第1回「はじめの一歩!~こうしてこの企画ははじまる~」

投稿日: 2011年12月07日(水)10:31


文/稲垣博文・奥田裕久  写真/松原豊  撮影協力/cafe Hibicore

稲ちゃんは、ガソリンスタンドの経営者である。
よって、またの名を「エネオス稲ちゃん」という(笑)。

稲ちゃんのお店は、写真師マツバラ、キヨちゃん、のだっち、ムネちゃん、タカシ隊員、隊長のワタクシ、その他にもたくさんの隊員が暮らす三重県津市美里町で唯一のガソリンスタンドである。
人口4000人足らずの美里町民の生活の足を支えているといっても過言ではない。

特に冬のいまには絶対に欠かせない灯油を配達してくれている。
稲ちゃんのところがなかったらもう大変なことになっちゃうのだ。
だから、がんばれ稲ちゃん!
みんなで稲ちゃんを応援していこうというのが今回の企画・・・・ではない(笑)。

ま、応援はするが、それが主旨ではない。

つまり何が言いたいかというと、稲ちゃんやワタクシたちが生活しているところは、過疎高齢化にずっぽりとはまった田舎であるということである。

目の前に田園風景が広がり、遠くに青き山々が連なる田園風景。

そんな中で、稲ちゃんはパソコンを駆使し、スマートフォンを操り、電脳の世界を突っ走ってきたのだ。
FacebookでもTwitterでも何でもこいの状態で、商工会や地域のITコンサルティングやセミナーの講師などもやっている。
まさに田舎に咲いた奇跡のデジタルフラワーである(笑)。

そんな奇跡の男「稲ちゃん」が、サルシカで連載をしてくれるのだ。
田舎で暮らし、田舎で仕事をする人のための、即戦的IT講座!

スタイルは、みなさんからの質問に稲ちゃんが答える形で展開していこうということに決めた。
聞きたいことがあったら、ぜひサルシカまで連絡いただきたい。

記念すべき第1回目。
当然まだみなさんからの質問が来ているわけがないので、サルシカ隊長であるワタクシ、奥田と対談形式でご紹介させていただき、かつワタクシの質問にいくつか答えていただこうと思っている。
ぜひ楽しみつつ学んでいただきたい!!

隊長「写真師マツバラとも話していたんだけれど、稲ちゃんのパソコンやITに対する知識は半端じゃない。この三重県の美里という田舎に咲いたまさに奇跡だと(笑)。
いつからパソコン関係に興味を持ってはまっていったの?」


稲ちゃん「パソコンに興味があったのは中学くらいからかなぁ。実際に自分のパソコンを買ったのは大学に入ってからだけど。当時パソコン本体とプリンタ合わせて50万くらいの買い物だった気がする。もう今じゃ考えられないくらい高い。それでいて遅い(笑)
そもそも僕の世代はファミコン世代なんで、そういったブラウンに映し出される画面には自然と興味があった気がするなぁ」

隊長「でも昔は、このあたりはネット回線を引くだけも大変じゃなかった?」


稲ちゃん「そうそう、今でも大変。大学時代にWindows95が発売されて、一気にインターネットの世界が押し寄せてきたんだけど、当時はアナログ回線からISDNに移行が進んでるような時で、少しでも早い回線を探してた気がする。
今となっては懐かしい言葉ですよ、テレホーダイって。そんな中で三重県はCATVの普及が早くて助かったかも」

隊長「稲ちゃんを見てて思うんだけれど守備範囲が広いよね。ハードではウィンドウズはもちろんマック、iPhone、アンドロイド・・・無線LANからプリンタ、何でもござれ。
ネット系でもFacebook、Twitter・・・あともろもろいっぱい。なんでそんなに知ってるの?」


稲ちゃん「なんででしょうね(笑)。
興味があるっていうのが大きいんだと思うんだけど、流行っているものには乗っかりたいっていうのもあるし、なによりさっき話したけど大学で自分のパソコンを買ったんだけど、当時はまだパソコンを使っている人が周りに多くなくて、分からないことを本を読んで自分で調べるしかなかった。それが今に生かされてるのかも。
あと、パソコンショップの修理のバイトをしていたことがあって、そこでいろいろ勉強させてもらいました。普段はいたって普通の生活ですよ、きっと(笑)」

隊長「ここだけの話、本当はガソリンスタンドやめてもいいぐらい副業で儲けてんじゃないの?(笑)」


稲ちゃん「いやいやいやいや、本業があるからこそ、いろいろ自由にできるわけなんで。
でも最近はパソコンの稲垣って覚えられることもあって、ちょっとおかしい状態にはなってきた(笑)」

隊長「さて、そろそろ本題に入っていこうと思うんだけれど、田舎と都会の差を埋めるのはIT、勝てるのもITだ、みたいなことがずっと言われているけれど、実際どう思う?」


稲ちゃん「距離を時間を問題としないということでは、まさにその通りだと思いますよ。ちょっとした買い物だってネットで済ますこともできるわけだし。わざわざ車に乗って買いに行かなくていいもん」

隊長「確かにアマゾンのおかげで欲しい本は何でも手に入るし、ウチの場合、そのおかげで田舎暮らしが選択しやすくなったみたいなところはあるけれど、
正直ITを駆使してビジネスをしている人やグループってほとんど見ない。
ITの便利を享受している人は見るけど、それを武器に戦っている人があまりに少ないような気がするんだよね」


稲ちゃん「たしかに、武器となるとそこまで活用しているとは言えないかもしれないなぁ。なんとなく便利なものなんだとは感じてるんだと思うんだけど。」

隊長「だからこそ、田舎暮らしのためのITをぜひ教えてもらいたい!」


稲ちゃん「なるほど(笑) 分かりました。ちょっとでも力になれることなら喜んで!」

隊長「記念すべき第1回目だからこそ、あえてTwitterについて聞きたい。個人的にはこのSNSはローカルに非常に相性がいいと思う。特に客商売に有効だと思う。
例えば実例で言っちゃうと、ラーメンいたろう。
モリママのなんでもないつぶやきが目に入ると、『あ、そういや最近いたろう食べてないなあ、今日のお昼はいたろうにすっかな~』なんて思ったりする。狭い地域だからこそこうなると思うんだよね。東京とかなら数が多すぎて(笑)」


稲ちゃん「たしかに三重県くらいだとちょうどいい感じかも(笑)
でもTwitterも2011年はポジションが変わりつつあったのかなとは考えることもあるなぁ。
今年はFacebookがとにかく流行ったと思うんだけど、Facebookを始めてTwitterをあまりしなくなったって人意外と多くないですか?
もちろんそれはビジネスで使っているんじゃなくて、プライベートで使っている人に多いんですけど。

そう思うと一時期のようなフォロワー数至上主義みたいなものも変わってきてるように思う。フォロワー数が多いけど、実はその大半がアクティブではないかもしれないってことも想定しないといけないかなって思うんですよね。
となると、ビジネスで使おうと思うと、数ではなくて質を高めるほうが良いわけで。

なんて言うか、自分のことを気にしてくれる人を増やす。その人たちに向けて情報を発信したほうが効果的かな~とはずっと考えてますね。
言わば狙い撃ちみたいな感じ。もうフォロー外したら損しちゃうよってところに持っていければいい」


稲ちゃん「じゃあどんなことツイートしたら良いかといえば、それはまた難しいけど、お客さんの立場にいかに立って考えられるかなんだと思うんですよね。

例えばパン屋さんとかだったら、“焼き上がり1時間前ですよ”とかツイートしたら、それを見たお客さんはもれなく焼きたてのパンが買える。
ウチなんかだとこれからの季節、雪とか降ることもあると思うけど、“店の前の国道に雪が残ってます。チェーンが必要ですよ”ってツイートも役に立つのかなって思ってて。
それこそ広範囲の情報じゃなくて、ごく限られたローカルなことなんだけど、そこを車で走る人には役立ったりするわけだから」

隊長「なるほどなるほど」


稲ちゃん「そしたら今度はフォロワーをどうやって増やせばいいかって話にもなると思うけど、これがやっぱり難しくて(苦笑)
手っ取り早いのはフォロー返しを期待してフォローしまくるっていうのもあるけど、あれって逆効果になることもあるんですよね。
”俺には50000人のフォロワーがいます”っていう人のフォロー数を見たら60000人いたりして。あ、この人は10000人に興味を示されてないんだな~って思うこともあったりします。あくまで一例ですけど、最初は有名人も含めていろんな人をフォローしつつ、コンスタントにツイートしていって、たまに有名人のツイートにRT(リツイート)で乗っかかっていく。そんなことを繰り返していって、フォロワーがフォロワーを呼ぶみたいに広げていくのも良いかもしれませんね」

隊長「ひとつひとつ納得できるね、思い当たるフシがある(笑)」


稲ちゃん「繰り返しになるかも知れないけど、大事なのは数より質なんだとずっと思っています。
広告に置き換えて考えるとビジネスでは分かりやすいと思うんだけど、ただ集めた10000人のフォロワーに広告を出して100人が店に来てくれるよりも、自分の店に興味がある500人に広告を出して100人が来てくれた方が効果的だと思いません?
Twitterをビジネス活用するならば、それがやっぱり大事だと思うんですよね。自分との地理的な距離も併せて」


稲ちゃん「これからTwitterを始められる方もいると思うんで、基本的な部分も話さなきゃいけないのかも知れないけど、まずは自分なりにやってみるのが早いと思います。
多少失敗したって、フォロワーが少ない段階だったらダメージも少ないだろうし、その気になれば何度でもやり直せるメディアなんだし。

TwitterにしろFacebookにしろ、タダで使えるんだから、まずはやってみる。それで自分に合わなかったら止めれば良い。それぐらい気軽で良いと思います。
ただ今はこんなツールがあるんだよってことは1人でも多くの人に知ってもらいたいですね」

隊長「最後にKIPのことを聞きたいんだけど」


稲ちゃん「はい。4月にKIPプロジェクトっていうのを立ち上げたんですけど、これって”デジタルの恩恵を最大に受けられるのは田舎である”ってのをコンセプトに始めたんです。
ちょうど松原さんとこのヒビコレが空いてる時間があるってことを聞いたから、そこを会場にしてITのセミナーとかしてるんですけど・・・って、隊長も来てくれたからそこらへんは分かってくれてると思うけど。
田舎だから住んでる人も高齢化が進んで、パソコンとかスマートフォンなんて何なん?って人が多いけど、そんな人に興味を持ってもらえたらいいなーって思うんですよ。
お孫さんたちとコミュニケーションが取れるようになったり、それこそ買い物が楽になったりとか。
もしかしたら数年後に美里発のサイバーおばあちゃんとかが出るかも知れない(笑) それは極端だとしても、いろんな情報を発信したり、相談できる場にしたいと思ってます」

記念すべき第1回目の講座はいかがでしたでしょうか。

次回より、みなさんの疑問からお話をスタートさせます。
稲ちゃんに聞いてみたい、教えてほしいと思ったら、ぜひ下のコメントか、サルシカのフォームにて投稿ください。
>>お問い合わせフォームはこちら!

実際に稲ちゃんがあなたの家にお邪魔して無線LAN設定・・・とか、あなたの会社のホームページを変えます!「ビフォーアフター」・・・とかもやりたいなあ、と思っています。

今更恥ずかしくて聞けない質問も大歓迎。
匿名でも許します(笑)。

そして!
稲ちゃんが美里でやっている古民家でIT講座のKIPは以下のバナーから!
美里の夜空はキレイです。
鹿にも会えます(笑)。


KIPプロジェクト/Facebook(最新の情報はこちらで!)