銭湯いこにVol.18「伊賀の銭湯で落語なのだ!」②~町を歩く~

投稿日: 2012年03月26日(月)11:53


写真/松原 豊 文/奥田裕久

サルシカからはじまった銭湯企画。
ひょんなことから伊賀の一乃湯さんで寄席が行われることになり、ワレワレ、サルシカ隊銭湯メンバーはその運営スタッフをやることになった。

夜7時からの開演なのに、午前11時半には一乃湯に集まり、準備完了。
そこに三重テレビの撮影スタッフも集まり、いよいよいつもの銭湯企画がはじまるのだ。

つまり、町を歩き、食べ、呑み、そして風呂に入るのだ。

もう午後1時になろうかとしていた。
まずは何よりメシだ、ということで、一乃湯のご主人の中森さんの案内で、すぐ近所にある「九重」さんへ。
元旅館のうどん屋さん。
入口からして風情がある。

おいおい、高級そうではないか、大丈夫なのかと心配になる。
テレビの撮影だからといってテレビ局がメシ代を出してくれるわけじゃないし、そもそもサルシカ隊も万年貧乏団体なので、昼食代や飲み代は各自負担である。

が、驚くなかれ。
こちらのお店は、かけうどん350円より。

上の写真のようなお座敷でいただけて、かき揚げうどん500円。
ワタクシがいただいた卵とじ400円。
なんともリーズナブルなのである。
こんなにお安くていいの! って感じである。

しかもこれがうまい。
いかにもシンプルで昔ながらのうどんで、しみじみうまい。

またこの生姜ごはんというのが秀逸であった。
あっさりとしつつも滋味がある。
香りがたまらない。
ごはんをかっこみ、うどんの汁をすすると、おおおおおおお、と声が出る。

むろん銭湯企画であるからして、昼から飲む(笑)。
落語が控えている染弥さん、テレビクルーのみなさんは飲まない。
だからこそますますニヒヒヒヒ化して喜びつつ飲むケロリン(左)とワタクシ(右)。
タチの悪いバカなのである(笑)。

「ここは元旅館で二階には結婚披露宴も出来る大きな座敷があるんですよ」と一乃湯のご主人が言うので、お店の人にお願いして見せてもらうことに。
いいぞ、いいぞ、この筋書きなしの展開。
サルシカ銭湯企画っぽくなってきた。

2階の広間は確かに大きかった。
30畳から40畳ぐらいはあるのではなかろうか。

「ここで落語をやったほうがいいんじゃないですか、染弥さん」

誰かが言ってはいけないことを言う(笑)。

さりげない町の一角にこんな広間を持つうどん屋があるとは。
さすが歴史ある伊賀なのだ。

■九重
住所 三重県伊賀市上野西日南町1770
TEL 0595-21-0260
営業時間 11:30~15:00
定休日 水曜・土曜

お腹が満ちたら、裏路地を歩く。
広い通りがあっても無視し、例え遠回りになったとしてもワレワレは裏路地をゆく。
そこには生活の匂いがある。
カラコロと銭湯へと向かう下駄の音が似合う道だ。

そしてワレワレがやってきたところ・・・・『昭和ハウス ソースもん研究所』
ここは以前にも「サルシカ隊がいく」で取材をさせていただいたお店である。

※その時の模様はこちら!・・・第86回サルシカ隊がいく「伊賀で昭和ノスタルジーに浸る」

こちらは、映画『オールウェイズ 三丁目の夕日』の小道具などを提供していることで有名なお店である。
しかしそれにしてもすごい人数である。
こんな大勢で押しかける取材なんてみたことがない(笑)。
バッタの大群型取材と名付けようか。
ワレワレが通り過ぎたところは、草一本残らないのだ(笑)。

このお店には、その名の通り、昭和の懐かしいグッズやガラクタ、そしてドリンクが置いてある。
ドリンクは1本200円から300円で販売していて飲むことができる。

が、今回の目的はそれではない。
なんと昔の「ママレンジ」という女の子向け高級玩具で、実際にホットケーキを焼き、食べちゃおう、という壮大な企画を準備!(笑)。

いつもはクールフェイスの神父さんさえ、「オーマイガッ!」の笑みなのである。

このママレンジは当時でも4000円ほどした高級玩具である。
なかなかこれを持っている子どもは少なく、本当に食べられるホットケーキが焼けるのかと気になって気になって仕方なかったものである。

ママレンジはもう30年以上前のものであるが、問題なく作動した。
テフロンでもないのにまったく焦げ付かず、かわいいミニパンケーキが焼きあがったのである。

妹の玩具をないしょで使っているような、そんな後ろめたい気持ちが芽生えて、何やら静かに黙りがちで、それでいて異様に盛り上がるワレワレ。
ちょっと気持ち悪いのだ(笑)。

■昭和ハウス ソースもん研究所
住所 三重県伊賀市上野小玉町3045-1
電話 0595-23-2336
営業時間 午前11時~午後11時
定休日 水曜日
HP http://www.ict.ne.jp/~jun-/02index.html

3時が近くなってきた。
そろそろ今回の銭湯へと向かおう。

伊賀の町を歩くと、なかなか面白い。
化粧品「ピンク」という店がある。
なんかちょっとエッチである。
なかでおばちゃんが二人、お話をしていた。
染弥さんとワタクシがニコニコ顔で覗き込むと、怪訝な顔をされた(笑)。

そしてすでに廃業したらしき時計店の看板には、錆びた「時」の文字だけが残されていた。
そう、ここには取り残された「時」がある。
古きよき昭和が時間が流れているのだ。

たまたま歩いていると、ショーウインドウの中に忍者の姿を発見。
ノーアポで入る。
幸い店員さんが染弥さんのことを知っていてくれたので、厚かましくそのまま取材させていただく。

こちらでは手裏剣打ち体験もできる。
見事ポイントをクリアすると、オリジナルステッカーがもらえるのだ。
染弥さんはインチキなしでステッカーをゲットした!

■忍者の里の〜伊賀流忍者店〜
住所 三重県伊賀市上野愛宕町1938
電話 0595-21-0792
営業時間 9:00〜19:00
定休日 水曜日(※GW、春・夏休みは営業)
HP http://www.rakuten.co.jp/ninja/

「さあそろそろ銭湯にいきましょうよ」とテレビのスタッフにうながされる。
「サルシカの取材はいつもこんな調子なんですか、酒は飲むわ、寄り道ばっかりだわ、これじゃあ目的地にぜんぜん到着しないじゃないですか!」

どうやらワレワレの取材・・・というより行動そのものに呆れているようである。
気持ちはわからんでもないが仕方がない。
ワレワレはこういう取材しかできないのだ(笑)。
本能のままに突き進むのだ。

と言いつつ、次回はいよいよ銭湯。
熱い湯につかります!!
乞うご期待!