美里プロジェクト

名前が『町』に変わっても、ここには『村』があります。 顔の見える人と人のつながり 守り継がれてきた文化と風習 四季を映し出す里山の自然 歴史あるものと新しきものとの出会い

ジャンボ干支(ふるさと愛好会)
美里町辰水地区

美里町のお正月の風物詩としておなじみの辰水神社の『ジャンボ干支』。
毎年新しく作られる開運潜門の干支を見ようと町内外からたくさんの参拝客が訪れています。
このジャンボ干支の制作を行っているのが辰水地区の有志からなる『ふるさと愛好会』です。

国による減反政策の推進など農業が転換期を迎えていた昭和52年、美里町辰水地区に『城山12人衆』が発足し、農業に従事する20~30代の若者たちが、稲作から大豆や小麦への転作を共同で行いました。
また収穫祭としてどろんこ祭りや小麦まつりを開催するなど地域の活性化にも力を注いでいました。その地域興しの一環として、昭和61年に新しく手掛けたのが辰水神社のジャンボ干支作りです。
その後平成9年に城山12人衆のメンバーが中心となり『ふるさと愛好会』を結成、干支作りを継承して今に至っています。
寅年からスタートした十二支も既に三巡目に入り、マスコミ等にも多く取り上げられ、今では美里町のお正月といえば辰水神社のジャンボ干支が上げられるほど広く知れ渡っています。




しかし干支作りの道のりは平坦なものではありませんでした。
当初の組んだ竹に米袋を貼り付けて張りぼてを作る工法から、現在の軽量鉄骨の骨組みに発泡スチロールを肉付けする工法に至るまで試行錯誤が繰り返されてきたのです。
熱したニクロム線を使って発泡スチロールをカットしますが、この道具も改良を重ねて誕生した手作りです。
現在会員数は約25名。11月の中頃になると仕事を終えた会員が毎日作業場に集まり、夜の8時から作業が始まります。デザインを考案し設計図をおこす。軽量鉄骨を溶接し発泡スチロールの塊をカットして塗装。
一連の作業を各人の特技を活かしながら進めていきます。作業場の床には雪さながらに発泡スチロールの粉が舞い落ち、会員たちは白い粒にまみれながらニクロム線で手際良くカット作業を進めていきます。四角い発泡スチロールが干支に姿を変え命が吹き込まれていく様子は感動ものです




こうして出来上がった干支のお披露目は例年12月29日に行われます。この日は子どもたちが干支の載った台車を曳いて近隣を練り歩きます。その後開運潜門の上に干支が奉納され、神事がとり行われます。無事奉納が終了すると記念撮影。会員の誇らしげな笑顔が真新しい干支の前に並びます。



年が明けると美里町外からも新しいジャンボ干支を見ようと大勢の参拝客が訪れます。元旦には美里龍神太鼓による新春初打ちの奉納もあり、お正月気分をさらに盛り上げてくれます。 ふるさとを想う心熱き仲間たちが作り続けるジャンボ干支。次はどんな力作が誕生するのかと毎年多くの人々が心待ちにしています。

※ジャンボ干支は例年12月29日から2月末日まで飾られています。

【お問い合わせ】
辰水神社 津市美里町家所1941
TEL:059-279-3015
ふるさと愛好会
059-279-3224