軽バンのキャンピングカーをつくる企画は、コツコツと地道に進んでいる。
家具作り、電装、車の修理、木材のプロがいても、キャンピングカーをつくるなんて初めてのこと。
まさに手探りでの進行なのだ。
救いは、
サルシカ隊にキャンピングカー所有者が多いこと。
隊長のわたくしも、10年近くハイマーというキャンピングカーに乗ってきた。
が、今回はベース車が軽バン。
クラス最大のエブリィを選んだものの、狭いものは狭い。
空間づくりに知恵が必要なのだ。
キャンピングカーのレイアウトやデザインはまだ決まらないが、確実に必要なパーツはピックアップしてある。
頭のなかで考えるだけでは限界があるので、なるべく決まっているものは手に入れて、実物を並べながら考えることにする。
若干の無駄は出るであろうが、最終的にいいもの、合理的でスタイリッシュなものにするにはこれがベストだと判断したのである。
アマゾンやらあちこちの通販でパーツやら必要なものを注文しまくる。
当然、どかんどかんと基地にそれが運ばれてくる。
同じ運送会社のおいちゃんが1日に2回も3回もくることがあって、
「いったい何をはじめるんですか?」
と驚いていた。
正直にいうと、既成品のパーツを買い揃えれば、キャンピングカーは出来上がってしまう。
それほど今はパーツが充実している。
ひと昔前のラジコンや自作パソコンと同じやね。
けれど、組み立てるだけじゃ面白くない。
サルシカらしい、オリジナリティがほしい。
これまでになかった機能性、そしてスタイリッシュなデザインがいるのだ。
ルーフキャリアも届いたよ!
まだぜんぜんキャンピングカーとしてのビルドはしていないけれど、サルシカの活動にベース車を使いたくて発注。
パックラフトやパドルを乱暴に積んで川下りを楽しみ、軽キャンで機能的かつスタイリッシュにアウトドアスタイルをきめる。
わたくしはかっちょいいおじさんになるのだ。
そしてサルシカモータースが発表する軽キャンをプロモーションしていくのだ〜〜!!!
なんて意気込んでいたら、届いた商品の中に説明書が入っていない。
パーツが多くてどう組み立てたらいいのかわからないため、第2回の銚子川のアタックには間に合わず断念(笑)。
なんとか次回の川下りまでには間に合わせたいのだ。
今回のプロジェクトで一番重要なギャレーや家具、ベッド部分を制作担当する体脂肪率7%の「きっさん」は、いま、奄美大島へバカンス中で、サーフィンとカヌー三昧の日々を過ごしている。
そのきっさんが、南国の海辺でオリオンビールを飲みながら、
「隊長、ぼくが帰る前にサイテー限、どこに何を設置するかぐらい考えておいてくださいね。できたらダンボールで型取りしておいてくれると助かるなあ」
などどメールをよこすのである。
わたくしは原稿に追われつつパソコンのまえで、1本も無い髪の毛をかきむしりながら、「ぬがあああああああ!」と吠えるのである。
泣くのである(笑)。
そして思いつくままにペンを走らせ、描いたこともない設計図とやらを描くのである。
まあね。
ひどい図面だと思うよ、自分でも。
「こんな感じでお願いしたいのですよね〜」
と、キャンピングカー制作チームのみんなに届くグループメールに送ったら、
すぐさま、
「モチベーションが下がったなあ」
とか、
「この通りにつくってやる」
とか、
「まずは図面の基礎から勉強しましょうね、手取り足取りやさしく教えてあげるからね」
と、返ってくる。
平日の夜遅く。
仕事を終えた大澤の空飛ぶ若旦那が電装関係の打ち合わせにやってきてくれる。
メールやFacebookでは毒づきながらも本当はやさしいのだ。
大澤さんは食堂の主であるが、もともと電気関係の仕事をしていたので非常に電装関係に詳しい。
おばんざいバルすみすの電気工事も彼が中心となってやってくれた。
そして、自分の車にサブバッテリーや走行充電などを積んで、簡易キャンパーに改造している。
非常に頼もしい存在なのだ。
今回、軽キャンに装備する電気関係の設備は、
1.サブバッテリー(これで生活用の電気をまかなう)
2.走行充電器(コントローラーつき)
3.外部充電器(コンセントからバッテリを充電できる)
4.インバーター(100Vの家庭電化製品を使えるようにする)
5.LED照明数点
6.12V用のコンセント数カ所
以上である。
2〜6に関してはそんなに場所を必要とせず、すべてキッチンの下に収納できそうであった。
が、サブバッテリはそれなりの大きさで、居住空間にその確保が難しかった。
床下にメインバッテリーがあり、その横になんとか無理やりサブも並べて入れられないかと、吉川自動車のキヨちゃんに検討してもらっていたが、希望するサイズのバッテリーを入れるのは無理であることが判明していた。
サブバッテリーの収納場所をなんとかしなければ、今回のプロジェクトははじまらないのだ。
で、再度、車のボディをチェック。
助手席側の後部座席の下。
パカっとフタが外れるところがある。
ジャッキを収納するスペース。
中の空間はかなり広い。
奥行きもある。
ジャッキを別のところに移し、ジャッキを固定するところを切断してしまえば、かなりの空間が確保できる。
が、入口が15センチ✕19センチとかなり小さい。
ここから入るバッテリーがあると思えない。
なんとかならないかといろいろ調べつつ、荷台床のシートを剥いでみたら、なんと上にフタがあるではないか!
右の運転席の後ろ側の方はひょっとしたらガランドウでないかと期待しつつフタを開けてみると、そこにはリアヒーターがいらっしゃった。
ほかの電気関係のパーツが同居する余裕なし。
で、ジャッキがいる上のフタを開けてみる。
おお!
上は20センチ✕30センチほどの口が空いているぞ。
ジャッキの固定している金属もなんとか切断できそう。
ジャッキに引っ越しをしてもらえれば、この場所は使えそうだ!!!
座席したの中の空間のサイズをはかり、そして口の採寸をきっちりとやる。
その上で、ネットでバッテリーの検索。
必要なのは50アンペア以上のディープサイクルバッテリーである。
そして!
ようやくそれは見つかった。
値段もまあそんなに高くない。
「これでいけそう!!!!」
サルシカ軽キャンパープロジェクトはいよいよ本格的に始動する・・・はずだ(笑)。