演はしたんじゃないでしょうか」


–それはすごい体験ですねー。

服部「移動ばかり肉体的にもキツいし、お金は全然ないし、本当に大変な時期でした。
でも、体でショービジネスの厳しさと面白さを学べたような気がします」


–では、そのままなし崩し的にプロに?(笑)


服部「いえ、全然食えてませんでしたから。
で、一度自分を見つめ直そうとグループを辞めて、ちゃんと働こうと思って一度はハローワークにもいったんです(笑)」

–就職されたんですか?

服部「結局しなかったんです(笑)。
ずっと太鼓ばかりやってきたから、他にやりたいこともないし、得意なこともないし・・・やっぱり太鼓しかなかった(笑)」

服部「それで、改めめて三重に腰を据えて、太鼓をやっていこうと思ったんです。
母校(久居高校)の和太鼓講師や、いろいろなグループの指導をしつつ、林英哲さんのツアーに参加させていただいたりして・・・。
自分の太鼓を買って・・・これが僕の仕事なんだと初めて意識しました」
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018 がむしゃらに太鼓を打ち、悩み、そしてまた太鼓と共に生きようと心に決めた服部さん。

現在は、久居高校の和太鼓講師や「鼓司(くす)」などのプロデュース、そして地域などの太鼓演奏の指導を行っている。

そして昨年、自分の名前を冠したコンサートを開催するに至った・・・。


服部「これまでに林英哲さんやグループとしてはたくさんのコンサートに出てきました。
小さなライブですが、自分の名前でもやってきた。

しかし、大きなホールでやったのは初めてだったので、もう不安で・・・・。
でも音響や運営スタッフなど、本当にいい人間が集まってくれて・・・とても出来ないと思ってたことが実現できた。
まずは達成感がありましたが、その次に、ああこれで次も出来るぞ、という安心感のほうが大きかったですかね」

服部「あと、一般のお客さんがお金を出して自分の太鼓を見て聞いてくれる・・・いまオレはプロとしてやっているんだ、という強い自信が持てたと思います」


今年も5月にコンサートを予定している服部さん。
どのような将来図を描いているのだろうか。

服部「いまはとにかくコンサートをやりたい。
その機会がもっと欲しい。
本当にそれにつきます。
昨年やったコンサートを今年もやりますが、もっともっとやりたいですね」

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昨年のコンサートのポスター。ちょっとオッサンぽくありません?(笑)
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027 和太鼓も演奏には楽譜を使う。
でも楽譜を渡したら、ハイおしまい、じゃないところが太鼓のおもしろさだと服部さんはいう。
いっしょにたたいて、体と心で感じて表現してはじめて「和太鼓」なのである。

–そろそろ地域との関わりをお聞きします。
「三重に住んでいてよかったなーと思う瞬間は?」という質問で、地元の人に親切にしていただいた・・・という話がありますが・・・。


服部「こんな大きな練習場をお借りして、自由に使わせていただいてるんですから・・・本当にみなさんの親切に助けれています。
都会にいたら、こうはいかなかっただろうと思っています。三重に感謝ですね(笑)」


–その三重を拠点にしてやっていく上で考えていることは?

服部「私にできる恩返しは、太鼓をたたくことによって感動してもらうことしかないと思っています。
自分に厳しくするのは当たり前ですが、指導しているチームにも厳しくやっています。

服部「人前に出てたたく以上、それは自分のためでなく、見る人聞く人のためにやっているんですから。
安易にやればいくらでも安易にできます。
でも太鼓は、見る人聞く人、そして踊る人のためであり、地域の文化ですから」


太鼓への思いを語る服部さんは熱い。
ストイックでもある。

太鼓を打ち込むときの表情は、非常に厳しい。
けれど指導はリズミカルに、時に冗談を交えながら明るく・・・。

このギャップがこの人のすごいところであり、面白いところだ。

–サルシカの100万人(ウソです)の読者に何かメッセージがあれば。

服部「お近くの方はぜひコンサートに足を運んでいただきたいと思っています。
和太鼓ではなく、ショーをお見せしたいなぁと思っています」
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続いて、現役僧侶の和太鼓グループ「鼓司(くす)」の練習がはじまった・・・。

◇鼓司(くす)の指導、練習風景を見る。
◇関連動画を見る

〈ライブ&コンサート情報〉
服部博之&新田みかんライブ
日時:2009年4月18日(土) 19:00~
会場:度会郡大紀町 ふれあいの里 木の実館内 喫茶「リーフ」
料金:一般 \3,000/学生 \2,000(税込み・ソフトドリンク1杯付き)
お問合せ:リーフ 0598-86-3219(水曜定休)


服部博之コンサート「一會-いちえ-2009」
日時:2009年5月22日(金)
会場:津リージョンプラザお城ホール
お問合せ:ゴーイングミュージック 052-526-0522


◇和太鼓 服部博之 オフィシャルサイトを見る。


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写真:加納 準  取材:奥田裕久