銭湯いこにVol.14「2012年は伊勢からスタート!」その2

投稿日: 2012年01月24日(火)22:08


photo/写真師マツバラ(松原豊) txt/サルシカ隊長(奥田裕久)

宇治山田駅でポーズをつけるワタクシたち。
左からスズキックス、ボーノー、ケロリン、イワワッキー、そして隊長のワタクシ。
ワタクシ以外はみんなカタカナの名前なのだ(笑)。

ところで。
前回は伊勢市駅からスタートし、駅から徒歩2分の安宿「風見荘」に一旦荷物を置いて、部屋を見せてもらったりしているうちに終わってしまったのであった。

で、宿を出てお昼ごはんを食べるお店を探しているうちにお隣の宇治山田駅にたどり着いてしまった。
その宇治山田駅が歴史と文化を感じさせる建造物で、

隊長「伊勢市駅よりこっちの方が格好いいから、ここをスタート地点ということにしちゃおう」
スズキックス「え、伊勢市駅はどーすんですか?」
隊長「なかったことにする」
スズキックス「そんなめちゃくちゃな~」

みたいなやりとりをしたのであるが、この銭湯企画は事実を事実のままに、忠実に、そして赤裸々に語るものであるので、そのまま書くのだ(笑)。

ワレワレは細い路地や生活感あふれる商店街をわざわざ選んで歩いた。
時折、洋服屋さんらしき店を見つけたが、なぜか並んでいるのは婦人服ばかり。
上着を忘れて「寒い寒い」と言っているボーノーさんに、

「あ、あのおばちゃん襦袢ええんちゃう、中に着たら暖かいでぇ」
「あのカーディガンみたいなん似合うで」

などと無責任かつテキトーに勧めるのであった(笑)。

そしてたどり着いたお店。
伊勢うどんがおいしいと有名な「ちとせ」。
なかなかいい感じの店構えである。

色落ちたビニールの看板がいい!
店から漂い出てくる出汁の匂いもいい!

えー、まだ昼をこえたばっかりですが、ビールでカンパーイ!(笑)
これはあくまで銭湯企画です。
銭湯に入って、濡れたタオルを引っかけたまま近くお店で一杯ひっかける・・・そんな企画だったはずが、最近は銭湯に入る前に飲んじゃってます。
いけないことです。

メンバーの大半が注文した、伊勢うどんの玉子入り。
ワンコインの500円!
一口すすって驚きました。
これまでワタクシが食べてきた伊勢うどんは何だったんだろう・・・と!
まず麺がフワフワである。
汁をたっぷりと吸って茶色くなっている。
そして真っ黒な汁が、なんともまろやかなのである。
見た目はイカツクて損をしてるが、本当は根のやさしいヤツなのである。
残った汁をズズズと飲めるほどまろやかでうまい。
次があるので遠慮したが、これなら3杯はいけるな。
そして最後に黒出汁と玉子で混然となったところにアチアチのゴハンを投入し、錯乱したようにかきまわし、かっこむことができるな。
さほどにうまかった。
恐るべし「ちとせ」。

「また来るからな!覚えてろよ!」と言い残し、店を出る(笑)。

■ちとせ
住 所   伊勢市岩渕1-15-11 
アクセス  近鉄鳥羽線宇治山田駅より徒歩3分
営業時間  10:00~19:00
定休日   日休
TEL 0596-28-3879

そして「ちとせ」を出るなり、なぜか路地を走るように進み、たどり着いたのがこちら。
たい焼きの日吉屋さん。
毎年10月から3月までの期間営業で、不定休でもあるため、運がよくないと食べられないお店。
そこが先ほど開店していたのを隊長のワタクシは目撃していたのだ。
「伊勢うどんを食べたらたい焼き!」
隊員に有無を言わせず、みんなの気持ちが変わらぬうちにと急いでやってきたのだ。

写真師「おばちゃん、写真撮ってええかあ」
おばちゃん「ええよぉ、でもたい焼きだけやで、おばちゃんはアカンで」
写真師「なんでえ、キレイやのにぃ」
おばちゃん「あんた変態やろ、アカンアカン!」

というわけで、残念ながらおばちゃんの手元だけ。
こちらは昔ながらの鉄の道具で1匹1匹焼くタイプ。
これを「天然のたい焼き」というらしい。
貴重な存在だという。

こちらが天然のたい焼き。
130円。

みんなで仲良く1匹ずつ食べた。
尻尾から食べるのが基本らしいです。
なぜかしらんけど(笑)。

甘いものを食べてようやくお腹が満たされたので、ようやく本日のスケジュールというか進路を改めて考える。
え、これまで考えてなかったのかと驚かれた方もいるかも知れないが、もう完全に行き当たりばったりなのだ。
大半はノーアポ突撃取材なのだ(本当!)。

さて、これからのコースであるが、まっすぐこのまま外宮に向かい、ひとまず初詣をしてから銭湯に入って身を清めようということになった。
順番が逆のような気がしないでもないが、まあいいのだ(笑)。

■日吉屋
住所   三重県伊勢市吹上1-7
交通手段 近鉄 宇治山田駅より徒歩5分
     宇治山田駅から252m

が、参道に入って数十メートルも行かないうちにまたもや寄り道。
隠れた伊勢名物「ぱんじゅう」を見つけ、いそいそと購入。

そしてまたもや怪しい路地を見つけると、ついつい入っていってしまう。
ある商店街でケロリンがトイレに入り、みんなは外で待とうと出ると、みんなに向かって放尿するケロリンの上半身が窓から見える。

「わははは、記念撮影だ記念撮影だ、みんな集まれ~!」
「わーーーー!!」

とても30代40代のおっさんたちのふるまいとは思えない(笑)。
バカである。

しかも。
伊勢神宮の外宮の前までやってきておいて、

隊長「もうええやん、ここでお詣りしとこ」
スズキックス「ここまで来て中に入んないんすか?」
隊長「だってさー、サルシカのレポートで伊勢参りを見たい人おるか~」
写真師「おらんおらん」
スズキックス「いるでしょ~」
ケロリン「ま、こういうところは観光三重とかにまかせとこ(笑)」
写真師「いいねえ!」
一同「わはははははははははははははははは!!」」

ということで、外宮の真ん前で踵を返し、銭湯方面へと向かうワタクシたちであった(笑)。

見よ、この清々しいワレワレの顔を!
意気揚々と本日の銭湯へと向かう!

が、まだ時間が早かった。
開店まで1時間以上もある。

「どーしようか~」
「うーん仕方ない、ちょっと飲むか!」

と、全然仕方ない感じじゃなく、かたくなな意志と確信をもって、とある方向へと向かうのである。

そして、そのワレワレの先にあった店とは・・・・。
伊勢の呑んべえたちをトリコにしている酒処「一月家」である。
なんとこちらは昼の2時からオープン。
暖簾を出すと同時においちゃんたちが我先に駆け込む店である。

ほんと頼むからウチの隣にこんな店をつくってくれ。
毎日通うから!!

奥の座敷を陣取って、またもやカンパーイ!!
すいません、昼から。
しかも風呂の前に。

一月家名物の湯豆腐!
ほんわりと温かく甘く、酒に合う。
最高!

店の大将に聞いたら、この湯豆腐を最高4丁食べてった人がいるという。
気持ちはわかるが、強者だなあ(笑)。

すじ煮込みまでいただいちゃって。
そしていつのまにかお銚子まで空けちゃって。

ええねえ、ええねえ。
日本に生まれてよかったねえ。

たまらんでしょ、この店の雰囲気。
呑んべえが集うし、飲み代も安いけれど、清潔で上品なお店。
お勘定はこんな年季の入ったそろばんでやってくれる。

さてさて。
そろそろいい時間だ。
今度こそ本当に銭湯に向かうことにしよう。

■一月家
住所  三重県伊勢市曽祢2-4-4
TEL  0596-24-3446
営業時間 14:00~22:00
定休日  水曜日

火照った頬に冷たい風が心地よい。
いやー、本当に昼間っからこんなに気持よくて申し訳ない、わははは、と笑いつつ歩く。

が、右へ行っては左へ行き、曲っては戻る。
なんと、ケロリンは迷子になっていたのだ。

「おいおいおい、ケロリンが銭湯を見失うとはどういうことだ」
「なんだよ~、無駄に歩かせやがって」
「酔いが覚めてきて寒くなってきた~」

途端にみんな文句をいう(笑)。
ケロリンは慌ててスマートフォンで地図を出して道を確認するが、その間もみんなで罵りまくる。

「まったくよぉ、ケロリン桶太郎の名が泣くぜぇ」
「どっちだよ~、もう行くよ~」

今回、ワレワレは本当に銭湯に辿りつけるのであろうか。
風呂に入らぬまま2話目を終え、次回に続いてしまうのである。
すまぬ。