写真/ヴァナゴン太田・中谷の父ちゃん・IT松本 文/サルシカ隊長
紀北町の清流・銚子川をくだる。
後篇である。
さて、その銚子川であるが、
本州でもっとも年間降水量が多い大台ケ原から熊野灘へと流れる三重県紀北町の二級河川である。
河川水質ランキング水質調査で、平成19年・平成23年に1位となっている。
山々に囲まれた景色、どこまでも透明な水は本当に美しい。
が、全長20メートルと短く、カヌーでくだれるはほんの数キロのみ。
そのせいか、あまりカヌーを楽しんでいる人はいないようである。
それにしてもこの美しさ!!
空はどこまでも青く、森は豊かな深い緑!!!
そしてこの透明度!!!
「ああああ、気持いいねえ!」
「すんばらしいねぇ!」
「生きててよかった」
「ああ、極楽極楽」
おっさんたちはまるで温泉に入っているようにうめきながら川をくだっていく(笑)。
が、極楽はずっとは続かなかった。
ここのところ雨が降っていなかったので、銚子川の水量はいつもよりかなり少なかった。
で、パックラフトの腹がするようになってきたのだ。
わたくしたちが使用しているパックラフトは床が一枚のゴムシートでしかないので、どうしてもお尻の部分が一番沈む。
で、写真のようにフチのエア部分に足を載せ、ケツを浮かせるようにする。
すると、体重がまんべんなく船底にかかり、わずかではあるが岩にこすりにくくなるのだ。
が、ケツを浮かしても浮かしても、岩にひっかかるように。
仕方なく、船を下りて歩く。
船は軽いからいいけど、大きな石がごろごろする川の中を歩くのは結構疲れる。
さっきまでは気持ちよかったのに、汗がどんどん出てくる。
「ええい、これじゃあ川下りじゃなくて川歩きやないかあ!!!!」
わたくしたちはもうやけくそになって川の中にザブーン!!!
あ、これがまた気持ちいい。
冷たい水が最高!!
このまま船を捨てて、ライフジャケットだけで流されていこうかな(笑)。
もうすこし下ると、ようやく水が増え、幸せに流れていくように。
ああ、これよ、これ!
「極楽だあああああ」
すると、橋のうえからヴァバゴン太田さんが、冷たいビールがありますよ、と。
「ああああああ、飲みたい〜!!!」
「でもこれからまだ取材があるのに飲んだら終わる〜!!」
「鬼〜!!!」
「悪魔〜!!!」
人の好意を無にするとはまさにこのこと。
太田さんは愚かなおっさんふたりを撮影しながらも、
「冷たい麦茶もあるけど、もうあんたたちにはあげない!!!」
「ああああ、お茶をくだせ〜、お代官さま〜」
どんどん愚かな展開になっていくのであった。
ふたつにわかれている川を、パックラフトとポリ艇で別れてくだって、また合流。
「おおおーい!!!」
なんかこういうの盛り上がる(笑)。
中谷の父ちゃん、沈の練習。
沈もうと思ってもなかなか沈まない。
無理やりやると、豪快にひっくり返る(笑)。
IT松本は飛び込める岩場を発見し、カヌーを着岸させて飛び込んでる。
写真をよーく見ると飛んでいるIT松本がみえる(笑)。
めいめいがのんびりと銚子川をくだる。
IT松本は今度は船に立ち上がって漕いでいる。
SUPじゃないって(笑)。
ゴール地点付近。
先にヴァナゴン太田さんが場所をみつけて教えてくれた。
海からの風に押し戻されながらも、ゆるゆるとパックラフトを進めているわたくしたちが点のように見える。
海のすぐ近く。
もう磯の香りがする場所でゴール!!!
銚子川は短いダウンリバーだけれど、気軽にこの雄大な自然を愉しむことができる。
ふと気が向いたらまた下ってみたいなあ。
ゴムボートで三重の川をくだる、銚子川編はこれでおしまい。
さあ、次はどこの川をくだろうかなあ。