「第2回サルシカ黒豆収穫祭」第140回サルシカ隊がいく

投稿日: 2011年11月02日(水)10:22


写真:フォトグラファー加納(加納準)

すさまじい数なのだ。
ひとつのイベントでこんなにたくさんの人が集まったのは、サルシカ4年の歴史の中でもそうそうないことである。

そもそも最終的に何人の隊員が集まるかわからなかったので、
この写真を拡大して数えてみた(笑)。

おとな29名。
こども23名。
計52名の参加者であったのだ。

このメンバーで黒豆の収穫をしよう、というのが今回のイベントである!!

2011年10月30日(日)、午前9時30分。
三重県津市久居のあるショッピングセンターの駐車場にぞくぞくと車が集まってきた。
この場所、時間は参加表明者のみに通達されたもの。
今回入隊する人もいるのでまるっきり初対面の人もいる。

が、作業着やら汚れてもいい格好をした者たちがゾロゾロしているので、
みんなすぐさまわかったようである。

が、一方で、
まったく関係のないお買い物やお食事に訪れた方には迷惑をかけた。

「なんだなんだ、こいつらは!?」
「これから一揆を起こす農民か!?」
「いや、どこからか流れ着いた難民だろう」

などと思われたに違いない。
さほどに、日曜のショッピングセンターにそぐわないワタクシたちであった(笑)。

おおよそのメンバーが集まったところで、隊長オクダからご挨拶。
そして、今回の黒豆の畑の手配をすべてやってくれた割烹やまきの大将やまちゃんより、畑への道順の説明がある。

「じゃ、あとは並んでいきましょ」

と、いつもの通りアバウトにスタートしたのであるが、
なんとズラリと並んだ車は15台近く。
人数から計算して当たり前のことなのだ。

が、15台もいると、下手をするとひとつの信号から次の信号までつながることになる。
途切れずに走るなど、絶対無理なのだ。

で、後ろを気にしつつノロノロと走った。
たぶんその姿は、アメリカ大陸をいく超ロング列車のようであったに違いない。

予定以上の時間がかかって、ようやく黒豆畑に到着。
場所は松阪市嬉野町の某所。
ここの黒豆畑の3畝を、割烹やまきが買い取っているのだ。

今年は秋になっても気温が落ちず、また大きな台風が襲ってきたので、非常に実りが悪いとのことであった。
それでは申し訳ない、ということで、黒豆を育ててくれている農家の方が、もう2畝プレゼントしてくれたのだ。

計5畝。
1畝が75mあるというので、なんと計375mもあるのだ。
50人でとりかかっても、ひとり7.5mを担当しなくてはならないのである。

しかも、乳飲み子や小さい子どもたちもいるので、
大人ひとりが担当すべき距離はもっともっと多くなる。

「これは大変だぞ・・・」

隊長のワタクシはその不安を隠しつつ、改めて挨拶に入る。
そしてやまちゃんから注意事項の説明が。

「とりこぼしが多いので、1本ずつすべてむしりとるよーに!」
「カメムシがいっぱいいるので注意するように!」
「すべてとり終えるまで帰れませんので、そのつもりでがんばってください」

みんな最後のひと言で「ええええ!」となる(笑)。
が、これは脅かしではなく本当のことなのだ。
今日収穫しないと、もう収穫するときがないのだ!!

「では、突撃ぃ!!!」

サルシカ隊の面々は、わらわらと畑に入っていくのであった。
右から左から、順序よく収穫していくのだ。

右の写真は、赤ちゃんを抱いた「わび助」さん。
今回の黒豆収穫に合わせてご主人と共にサルシカ隊に入隊。
左上。子どもたちもワイワイと楽しく豆をとっている。
左下。ひだのんさんの奥さんと子どもたち。

ほのぼのとすばらしい牧歌的光景であった。

このあと、いろいろ大変なことが待ち構えているとは知らず、
まだまだ余裕で楽しんでいる男たち。

写真左上・・・木こりのイチローこと「やっさん」
写真右上・・・イベント初参加、「大工の高橋」
写真右下・・・整体師の「ひだのん」さんと、この日入隊の「ひろさん」
写真左下・・・隊長のご近所の「タカシ」隊員

写真右上・・・こさやん隊員も家族で参加。

隊長「たまにはこんな風にのんびり農作業ってのもええもんやねえ」
こさやん「しかしこれ最高のつまみですね~」
隊長「しばらく宴会つづきやで・・・」

写真右下・・・久しぶりにバカエミ家族も参加。

バカエミ「ビール、ビール、もうビールが飲みたいわ、ワタシ。黒豆ナマでかじったろかしら」

相変わらずバカである(笑)。

そして・・・・
ついにその「大変なこと」は起きた。

雨である。

この日の天気予報は午後から雨で、朝から時折ポツリポツリと落ちてきていたのだ。
が、その雨が少しはげしくなった。
作業できないほどではないが、小さい子どももいる。
それにこれ以上降ってきたら、それこそ作業中止となってしまう。

そこで急きょ「プランB」に移ることにした。
天気のことを心配して、事前にやまちゃんが近くの製材所の軒下を借りられるように手配しておいてくれたのだ。

そこに女性や子どもを先に避難させ、
男性が黒豆を根っこから引っこ抜いてどんどこ運び込もう・・・という作戦である。

製材所の軒下に運び込まれた黒豆に群がる女性や子どもたち。
楽しそう・・・というより、修羅場といった方がピンとくる(笑)。

畑では、雨に打たれつつ、男たちが次々に黒豆を枝葉ごと運ぶ。
もはやみんなの顔に笑みなどない。
苦悩・・・困憊・・・疲弊・・・体をギシギシ言わせての重労働なのだ(笑)。

こんな時のために用意していた隊長の軽トラ「いとう君2号」で、黒豆の山を運ぶ。
荷台も運転席もドロドロ。
が、もうそんなことに構っていられない!!

終了予定だったお昼の12時を回った。
が、まだまだ黒豆の山が片付かない。

黒豆を運び終えた男たちも摘み取り作業を手伝う。
ひたすら黙々と作業を続ける。
お腹を空かせた乳飲み子が声をあげて泣く。
痛む指先に誰もが顔をしかめる。
闘いだ。
これは闘いなのだ。

52人の男女、そして子どもたちが力を合わせて戦っているのだ。

明けない夜はない・・・。
そして止まない雨はないのだ・・・。
いずれ必ず平和はやってくるのだ・・・・!!

そして・・・・・。

午後1時。
予定時刻より1時間遅れて、すべては完了した。
この収穫された黒豆の量をご覧いただきたい!!
そして汚しまくった製材所をお掃除。

今回はみんなでとった分を一度すべて集め、
参加できなかった人への分配分を除いてから、みんなで分配した。

大体1家庭でスーパーの袋にどっさり1杯分。
ご近所に配りまくってもらわないと消化できない量である(笑)。

その夜。
昨年と同じく希望者のみで夜の宴会が、隊長宅で行われた。
料理を担当するのは、もちろん割烹やまきのやまちゃん!!
黒豆以外の食材もすべて調達してくれた。

黒豆を使った豚肉の炒め物など、黒豆の料理はもちろんのこと、
さまざまな料理がどどどどどどーんとテーブルを飾った!!

この日の夜の参加者、なんと35名。
田舎の家とはいえ、よくもまあこんなに入ったものである。
そしてわずかな時間でこれだけの人数の料理をまかなえたものである。

この日、
山の上にある我が集落に呼ばれた代行運転は3台。
そもそも代行が呼ばれたことがはじめてあったと思うが、いきなり3台。

お迎えにきた代行の方々が、家からぞろぞろと出てくる人をみて
「いったい何があったんですか?」と驚いていたのであった。

最後に。
今回の手配をいろいろしてくれた割烹やまきのやまちゃん、おかあちゃん。
本当にありがとうございました!
また来年もよろしくお願いいたします!!!(笑)