第2回「Windowsのバージョンアップ」

投稿日: 2012年01月03日(火)17:47


講師:「エネオス稲ちゃん」こと稲垣博文

新年明けましておめでとうございます。
本年もサルシカでの「田舎暮らしのためのIT講座」をよろしくお願いいたします。

さて新年1回目のテーマは、前回の記事がアップされてから質問でも寄せられていた「Windowsのバージョンアップ」ってことに答えたいと思います。

パソコンで使われているOS(オペレーションシステム)はずっと同じではないのは皆さんもよくご存じのことと思います。
Windowsも今年中に「Windows 8」がリリースされるとも言われています。
Macだって昨年最新版の「Mac OS X 10.7 “Lion”」がリリースされました。

次々と新しいOSが開発され、リリースされる中で悩まされるのが、新しいOSにバージョンアップするかどうかだと思います。
きっとこの記事をご覧になっている方の中にも、従来のOSである「Windows XP」や「Windows Vista」をお使いになっている方も多いのではないでしょうか。
また家庭だけではなく、職場のパソコンにそれらのOSが入っているということも多いように思われます。

以前に比べるとパソコン自体もそれほど壊れることもありませんし、性能も格段にアップしたため、日常使っていても不満もあまりないのかも知れません。
でもそれってそのままでも良いのでしょうか?

結論から言えば「決してそのままではいけない」ということになります。
では何が問題なのか、順番に説明していきたいと思います。

まず1つめに「サポート期間の終了」が挙げられます。
下の図を見てみてください。

少し分かりにくい言葉も出てきますが、簡単に言うならば、2011年をもって「Windows Vista SP1」のサポート期間が終わりました。
またその前の2010年に「Windows 2000」のサポートが完全に終了し、「Windows XP SP2」のサポートが終了しています。

この「サポート期間」とは、「Windows Updateなどでセキュリティ更新プログラムを入手できる期間」と考えていただければ結構です。
つまりサポート期間を終えたWindowsは、セキュリティ上のいかなる欠陥に対しても、それを修正するプログラムが提供されないことになります。
つまり、数々の危険を背負ったまま、Windowsを使い続けることになります。

ここで少し、安心してWindowsをお使いいただくためのお話を。

Windowsをお使いの皆さんには、セキュリティ対策ソフトをインストールされている方も多いと思います。
ただセキュリティ対策ソフトが100%の力を発揮するには、土台となるWindows自体がしっかりしている必要があります。

どんなにセキュリティ対策ソフトが、ウィルスが入ってくるような穴をふさごうとしても、そのセキュリティ対策ソフトを止めるための穴がWindowsにあったとしたら本末転倒です。
ですので、Windowsの欠陥にはきちんと対応しておかなければならないのです。

サポート期間が終了してしまうと、その欠陥がふさがれなくなるのですから、危険な状態となってしまうことは明らかですね。

まずこのサポート期間が終了することが問題の1つです。

2つめの問題として「インターネットブラウザ」の問題が挙げられます。

これはとくにWindows XPをお使いの方に多いのですが、内蔵されている「Internet Explorer(以下 IE)」のバージョンを古いままお使いになっている方がまだまだ多く見られます。
この問題は家庭内での利用にとどまらず、業務利用されているパソコンにより多く見られるのも特徴です。

Windows XPに標準搭載されているインターネットブラウザは「IE 6」というものです。
この「IE 6」はさまざまな問題を含んでいるのですが、国内でのシェアは少なくなってきているとはいえ、まだまだ移行が進まずに残っているのが現状です。

上の図はアクセス解析サービス「StatCounter」(アイルランド)が提供する「StatCounter Global Stats」より、2011年11月1日〜12月1日の日本におけるブラウザシェアを表したグラフです。

「IE 6」が2.51%、「IE 7」が4.76%を占めています。通常はWindows Updateで最新版のインストールを促されますので、徐々に最新版への移行が進んでいます。
しかし、最新版である「IE 9」はWindows XPにインストールできません。
「別にいいや」と思われるかも知れませんが、古いブラウザは最新のインターネット技術に対応できないのです。

例を挙げると、最近Facebookで「タイムライン」という表示方法が始まったのですが、「IE 6」はおろか「IE 7」もサポートされておらず、表示することができません。
Twitterにおいても同様で、基本的に「IE 8」以上で動作が保証されています。
これではネットの楽しみが半減されてしまうと言っても、決して大げさではありません。

これらの問題を解決するために、Windowsのバージョンアップをすることは、いずれ避けては通れないものだと思います。

しかし「今でも十分に使えるパソコンを、おいそれとお金を出してバージョンアップするのももったいない」と考えられることも当然です。

ですので、今回は最低限お願いしたいことを最後にまとめておきたいと思います。

・Windowsを最新の状態にしましょう

Windows Updateを忘れずに実行して、Windowsの状態を常に最新にしてください。
「Windows XP SP2」や「Windows Vista SP1」はサポート期間が終了しましたが、「Windows XP SP3」や「Windows Vista SP2」はまだサポート期間内です。
最新のサービスパックを導入するようにしてください。

インターネットにつながっていないパソコンでも注意が必要です。
「ネットにつなげてないからウィルスに感染しない」と高をくくっていませんか? 
最近ではUSBメモリを通じて感染するウィルスが多いんです。
もはやネットにつなげてないパソコンでも安心できません。

・Windows 7への移行を考えましょう

Windows 7は2012年1月現在で最新のWindowsです。Windows 7はアプリケーションの高い互換性と、強固な安定性を持っているWindowsです。Windows XPで動いていたアプリケーションのほとんどが動作するようになっています。(何らかの理由でIE 6の環境が必要な場合、「XPモード」と呼ばれる仮想環境さえも用意されています)

今後リリースされるであろうWindows 8も、Windows 7を引き継いだWindowsになります。
逆を言えば、いずれWindows XPを切り捨てなければならないときが必ずやってきます。
その一つの区切りが、Windows XPのサポート期間終了にあたる「2014年4月8日」だと思います。

「まだ2年ちょっとある」と捉えるか「もう2年しかない」と捉えるかによって変わりますが、カウントダウンはもう始まっていますよ。
そのときになって慌てることのないように、今から準備しておきましょう。

今回は少し難しい内容になったかも知れません。
しかし、避けては通れない重要なことなので、あえて書かせていただきました。

Windowsを最新の状態にする方法や、バージョンアップなど、分からないことがあればサポートさせていただければと思います。
行ける範囲であれば伺うことも可能かも!?

2012年のKIPプロジェクトでは、身近で相談できる拠点作りを始めます。
具体的には、美里の古民家カフェ「café Hibicore」で定期的に相談会を開設しようと考えています。

詳しい日程等が決まりましたら追って告知させていただきますので、その際は気軽に相談にきていただければと思います。

またこの「田舎暮らしのためのIT講座」にも質問や意見をどんどんお寄せください。
一人一人の悩みはみんなの悩みです。
ぜひその答えも共有しましょう!


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