いよいよ四日市リレーマラソンがはじまった。
これは、四日市市制120周年を記念して行われたイベントで、四日市ドームとその周辺1.7キロを26周する。
われわれサルシカチームは10名で参加。
しかもその平均年齢47歳(笑)。
つまり、4名が2周、6名が3周走らねばならぬのだ。
2番走者のエネオス稲ちゃんが帰ってくる。
ほかのチームはひとりの選手が2周3周と続けて走っているが、われわれには信じられぬことである。
1周走り終えたら、その場によれよれと倒れ込む。
「あかん、みんな早い。
結構本気の人ばっかりや。
どんどん抜かれてく」
もうこの時点でトップチームはわれわれを追い抜き、周回遅れとなっていた。
情けないとは思いつつもどうしようもない(笑)。
3番手は農業女子の文ちゃん。
ただでさえ忙しいのに、なぜまた走ろうと思ったのか。
「実は走るのが得意なの!
イノシシやシカを捕まえるために野山を走り回ってるから!!」
なんていうのかなあ、と期待していたのであるが、ものの見事に苦しそうな表情。
悲壮感たっぷりに走る(笑)。
で、当然走り終えたらへたり込む。
「もうダメ、2周めなんて無理! 体力が戻ると思えない!」
いやでも必ず次はやってくるのであるよ。
4番手は、サルシカカフェ担当の池田さん。
この海沿いのストレートがキツイ。
わずかな向かい風。
眺めは最高だけれど、見ている余裕すらない。
が、カメラを向けられると思わず笑ってしまう悲しいサガ。
笑うとこれまた苦しい。
ヒイヒイ、ゼコゼコ、ワハハハのハになってしまう。
ワクドキチームは順調にタスキをつないでいた。
「20代だもんなあ」
「若いっていいなあ」
「くそ」
おじさんおばさんたちは、素直に若者たちを応援しない(笑)。
さて。
サルシカの5番手は文ちゃんの次女。
小学5年生。
子どもはゲンキだ。
ピュ〜と走り出していく。
いいぞいいぞ、がんばれ〜。
おじさんおばさんの分も走ってくれ〜。
お小遣いあげるからさ〜。
走者が代わるドーム内はこんな状態。
三重テレビアナウンサーによる放送もあるし、大きなビジョンでの放送もある。
情けない姿はさらせないのだ。
サルシカ6番手は、ワークショップ高木。
走る直前になってサングラスをし、サルのかぶりものの下にiPodとイヤフォンを仕込んでいる。
なにカッコつけてんだ、このオヤジは。
帰ってきたあと。
ヒイヒイゼエゼエ、コメントなし(笑)。
が、彼の名誉のために言っておくと、彼は早かった。
サルシカで唯一の1周7分台を記録。
やるときはやる男なのだ。
サルシカ7番手はカフェ担当の裕子ちゃん。
ノルディックウォーキングのインストラクターもやってるし、思わぬ伏兵ではないかと期待していたが、彼女は競歩のように低速安定で走る。
笑顔は忘れないが、スピードは忘れてしまったらしい(笑)。
8番手は、日本人顔のアンジェラ。
「昔はハーフマラソンにも出たこともあるんですよ、昔は・・・・・」
その表情は暗い。
いつもはむやみにハイテンションなのに、動きまでどんよりしている(笑)。
みんないきおいで「出る!」と言っちゃったものの、いざ走るまえになると焦りだすのだ。
「アンジェラ、お願い〜」
「いや〜、お願いされてもね〜、とりあえずいってきます〜」
まるで近所におつかいに出かけるように走っていくアンジェラ。
面白いからコースを外れて近くのコンビニまで行っちゃいなさい(笑)。
ここで経過発表。
サルシカは順調に最下位をキープ(笑)。
すでにトップクラスとは3周ほど周回遅れになっている。
で、9番手。
いよいよ隊長であるわたくしの番である。
アンジェラがゼエゼエと肩で息をしながら、死にそうな顔で走ってくる。
本来であれば、わたくしがタスキをとりにいってやるべきであろうが、わたくしだって走る距離をのばしたくない。
「がんばれ、アンジェラ! あともう少しだ!!」
が、アンジェラは涙目になってのそのそ近づいてくるばかり。
ようやくタスキを受け取って、いざ走らん!!
事前の練習で500メートルしか走れなかったのに1.7キロにチャレンジするほうがどうかしている。
走って300メートルで足があがらなくなる。
苦しい。
足がイタイ。
苦しい苦しい。
イタイイタイ。
もう地獄の10分であった。
52歳のわたくし。
サルシカチームで最長の11分台で次の吉川姉御にタスキを渡す。
姉御のヤツは、わたくしからタスキを受け取る前に走り出しやがって、わたくしに「早く!隊長!」と言いやがった。
鬼だ。
悪魔だ。
で、わたくしも倒れる。
もうダメ。
もう走れない。
家に帰る。
が、まだまだ序盤戦なのだ。
次回、感動のファイナル!!!