「ランタンまつり①〜駄菓子編」第729回サルシカ隊がいく

投稿日: 2018年12月05日(水)17:24

わたしたちサルシカは、三重県津市の繁華街である大門で飲食店を数店舗経営している。
商店街や地元の活性化が目的であり、利益をあげることは目的としていないが、スタッフや社員がいる以上、最低限の運営費は稼がねばならぬ。

商店街というと賑やかな人通りを想像するかも知れないが、地方における商店街の現実はなかなかに厳しい。
店の明かりよりも下ろされたままで薄汚れたシャッターが目立つ。
昼間でも人通りが少なく、夜になると猫も歩いてない、なんて状況になったりする。

つまり待っていてもお客さんは自然と流れてこないので、流れを生み出す努力をしなくてはならないのである。

ちと話は脱線するが、隊長であるわたくしの身内に、神奈川県川崎のにぎやかな商店街で店をやっているものがいる。
以前お邪魔したときに家賃を聞いてみたら、10坪程度のお店で20万弱だったような気がする。

さすがに都会の家賃は高いなあ、と思ったが、あとでよーく考えてみると、「ちょっと待てよ」となったのだ。
川崎の商店街の人通りは、朝夕はまさに肩がぶつかるほどのにぎわい。
勝手な想定でしかないが、少なく見積もってもたぶん1時間に300人〜500人は店の前を通ると思うのだ。

まあ仮に300人として、これを家賃で割ると、1人あたり666円となる。

さて、一方の津市大門である。
一番賑やかで人通りがある「おばんざいバルすみす」の前の通りで、1時間にどれぐらい人が通るかというと、たぶん10人ぐらいかなあ。
ということはですよ、この人通りの数だけで家賃を算出すると、10×666円で、6660円!

人通りだけで家賃を算出するとこんな金額になってしまう。

まわりの店舗数が全然違うから人通りだけで比較はできないけれど、地方は家賃が安いよねと驚かれるけれど、割安ではないのだ。

さて。
話を戻して、お客さんに来てもらうためのイベントである。

特に人通りが少ない大門商店街のランタン通りでは、せめて隔月でなにかしらのイベントをやっていきたいと考えている。
前回は日本酒のはしご酒イベントであった。

さてさて12月の年の瀬になにをやろうかと考えて、ランタンまつりをやろうということになった。
まあ、ネーミングに困って「ランタンまつり」と名付けたのであるが、今回の企画は駄菓子店の1日限定オープンと、せんべろチケット企画である。

まずは駄菓子店から。

昔はどの商店街にも必ず駄菓子店があった。
子どもたちの社交場であり、いつもゲンキな声が響いていた場所だ。

そんな場所は1日限定ではあるものの、商店街でやってみよう、ということになったのだ。
もちろん昼間の企画であるが、この怪しいとか暗いとか怖いと言われている商店街に、子供連れでお父さんお母さんに来てもらいたかった。

お菓子と玩具の問屋「大石屋」さんで仕入れ。
なつかしいお菓子やくじ引きを妻M子と娘m子と、どんどん買う。
が、価格が安いのでどんなけ買っても予算に届かない(笑)。

代わりに買い物の品はどんどん山積みになっていく。

なんかね、高級なお店でブランド品を買い漁るマイケル・ジャクソンの気分よ。
駄菓子だけど(笑)。

こちらは、駄菓子店でいっしょに販売する「せんべろ」チケット。

せんべろってご存知ですよね?
1000円でベロンベロンという意味。

まちバルなんぞはどちらかというとつまみがメインだけれど、これは酒が売りのチケット。
1000円で3種のクラフトビールや日本酒が楽しめたりする。
夜の部のイベントだ。

隊長のわたくしが、忙しい原稿の合間をぬってチケットを制作。

印刷してハンコまでは押したけど、切ったり、番号を書いたりは妻と娘に手伝ってもらった。
サルシカのイベントではあるが、家内工業なんです、実際は(笑)。

そして12月1日、土曜日。
イベント当日。

大量の駄菓子を積み込んだ車で大門商店街へ。
駄菓子店はランタン通りのフリースペースの一角で営業。

会議用テーブルを2つ並べたらお店完成!(笑)

あとは商品の陳列。
駄菓子屋っぽく見せるのにひと苦労。

トップの写真でもわかるように、店員は、娘m子とその友だちの「勇者」がやってくれることに。
地域活性化のためのボランティアなのだ。
お菓子はつまみ食いしていいから手伝うのだ(笑)。

開店準備中、おばんざいバルすみすの女将のすみちゃんが顔を出してくれた。
手伝ってくれるのかと思ったら、いきなり子供用おもちゃで遊びだす(笑)。

いやいやごめん。
案内を書いてくれた。

この白い紙はね、第2回大門まちなかバーベキューのポスター(笑)。
まだいっぱいあるの。

駄菓子を仕入れていたのはいいけれど、販売価格を全然チェックしておらず、慌ててネットで調べているところ。
ここでようやく販売価格と原価がわかる(笑)。

えー、駄菓子屋さんは大変やねぇ。
すべてを売り切っても、1晩の飲み代になるかならないかの金額だ。

まあ駄菓子販売は間違いなく赤字になるけれど、これは地域を盛り上げるためだからOK!

お菓子いろいろ。
どう?
懐かしいのある??

実は一番人気だったのが、中央にある「ヤングドーナツ」。
これだけ売り切れた。

「いいか、合計金額が100円になったら、必ずお客さんに、ハイ100万円ということ。
もしくは100万両だぞ、わかったな」

隊長のわたくしが駄菓子店の心得を説いているというのに、女子高生のふたりはまったく聞いていない。
まったくもう!

午後1時の開店のまえに腹ごしらえ。
眼の前にある「ベトナムカフェ アンコムチュア」のフォーボーをおごってやる。

「おい、昼メシ食わしてやるんだからちゃんと働くんだぞ」

が、ふたりはわたくしの言葉など聞いてもいない。

「わたしお菓子を5つも6つも買われたら計算できやんわあ」
「わたしもぉ」

と大笑いしている。
お父さんは果てしなく心配だ(笑)。