写真/中谷の父ちゃん 文/サルシカ隊長
紀北町海山区の清流・銚子川をパックラフトで下ったあと、IT松田、ヴァナゴン太田さん、カメラ担当の中谷の父ちゃん、そして隊長のわたくしが向かったところ・・・・。
そこは、同じく紀北町海山区にある引本漁港。
この日、紀北町の夏の三大まつりの最後を飾る「きほく夏祭りKODO」が開催されるのだ。
祭りそのものは、わたくしがゲンキ3ネットで取材してレポートしているので、そちらを見ていただきたい。
>>隊長、紀北町三大祭りのひとつ、きほく夏祭りKODOでビショ濡れになる
ま、一言でまとめると、港で開催される紀北町海山区の地域をあげた夏祭りである。
ゲンキ3ネットの記事でも触れているが、この祭りのメインイベントは、日本最大級のいかだレースである。
港の前の海にコースがつくられ、そこで飛沫と怒号と涙を汗を飛び散らかせて果敢に争い合うのだ。
その戦いに、サルシカも挑んだことがある。
>>「サルシカ隊、筏レースに出る⑤」第133回サルシカ隊がいく
忍耐力と時間のある人は、この前後に5話ずつほどのエピソードがあるので、すべて読んでもらいたい。
なんと計3チーム。
当時は手作りいかだでの出場もあったので、1ヶ月ほどまえから準備をし、練習をして挑んだ。
もちろん地域を盛り上げるため、という大義名分があるが、本音は賞金10万円をつかんで夜、大宴会をするためである(笑)。
それでは、2016年、今年のいかだレースの様子を紹介しよう。
こちらは受け付けの様子。
今年はなんと80近いチームがエントリー。
地元だけじゃなく、われわれのように津市など県内各地から参加。
ちなみに。
今回出場するサルシカ隊の面々は、
設備の佐野・・・サルシカ秘密基地、おばんざいバルすみすの水道工事を担当してくれた。
IT松本・・・午前中の銚子川くだりにも参加。iPhoneのアプリなど開発してる。今回のレース出場の言い出しっぺ。
バルーン海原・・・熱気球で空を飛ぶ男。ガス会社勤務。
そしてもうひとり、ミニバルーン海原(笑)・・・助っ人として海原さんの息子やね。
欲に目がくらむのは誰しも同じやねぇ。
設備の佐野は、このレース出場に向けてさまざまなものを用意していた。
パドルを漕ぐ際に足が滑っては力が入らないであろうと、強力な滑り止めシート。
踏ん張る膝が痛くならないようにと膝パットなどなど。
わかるわかる。
われわれも用意したよ。
今回の出場チームの名前は、「ダウンレバークラブ」。
酒が飲みたくて飲みたくてたまらないという、まさに呑んべえチームやなあ(笑)。
もちろん目標は一等賞!
賞金10万円を獲得し、この日の夜は紀北町で大騒ぎ!!
設備の佐野、バルーン海原はカヌー歴がかなり長い。
そしてIT松本も、アウトドア・スポーツをこよなく愛する男で、最近カヌーにはまりまくっている。
かなりのポテンシャルがあるのだ。
そして、相当の自信を持っていた。
「まあ、正直なところ、優勝はムリでも決勝まではいけると思うんですよね」
いつもは控えめな設備の佐野は、鼻をひくつかせながら、自信にあふれた目でいうのであった。
お昼ちょうどに紀北町の尾上町長の合図でいかだレースの予選スタート。
どんどん予選は繰り広げられて、いよいよダウンレバークラブが出場する第4レース。
「じゃ、いってきますね! 応援よろしく!」
さすがカヌーイストたち。
いかだをバックさせるのもお手のもの。
他のチームより断然扱いがうまい。
あっという間に方向転換してスタートラインに並ぶ。
隊長のわたくしは正直まったく期待していなかったが、いやこれはひょっとしたら・・・と期待が高まってきたのだ。
予選4組。
スタートのホイッスルを待つ。
緊張の瞬間。
が、その緊張の最中、なぜかヴァナゴン太田さんが綱渡りに出場中。
「あれ、太田さんじゃ・・・」
と、みんなが視線とカメラを向けた途端、海中に没する(笑)。
「・・・・・・」
なんだか先行きの暗い展開になった・・・・。
大丈夫なのか・・・・。
そんな時、スタートのホイッスル!
ダウンレバークラブは一番手前のコースからスタート。
かなり早い。
正面のブイを回るためには、一番外のコースまで移動していかねばならない。
が、となりのいかだのスピードが遅く、ダウンレバークラブは押さえつけられるような形になる。
ブイが近づくが、なかなかその混戦から抜け出せない。
ブイを回る。
パドル操作に長ける設備の野田とバルーン海原が舳先と艫(とも・おしりね)を握っている船は、どこよりも小さく、無駄なくブイを回る。
そこで、混戦から抜けだした。
そこからは単走!!
早い早い!!
あとを追う2番手を船1つ、2つ分と引き離していく。
そしてトップのままゴール!!
満面の笑みの設備の野田と、放心状態のIT松本。
「ようやった!!! これはいけるんじゃないの!!!」
隊長のわたくしはみんなを出迎えねぎらった。
「ちょっと出足が失敗しましたけど、まあ大丈夫でしょう・・・あはは」
バルーン海原は余裕の笑みを浮かべるのであった。
いかだレースは到着順で予選通過が決まるのではない。
それぞれにタイムが計られていて、そのタイム順で上位10チームが決勝に進出するのである。
であるからして、
これから続く予選でいい結果を叩き出すチームが出てくると、われわれのチームは落ちるわけである。
他のチームの予選を見守る設備の野田とバルーン海原。
彼らは幼なじみである。
こうして海や川でずっといっしょに遊んでるって素敵なことである。
「あ、あのチーム結構タイムがええぞ」
「オレたち抜かれるかも」
「石投げて邪魔するか」
「あ、チクショウ! 沈め沈め!」
などと微笑ましい会話をしている(笑)。
ずっとレースを見ているのが飽きてきた隊長のわたくしは、射的をして遊ぶ。
このあと、屋台でいろんなものを食べ、綱渡り競技に出場して海へ落ち、駐車場で全裸になって着替えをした(笑)。
決勝のための体力を温存するため昼寝をする設備の佐野。
他の面々もそれぞれに体を休め、決勝の発表を待っていた。
が・・・・・。
まさかの予選敗退。
「え、うそ・・・・」
決勝進出チームの発表を聞き終えたダウンレバークラブの面々は、まさに呆然と立ち尽くしていた。
「はい、おつかれさん! じゃ、記念写真を撮ろう!!!」
パシャリ。
「悪いけど、次あるから、もう帰るわ」
と、わたくし。
敗退した4人を残し、さっさと現場をあとにした。
あーあー。
祭りの花火を見上げながら、賞金10万円の美酒に酔いしれたかったなあ。
来年はやはり20代の選手を集めて挑戦やな。
サルシカ隊、いかだレースの漕ぎて求む!!
みんなで10万円ゲットしようぜ!!
では、また来年。
ちゃお(笑)。