毎年、津市外からも多くの見学者が訪れる『南長野イルミネーションファンタジー』。その企画・運営を行っているのが『南長野十二志会』の皆さんです。平成9年に12人の若者たちが「地域のために何かやろに!」のかけ声で、かつての青年団に代わる活動の場として会を発足しました。取り組んできた企画には休耕田でそばを育て年末に各家庭に手打ちそばを配る活動や集会所のジャンボ門松作り、道の草刈りなどがあり、門松作りや草刈りは今も継続して行われています。
そして平成15年に「お正月の間だけでなく、もっと長い間みんなに楽しんでもらうことをやろう」と南長野生活改善センターの庭電飾を始めました。敷地内の遊具を飾ることからスタートしましたが、年々その規模が大きくなり今では周囲の田んぼを舞台に、壮大なイルミネーションファンタジーの世界が繰り広げられています。その活動がマスコミにも多く取り上げられ、県内でも指折りのイルミネーションイベントとして知られるようになりました。
9月にデザインの打ち合わせが始まり、10月に入ると木材、鋼管、ワイヤーなどを用いてオブジェ作りがスタートします。大工工事、電気工事、重機の操縦など会員の特技を活かしながら、休日ごとに作業が進められていきます。屋外の作業では雨や風などの天候に左右されるなど苦労もありますが、それだけに点灯時の喜びはひとしおです。
オブジェ作りが完成しても点灯式の準備など会員の仕事はまだまだ続きます。点灯式当日は豚汁などの振る舞いが行われるほか、会の女性部手作りのうどんやおでんなどの販売もあり、焚火や豚汁で暖をとりながら、ステージで披露される演奏やショーが楽しめます。
平成25年(2013)に11回目を迎えたイルミネーションファンタジーですが、毎年新しい試みを取り入れて見学者を楽しませてくれます。2010年は全長43メートル、高さ5メートルの巨大な宇宙戦艦ヤマトが登場しました。2011年のテーマは『復活』で、震災からの復興の願いを込めて不死鳥を制作しました。2012年には不死鳥に龍が加わり『希望』をテーマに表現。2013年のテーマは『光のおもてなし』。水を張った田んぼの水面に映り込む金閣寺の幽玄な美しさが訪れた人々の心を魅了しました。
南長野十二志会の皆さんの地域を愛する想いから生まれたイルミネーション。その進化し続ける輝きは今、地域を超え多くの人々の心に感動を与えています。
※南長野イルミネーションファンタジーは例年12月上旬から1月中旬に開催されます。