「シーカヤックに乗っていこう!新たな船出!」第499回サルシカ隊がいく

投稿日: 2017年01月17日(火)09:34

すみす、ランタン、まりりん・・・・。
昨年から町に店をつくってばかりいる。
いつも工事ばかりしている。

まるで、泳ぎ続けなければ死んでしまうサメのように、われわれは工事をしまくっている。
店だけじゃなくて、軽キャンカー、ヤギ牧場、秘密基地・・・・。
いつも「ぎゅいんぎゅいん、どかんどかん、ぎこぎこ」とけたたましい日々を送っている。

このままではいけないのではないか。
何かを見失っているのではないか。

われわれは三重の海、山、川を楽しみ、新たな田舎暮らしを提案するグループではなかったか。

そうだ!
シーカヤックで海へ出よう!

工事ですっかり汚れちまった心を波で洗い流そう。

・・・というわけで、中谷の父ちゃんと共にシーカヤックを軽キャンカーのルーフキャリアに積んだ。

心がときめく。
ざわめく。

さあ、海へいこうじゃないか!!!

が、なぜかやってきたのは、三重県津市大門。
そう、新店舗を出す商店街だ。

なぜかそこでシーカヤックをおろし、店の方へと運ぶ。

そうなのだ。
このシーカヤックは、「キャンプバー・ランタン」に吊るして展示してしまうのだ。

ランタン、キャンプファイアー、カヌー、テント・・・・。
これが「キャンプバー・ランタン」のコンセプトイメージの主軸となっているのである

電気工事をしていた鳴海さん、「ランタン」の工事をしている職人さん2人、そして中谷のとうちゃんとわたくし、計5人でシーカヤックを店内に運び込む。

私が持っていたシーカヤックは長さ5メートルを越える。
ななめにしないと店内に収まりきらないサイズ。

なんとか入口から入れられる予定であった。

・・・が!
入らない。

カヤックの一番先を奥の壁に突き当てても、お尻が30センチほど店の外に出てしまう。
オーマイガア!

大ピンチなのに隊長のわたくしは何を喜んでいるのであろうか。
アホだなあ。

すでに取り付け完了していたカウンターを一度外してもらって再チャレンジ。
シーカヤックを裏返したり、横にしたり。

・・・・が、入らない。

わずか2センチほどなのである。
それがサッシの端に引っかかって入らない。

サッシを外すことは可能であるが、それはかなりの作業になってしまう。
果たしてどーしたものか。

ない頭を絞り、中に入れる方法を考える。

その結果・・・・・
シーカヤックの先っぽを切っちゃえ、ということに。

「いやいや、ちょっとそれオレの私物だから」
「いいのいいの、仕方ないじゃん」
「ああ、やめてやめて〜」

ぎこぎこ。
ああああああ。
サルシカ隊長であるわたくしのカヌーが無残に切断されていく。

絶望的な気分で見つめているわたくしとは対象的に、職人のIさんはやたら楽しそう。

「大工人生の中でまさかカヌーを切る日がくるとは思いもよりませんでしたよ、貴重な体験だなあ」

「この先っちょもらっていい?
秘密基地に飾っておこうかなあ。
それともランタンの2階にあがる階段に飾っておこうかなあ。
【隊長の涙の先っちょ】ってタイトルつけてさ、あははははははははははっ」

ときおり、この親父を殺してやろうかと思う時がある。
そもそも、この手のおっさんたちは、自分の道具が壊れると半べそになるくせに、人のが壊れるとやたら喜ぶという悪いクセがあるのだ。
まったく困ったものだ。

先っちょを切断したシーカヤックは余裕で店内へと入る。
天井にななめに吊るし、固定する予定だ。

どんな仕上がりになるかぜひ楽しみにしていてもらいたい。

この日は、隊長のわたくしも工事を。
ランタンの2階。
完全個室のパーティルームであるが、ここは豪華にコーディネートされる。

部屋の壁の上部にサンをつける。
ぐるりと全部。

そのサンは、壁から1センチほど浮かせてある。
ここにあるものを通して、部屋全体をあるものへと変えてしまうのだ。

一方、サルシカ秘密基地では、まりりんと夫のパパリンが夫婦作業中。
きのうやり残した、まりりんのお店の椅子の張替え作業。

「ほらあ、ちゃんと引っ張れよー」
「パパが引っ張ったらええんちゃうの」
「じゃあ、タッカー打てよ」
「なんでそんなに偉そうにいうの」
「打ってください」
「どうやって打つのさ」
「こうやるの」
「パパが打ったらわからへんやん」
「見て覚えてそれからやったらええんやないか」

このふたりの会話は聞いているだけでバカバカしくなってくる。
が、作業は確実で早いのだ。

さらに一方の、まりりんのお店では、「ひかりの魔術師」こと鳴海さんがひとり作業中。
なんとか目処が立ってきたようであった。

秘密基地に並べられた2店舗の椅子。
説明するまでもないと思うが、茶色が「ランタン」。
ピンクが「まりりん」のである。

さて。
次回より厨房機器、椅子やテーブル、そして照明、看板などが入りはじめる。
たぶん劇的に変化するはずだ。

そして、実際のお店でのテストオペレーションがはじまる。