「鼻笛第九コンサート」第143回サルシカ隊がいく

投稿日: 2012年01月08日(日)09:24

主催/日本鼻笛協会 伊勢友の会
写真/松原豊 文/奥田裕久



みなさんは「鼻笛」っつうもんをご存知であろうか。
その名前の通り、鼻で吹く笛である。
リコーダーみたいな筒を鼻の穴に突っ込んで、フンガーッと吹くのか、と思った人、いますね。
そこのアナタ!!

違いますに。
確かに演奏してる姿は格好いいとは言えないけれど、ちょいとブタ鼻になっちゃうけれど、透き通った感動的な音が奏でられるのである。

その鼻笛がコレ!!




サルシカ隊長であるワタクシもはまっているし、ブログでも何度か書いているので知っている人は多いかも知れない。
プラスチック製やら陶器製やら木製やら、いろんな種類、形がある。
一番吹きやすいのが木製のものだという。
音もやさしい感じがする。

ちなみに吹き方は、上の丸い穴から鼻息を吹き入れる。
下の口っぽいところに、唇をアーンの状態にしてあてがう。
鼻の上や口の横から空気を漏らさないことがポイントである。
上の穴と下の穴はつながっていて、鼻息が口の中に入り込んで音を立てる。
そして口の大きさを調整して音階をつくるのである。

最初こそ音を出すのもむずかしいが、一度音が出ると、口笛を吹くような感じで、すぐに音階をつかむことができる。
それが鼻笛のすばらしさだ。
音符が読めなくても、指先が器用でなくても演奏できちゃうのである。
ワタクシがはまった理由もまさにそこだ!
音楽を演奏することに憧れ、ハーモニカだのウクレレだのチャレンジしてきたが、すべて挫折。
が、この鼻笛だけはなんとか演奏することができたのだ。
音楽を奏でる感動を味わえたのだ!!




そんな素晴らしい楽器、鼻笛をどんどん日本に普及させ、コンサートやイベントでも使われ、教室や発表会まで開催され、そして学校の音楽の時間にも使われるようになって、一攫千金を企んでいるのが、日本鼻笛協会 伊勢友の会である。

写真右が、その悪の秘密結社「日本鼻笛協会 伊勢友の会」のさとう会長。
写真右が、副会長の池山大工。

このふたりが、クソ忙しい年の瀬に「鼻笛で第九をやる!」と言い出したのである。

「そんなのねぇ、アナタ、そもそもまだ鼻笛を知っている人が少ないんだから集まりませんよ」
「年末にそんなヒマな人いませんって!」
「告知もしないで人が来るわけないでしょ、まったく!!」

などなど言われて、ワタクシも密かに思いつつ、日程が迫るのを見ていたのであるが、
それがどっこいたくさんいるのである。
Facebookなどで「ワシ参加する!」「いくでぇ!」という人たちがどんどん集まってきたのである。




さて、その開催場所であるが・・・・
曹洞宗塔世山四天王寺。

なんと聖徳太子が建立したといわれ、1000年以上の歴史がある寺院である。
織田信長の生母、土田御前や、藤堂高虎の奥さんが眠る墓もある。

そんな日本の歴史と文化が眠る場所で第九をやろうというのである。
しかも鼻笛で。




2011年12月28日。
お昼ごろからメインメンバーが集まり、準備が進められた。




今回、スタッフを勇気づけ、そして参加者を盛り上げたのが、モスリンさんである。
日本でたったひとりのプロの鼻笛演奏者、ハナブエニストである。
そのモスリンさんが、わざわざ埼玉から500キロの距離をこえて三重県津市までやってきてくれたのだ!

これで「遊び」が、「本気の遊び」になった(笑)。




尺八奏者の新田みかんさんも応援にかけつけ、
第九の演奏パートを即興で決めていく。

その間にも、ストーブや椅子などの準備がすすめられる。




写真左が、曹洞宗塔世山 四天王寺 第五十四世住職 倉島隆行さん。
今回のイベントのために本堂を開放してくれた人である。

写真右が、尺八奏者の新田みかんさん。
まだまだ準備中だけれど、景気づけに一杯やってる(笑)。




日が暮れはじめた。
実際に演奏しながら、それぞれのパートを決定。
最初はモスリンさんによる鼻笛のソロ。
続いて、歌。
参加者全員で歓喜の歌を鼻笛で!

そして2番目はみかんさんの尺八で・・・と、どんどん決まっていく。




それを会長と副会長が譜面にしていく。
みんなでつくりあげていく感動の作業だ。




実はサルシカ隊長のワタクシが到着したのは、そんな準備の真っ最中。
上の写真は、演奏を終えたばかりのモスリンさんと対面して感動しているところである(笑)。

それにしてもプロが何人も参加しているので、恐ろしいほどすばらしい第九である。
ワタクシもこの2週間ほど時間を見つけてはピーヒャラと鼻笛を吹いてきたが、もうすっかり気後れしてしまっている。

あちこちにいるサルシカ隊の面々に、「な、おい。ちゃんと練習してきたのか。こんなにちゃんとしたイベントだと思わなかったので、テキトーたぞ、オレ」と言うと、
「私もですよ~」とみんな不安な声。
「ま、最悪、吹いてるふりしてたらわかりませんから(笑)」などというヤツまでいる。

ワタクシは隊長として、「バカヤロウ、ちゃんとみんなで吹いてこそ第九だ」などとエラソーなことを言いつつも、
「そうだそうだ、ワタクシも吹いているフリをしよう」と密かに思っていたのである(笑)。




津のことTVのスタッフでもあるスズキックスが生中継用のカメラをセッティング。
なんとこの鼻笛第九の様子はインターネットで生中継されちゃうのだ。

しかもその横を見ると、三重テレビのディレクターがカメラを持って立っていたりする。
おいおい、テレビの取材まで入っちゃうのか~。

参加者もどんどん集まっているのである。
第九の開始はヨル8時。
7時を過ぎたところで、30名ほどの参加者が集まっていた。
最終のリハーサルを集まったひとだけでやる。




そしていよいよ、その時はきた。
50人以上の参加者が集まっていた。
ザワザワとした声が本堂に響いていた。
時計の針が8時ちょうどをさすと、ふと静かになる。

それがスタートのきっかけだった。




「えー、みなさま、本日は鼻笛第九にご参加いただきまして、まことにありがとうございます・・・」

そう切り出したのは、なぜかワタクシであった。
本番の1時間まえになって、副会長の池山大工から司会を頼まれたのである。
ワタクシは何かの間違いでテレビに出演しているが、決してしゃべりは得意ではない。
噛むし、段取りを忘れる。
人前に出るのは好きだけれど、進行がまったく出来ないのだ(笑)。
しかし、池山大工が「テキトーでいいから」というので、テキトーにやらせていただくことに。


まずは池山大工から、この鼻笛第九をやることになった経緯を紹介。
続いて、倉島住職のご挨拶とありがたいお言葉。




そして読経(笑)。

みんなで般若心経を読む。
が、参加者に段取りが全然説明されてなかったので、みんな一体何がはじまるのかととまどいの表情が浮かぶ。
ま、しかし、第九の会場がお寺なのだ。
究極の和洋折衷なのである(笑)。




続いて、新田みかんさんによる奉納演奏。
第九のまえに参加者のみなさんを温める役割でもある。

が、あちこちに笑いを入れつつも、本気の尺八である。
そのキレ味、深みの音に、参加者全員が、どんどん不安になってくる。

なんかすごいところに来ちゃったんじゃないのか・・・と(笑)。

が、その不安は杞憂だった。

新田みかんさんに変わってモスリンさんが前に立つ。
簡単に演奏の段取りを説明する。




そしていよいよ第九がはじまった。
ピアノの伴奏。
盛り上がって、モスリンさんの鼻笛のソロ。
静かに、力強く。
そして、「はいここから!」と合図。

参加者全員の鼻笛演奏がはじまる。
50人の鼻息が、歓喜の歌を奏でる。
ワタクシもみんなといっしょに鼻笛を吹いた。
ときどき音程を外したけれど、いいのだいいのだ。
力いっぱい吹いた。
みんなも吹いていた。




音楽ってなんでこんなに楽しいんだろう。
みんなで楽器を演奏するってなんて感動的なんだろう。
たくさんの人がひとつの曲をつくりあげていくって、なんてステキなんだろう。


本当に楽しいひと時であった。
あっという間に終ってしまったので、歓喜の歌の部分だけもう一度みんなで演奏した。
まさにそれは自分たちへのアンコールだった・・・・。




鼻笛第九の様子は動画でも御覧いただけます。
津のまちTV第2チャンネル

日本鼻笛協会 伊勢友の会
http://hanabue.emix-express.com/

曹洞宗塔世山 四天王寺
http://www.sitennoji.net/