第26回「隊長、ブルートレインの宿に泊まる!」(関宿編①)

投稿日: 2012年02月24日(金)09:01

提供:ゲンキ3ネット

東海道五十三次の47番目の宿場町として栄えてきた「関宿」。
江戸時代後期から明治時代の町屋が200以上も現存し、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
そんな歴史と文化が交差する関宿には、いまや観光バスが次々に行きかいし、キレイに手入れされた街道をカメラを持った観光客がそぞろ歩く・・・。
しかし、宿場町といえば、宿ではないか、と思った。
そして酒ではないか、と思った。
関宿に泊り、関宿で呑む。
そんな、ありそうでなかった関町の旅、そして夜を紹介します!!


なななな、なんと! その日は雪だった。
東海地方を寒波が猛然と襲い、亀山市関町にある関宿は、乾いた雪と凍てつく風が吹きつけていた。

「わははははははは! よいではないか、よいではないか! この寒空の下、取材をして、そのあと熱い風呂に入って熱燗でキュ!! これぞ企画通りの狙いだよ、マツバラ君!」

もう完全な強がりである(笑)。
ワタクシは同行のカメラマンである写真師マツバラに大声で叫んだ。
風は強いわ、雪で目は開けられないわ、写真師も小さな雪だるま状態になっている(笑)。

冒頭にも言ったが、
今回の企画は『関宿で呑んで泊まる』である。
宿と、メシと、酒と、そして関宿の夜を紹介するのだ。

「おおお、ダメだあ、町歩きはあとだあ! まずは宿から取材なのだあ!」

ワレワレはいきなり予定変更を余儀なくされ、いきなり宿からの取材となるのだ。
このまま寝ちゃったら本日終了なのだ(笑)。

というわけで、やってきたのは、関ロッジ。
関宿から歩いて10分ほどのところにある国民宿舎である。

こちらの宿は、一部の人には非常に有名なところである。
なんとブルートレインの寝台車がホテルの前に据え置かれ、実際に宿泊ができるのである。

ワタクシも写真師もそのことは知っていたし、地元テレビや雑誌で紹介されているのを目にしたことがあった。
が、実際に乗り込むのが今回が初めてなのである!
もういきなりハイテンションなのである。
萌えまくりなのである。
ワレワレは「鉄ちゃん」ではないけれど、寝台車に泊まる・・・というシチュエーションには激しく萌える!(笑)

「さあ、行こうではなないか、マツバラ君!」

ワレワレは青くて憎いヤツの車内へと潜入するのである。
その頃になって、雪はピタリと止むのである。
悔しいけれど、もう心はブルートレインなのだ!(笑)

B寝台「ナハネ20」の重い扉をあけて中に入ると、そこはいきなり洗面所とトイレであった。
水道の蛇口や扉の把手など、そのひとつひとつが古くて味がある。
すんばらしい雰囲気を出している。

ワタクシは「おおおお~」と静かにうめいた。
写真師マツバラはバシャバシャバシャと一心不乱にシャッターを切り続けた。

見よ。
冷却飲料水である。
電気カミソリ用コンセントである。
渋い。
渋すぎる。

さすがに飲料水はでなかったが、キレイに手入れされている。

トイレ。
2つあって、どちらも実際に使用している。

うんうん、そうだそうだ、実際に動いている列車の中でトイレをするのは大変だった。
しかも和式はバランスを崩さないように転けないように、いろいろとふんばらねばならなかった(笑)。

じゃ、客室へと行ってみよう。
ワタクシと写真師はすっかり童心に戻っているので、仕事を忘れてワーキャーはしゃぎまくり、挙句の果てに車窓を眺めつつカッコつけポーズをとり、これでまた大いに盛り上がる。
はっきりいってバカである(笑)。
が、さほどにこの宿は楽しい。
盛り上がる。

個室寝台「ひかり」である。
3段ベッドだけでなく、一応畳敷きのスペースが確保されている。
家族でここに泊まったら、盛り上がることまちがいなし! である。

備品関係はなるべくそのまま使用されている。
温度計には「JNR」の文字が。
国鉄時代のマークである。

さてさて。
こちらの寝台に実際に横になってみようか。

隊長のワタクシ、実は寝台車、初体験!
が、ワタクシは身長180センチ、体重87キロである。
ハシゴがギシギシいう。
大丈夫か(笑)。

なんとか横になった(笑)。
せまいけれど、そのぶんすごく落ち着く。
もう動きたくない。
寝台車にはなぜかサスペンスの本が似合う。
このまま本を読んで眠ってしまいたい。

ちなみにこのブルートレインには、2食付きで5670円で泊まれてしまう。
食事抜きの素泊まりだと、大人ひとり、なんと3000円!

その値段の安さのために、鉄道ファンでもないのに長期滞在する人もいるという。
そりゃそうだろう!

お風呂や食事は本館で。
ホテルの豪華な食事とお風呂をいただき、寝るときは寝台車で。
まさにいいとこ取りの宿なのだ。

ガタンゴトン。
線路の音は聞こえない。
車窓の風景は後ろに流れない。

でもこのブルートレインの宿の中には、不思議な時間が流れている。
昭和の匂いと光。

ぜひみなさんにも体験してもらいたい宿である。

思わず「ブルートレインの宿」からはじまった、関宿の旅。
数回のシリーズで、これまでとは違う関宿を紹介していきたいと思う。
次回は関ロッジ本館から山登りへと続くのだ(笑)。

国民宿舎関ロッジ
〒519-1111 三重県亀山市関町新所1574-1 
TEL 0595-96-0029
http://www.city.kameyama.mie.jp/sekilodge/

観音山公園
http://www.kameyama-kanko.com/home/genre/leisure/004/index.html